***素直になれ 〜揺れる想い〜***
認めちゃえばいいじゃん?








「なッいいかげん名前で呼んだらどーや?」
「・・・・・・・・・」
にっこり笑って忍足は隣の席のに言った。
無言のままのに対し、笑顔を崩すことなく。


が俺のこと『侑士』って呼んでくれたら、
俺めっちゃ嬉しいんやけどな〜」


「・・・・・・」
「・・あの〜ちゃん。ご機嫌斜め?」




あの日以来は、必要以上に忍足と言葉を交わすことをしない。
それを忍足はかなり不満に思っていたが、結局のところ自分が悪いと
分かっているからか、あえてなにも言わない。
しかし名前で呼んで欲しい欲求は無くなるわけもなく、増す一方で。
忍足一人突っ走っていたりする―――。







「あんな、なんか言ってくれてもえーやんか」
「・・んで私なの?」
「???」
忍足は、の言っている意味がよく分からなくて首を傾げた。
「あのーちゃん?」



は席を立ち言い放った。
「別に私が忍足のこと名前で呼ばなくたって、
他の子に名前で呼んでもらえばいいでしょ。
アンタを好きだって言う子は沢山いるんだから」




教室にいたクラスメイト達が一斉に二人の方を見た。
はそのまま教室から出て行った。
その後姿を見ながら、忍足はの言葉を反芻してみた。
「なんやそれ、全然意味分からんわ」





放課後になった時には『忍足がにふられた』なんていう噂が広まっていた。








「なぁ忍足、なんか変じゃない?」
「そうですね・・・」
テニス部レギュラー陣が、忍足を見てコソコソ話している。



忍足は黙々と柔軟体操をしている。が、その顔は怒っていて・・・
そんな様子を見ていた、部長でもある跡部が声を掛けた。



「お前さ、にふられたんだって?」
そんな跡部の問い掛けも気にせずに、
忍足は黙々と柔軟を続けている。


跡部は忍足の前に立ち、
ってさ、あれだよな」
微かに忍足の身体が反応した。


「アレってなんや?」
「あっ。気になんのか?」
「別に気になんかならへんわ」
立ち上がりコートに向かおうとする忍足に、跡部は言った。




「お前がのことなんとも思ってないなら、俺がもらっていいか?」





――空気が重い。息が詰まる。胸が痛い。





「好きにすればええやん。俺とアイツは何もあらへんし、関係ない」






「へぇ。なら遠慮はしねぇからな」











ただ少し気まずくなっただけ。
明日になったら、仲直りして、またいつも道り。


きっと今日が全部悪い夢で、全部嘘で――
明日になれば、またいつも通り。 そう思いたかった。






認めちゃえばいいじゃん?



『  』だって。
だから名前で呼んで欲しいって。
認めちゃえばいいじゃん?



「そんなん無理にきまっとるやんか・・・」




嘆きは空に吸い込まれた。
青い青い空の中に―――――






>>>感想<<<
『call』待望の続編!!!続編を待ち続けてもう。。。
テストとかそっちのけでどうなるんだろどうなるんだろって(笑
ヤバイってこれ。俺様出てきちゃったよ(汗)おぅおぅ略奪かー!?
ヒロインモテモテだなぁー。ドキドキしながら読んでましたvv


>>>モドル<<<
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