***ワン切りオフの夜***
おかけになった電話は、
電波の届かない所にあるか電源が―


ワン切りオフの夜


分かっとる

今回の原因は俺の方にあった



「何で一言、言えんかったんやろ」



おかけになった電話は…


守れんでスマンかったって―






xxx
数時間前。

電話が鳴った。
面倒で出なかった。

そこまでは良くある話やと思う


…せやけどその電話は出ないとあかんかった。

犬が川に流されてたの!
助けなきゃダメでしょ?!



は川に飛び込んだ
アイツ、泳げんくせに

つまり通じない電話番号に電話をかけてるわけで。


河川敷で好きやったを探しながら

「はぁ…えらいことしてもーたわ」

握っていた携帯を草の上に放り
しゃがみ込んで頭を抱える



、好きやったで。お前ん事―」


「過去形〜?!」


ビクッ


振り返って見上げた先には―

「光遅いよ、バカ」
「…生きとったん?」
「酷っ!そんな死んで欲しかった!?」

「犬は」

「飼い主にちゃんと渡しましたー!っていうか…
私がバシャバシャやってる間に助けちゃってたんだけど」

水をもろに被った格好で苦笑いをしながら話す

「光、濡れるって…」
話せない位にきつく抱き締める

「もう離さん」
「苦し…!」



その言葉で我に返り腕を緩ませる

「携帯は?」
「あはは、じ…充電切れちゃった」




大きな溜め息を吐いて面と向かう

「そんなが愛しいわ」

「愛…しい!?」


「ほら、せやから」
「な…ここで?!」

「どんだけ心配したと思てんねん。たまにはからしてや」
「ご、ゴメン」





必死に背伸びしながら唇を合わせる


私ってば濡れながら何やってんだか

「帰るか」
「…お、おう」
「何やねん、おうって」

テンパってるんだよ!

不自然に濡れた彼女に
そっと着ていたカーディガンを被せながら
同じ歩幅で歩き出した


「光、私容疑者みたいじゃない」
「…みたいやな」
「ふ、フォローしてよ!!」
「真実やん」
「仕向けるなー!」

ま、犬必死に助けようとするバカな

「直球で好きやけどな」

「え?」
「何でも無いわ、良いから前向いて歩き」
「ほらー、そう扱う」


END




>>>コメ。<<<
えー、シリアス?と見せかけてほのぼのしい感じの。ショート。
後半は光らしい攻撃的(?)な物になってれば良いなぁ…と。
ちょっとした優しさが良いと思います(何がですかね



>>>モドル<<<
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