こんなことがあったらいいのに、とか。 ―そんな夢のような話 幸せの黒い猫 「、最近携帯に鈴付け始めたんやぁ」 「あぁ、これね。…何か付けとけって貰った」 「旦那にでしょ？羨しー。大事に思われとる証拠やん〜！」 「いやいや、だから旦那は止めようって！」 ―存在意義を示す鈴 近くに来たら分かりやすいやろ、鈴あると。 …そんな他愛ない理由だ さしてそこまで深い意味も無い(と私は思ってる) 大体ストラップに鈴が付いてることなんて稀じゃないだろうし 「…普通の鈴と違うのかな」 チリーン 「いや、変わらないよね…」 鈴と一緒に付いている猫が笑いながら揺れる ―そう言えば蔵ノ介って携帯にストラップ付けてたっけ？ 「貰ったままって言うのもあれだしちょっと寄り道しようかな」 こうして、私はいつもとは違う道から帰ることにした …わけだが 少し不思議な場に遭遇する 「お嬢さん、そこの鈴付けたお嬢さん」 「え…私？」 「こっちに来たらきっと良い物が見つかるよ」 「はぁ…」 何だ、これはもしや悪徳商法！？ 腰の曲がったお爺さんの後を恐る恐るついて行く しかし歩けば歩くほど人気が無くなり良く分からない道に来てしまった 「どこだここ…？」 xxx チリーン 「…どないした？白石」 「いや、今鈴の音が…」 「鈴？聞こえんかったけどなぁ。」 「せか…」 xxx カランコロン 昔ながらのドアを開ける 「わ、こじんまりしてて可愛いお店！」 「その鈴、優しそうなお兄さんに貰った物じゃないかい？」 ストラップを指差しながら聞かれた 「優しそう…に見えるかはわかんないけど… 髪の色物凄い明るい人だったら十中八九その人です」 「あのお兄さんはうちのミーを届けてくれてね。この店に寄ってったんだけど」 「ミー？」 その時タイミング良く 店の奥から出て来た黒猫 …なるほど、猫に導かれたってわけか そう言えばこのストラップの猫、ミーちゃんに似てる 「それでこのストラップを？」 「何でも…買った人が言うには不思議な力を持ってるらしいね。 迷っても元の道に戻れるとか…現実でも、人生でも」 「凄…」 ―そう言えば最近悩まなくなった気がする 「けど…その効果は 好きな人から貰わないと利かないらしくてのう。ませた飾りじゃ」 お爺さんは笑いながら付け足した 「じゃあ…私が好きでも相手が好きじゃなかったら利かないのか…」 ―って、なんだそれ！めちゃめちゃ緊張するじゃん 「でも…これ一つ買います」 「まいどおーきに。」 こうして黒猫の鈴付きストラップを手にし、お店を後にした 外はすっかり暗くなって街灯が点いていた位だ 「蔵ノ介…もう帰ってるかな」 ミャァ 「み、ミーちゃん？」 しきりに後ろを振り向きながら前に進む …ついて来いってことなのかな とりあえず黙って後をついて行く …これで分からない場所についたら私完璧に迷子だなぁ ミーちゃんは細い入り組んだ路地裏を器用にすり抜けて行く 「いたたた、私猫じゃないからはさまっちゃうよ…！」 出た先は住宅街 …あれ、ここって 「？」 「嘘…！」 挙動不審にキョロキョロと見回して呼ばれた先には… 「何で？」 「何でって…こっちが聞きたいわ。偶然にも程が…」 「ミャァ」 足元に擦り寄って来たのは一匹の黒猫 「お前…ミー？」 「そう、この子がここまで連れて来てくれたの。 あ、これこの前のお返しにと思って。」 ついさっき買ったばかりのストラップを手渡す 「…まさか」 チリーン 開けた拍子に鈴が鳴る 「蔵ノ介がもし私のこと好きだったらきっと良い道を示してくれる…はず」 「もしやない、当たり前や」 「当た…」 ―言い切る!?面と向かって言い切っちゃうの?! 「おーきに」 「私も貰ったし」 ふと携帯が目に入る 「あ、もしかしてストラップ付けない派!?」 「せやねん、電話する時とか邪魔やろ？」 「まぁ邪魔だけど…。だったらそれ、どうする？」 少し悲しい顔をしながら聞いてみる 「これは別物やから」 そう言って目の前で携帯に付け始めた 「…矛盾してるし」 「せやかてなるべく身に付けとらんと意味ないやん」 「あ、蔵ノ介意外に占いとか信じるんだ〜？ かーわーいーいー」 腕をつつきながら茶化す 「…置いてくで」 「すいません！！待って！」 チリーン 今日もどこかで鈴が鳴る END >>>コメ。<<< 白石短編を…!!という事でちょっと不思議な話を。 読み直してみるとかなり短編だな(･･･ …にしても白石ストラップ付けなさそうだなぁ(妄想 >>>モドル<<<

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