***季節外れの桜***
授業中
私は必死にノートを取って
集中して内容聞いて

貴方に目が行かないように頑張る


季節外れの桜


どうって事ない
どこにでもいる普通の生徒だ

成績も運動も普通よりちょっと良いくらいだから
特に目立ったりもしないし

委員長とか生徒会長もやってるってキャラじゃないし
暗くも無く、明る過ぎるわけでもない


どこにでもいる生徒



…ただちょっと最近は危険な橋を渡りたがっている

xxx



「補習受けたい、何てよう自主的に言えるなぁ」

黒板を消しながら話しかけられる

「どうしても分からない所があって」
「偉いわ〜。俺やったら絶対放置やな」
「先生がそんなこと言って良いの?」
「内緒やで!で、どこや?」

その日はたまたま分からない所があった
分からないままにしておくのも何だか嫌だし

何よりも
勉強になると物凄い丁寧に説明してくれて分かり易い

話がよく脱線するけど

「あ、なるほど!そういうことかぁ」
「な!こう考えてくと簡単やろ?」
「ありがとう、先生」
「ホンマ、えぇ生徒やなぁは」

頭撫でられたって
所詮先生から見た私は生徒…なんだよね


「渡邊先生、ちょっとえぇかしら」
「ちょっと待っとってな」
「はい」

ドア越しに楽しそうに話す二人
先生を呼んだのは
うちの学校内で一番綺麗な先生だって言われてる国語の先生。

そう言えばあの二人、付き合ってるとか噂聞いたことあるけど
あれ本当なのかなぁ



どーせ私は生徒だもん
何百人の一人にしか過ぎなくてさー。

机を枕にしてうつ伏せに寝る
先生方が話してる方向とは逆の、つまり窓を見ながら


グスッ



マズい。何か目から零れる何かが。


「大体こう想ってる生徒だって他に沢山いるだろうし」
「どう?」






「せ、先生!?あの、お話は…!?」
「とうに終わっとったわ。…暫く見てた」
「うわ…ちょっと居るなら居るって言ってくれないと!」
「泣いとるんか?」
「泣くわけ無いし・・・!何か夕日が目に染みて?」
意味分からない上に疑問系だし

「あ、もう下校時間過ぎちゃってるや!先生また明日!!」

必死に笑顔を作りながら机の上に乗っている物を仕舞う


ガシッ


不意に掴まれる腕

「もっと頼ってもえぇんやで?一応俺、教師やさかいにな♪」

顔を覗き込みながらそう言った

「ううん、十分頼りにしてる。」

けどこの先は先生を困らせることになると思う。
だからせめて先生の中で”良い生徒”のまま卒業したい。




その日の帰路は冷たくて、長い気がした



xxx



、起きぃや」
「…眠い」
時計を見ると深夜3時を過ぎている

「こんな時間に…私明日学校だから…」
「今、中学時代のお前の夢見てな、切なくて切なくて」
泣き真似をしながら説明する
こんな深夜なのに元気だなぁこの人
「ん…?中学時代…いつの?」
「補習授業した日の事、卒業してから話してくれたやろ」
「あぁ…」
睡魔が襲って来て今の私は半分寝惚けている状態だ
でもあの日のことは覚えてる
「そう言えば先生…あの時何話してたの?先生と…」
「忠告されててん、」

相手はまだ生徒なんやから手ぇ出したらあきまへんよ”ってな


「…フフッ」
この一言は現実であって欲しかった


「先生最高だと思う!」
思わず抱きつく
「えぇ加減名前で呼んでや〜、もう卒業したやろ?」
「恥ずかしいよ。オサム先生じゃダメ?」
「まぁ、えぇか。今日は」
「今日は?」

「これ、呼ばんかったペナルティな」
「は!?」


寝惚けてるのを良いことに好き勝手して…
何度も言うけど半分は起きてるんだからね?

ぷいっと逆方向を向いて寝たふりをする
なのに追い討ちをかけてくるこの人は
もはや教師と言うより意地悪いおじさんとしか…

、こっち見ぃや」

耳を甘噛みながらそう囁く

「くすぐったい…このおじさんめ」
「うわ、それ禁句言うたやろ?あー凹むわ。」

急にしんとなる背中



流石に言いすぎたかな・・・


恐る恐る振り返ってみると背を向けて寝ているおじ…お兄さん。
布団を深く被り過ぎて頭しか見えない

「サラサラな髪ー。帽子で隠すなんて勿体無いよ」

手で梳きながら呟く

「あれ、本当に寝ちゃった?」
人のこと起こしておいて!!先に寝るとは

「どうしたら禁句のこと忘れてもらえるかな…」
が先生にお任せしますー言うてくれたら忘れたるわ」
「ん…って、起きてる!?起きてるの?!」

zzz


「何だ、寝言か…ビックリしたなぁもう」
任せるなんて言った日にはもう何されるか…
あ。それって、私の夢見てるってことなのかな?

「先生、好きにして下さい」

うわー何かこういうのドキドキする!!
絶対現実じゃ面と向かって言えないけど。言わないけど。


良い夢見れると良いね


「おやすみ、オサム」
「寝たらあかんやろ?
「!?」

うそでしょ!?夢なら覚めてー!!





END





>>>コメ。<<<
切ないけど甘いオサムちゃん夢を…とリクして頂いたのにも関わらず
切なかったけど甘くて危険なオサムちゃん夢になっていました(増えてる!
大変です。大の大人が狸寝入りですか(大人だって狸寝入りはします
さてこの後どうなったのやら乞うご期待(※読み切りですよ、これ)
ヤバいね。寝たいね(修飾語足りないです)



>>>モドル<<<
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