***UNSPEAKABELE***
上手く言えないけど、多分、きっと好きなんだと思う―――







隣の席に座っているクラスメートの名は乾貞治。
去年も同じクラスだった。
思えばあの頃から、彼に惹かれていたのだろうか?


そして今現在、私の頭の中はかなり彼・乾貞治で占められている。
全体の75%位(←乾の真似?)、乾貞治で頭の中はいっぱい。
「好きなの?」と何度自分に尋ねても、その答えは未だ出ず……。
「好きなんです」と頷けない私がここにいる―。



名前を呼ばれ顔を上げた。
「ん。何?(そういえば今授業中だった)」
「何じゃないよ、ほらここ、間違えてるよ」
そう言って乾君が私のノートを指差す。
(ウワ〜〜。細くて長い指だな〜)なんて考えてると…


聞いてる?ほらここ、こうなってこうなるから…」
「あぁ、なる程。ありがとう乾君」
「いや、別に礼を言われる事じゃないよ」
「そうかな。私には『ありがとう』の価値ありありだけどな〜」
「そう?じゃあどういたしまして」


あっ笑った。メガネの奥に隠れた瞳も優しく笑ってるんだろうか?
そんな事ばかり考えていて、結局授業なんか頭に入らなかった。




この曖昧な位置を『友達』と呼ぶべきだろうか?
男女の友情は成立しないなんて聞くけど当たってるかも。
だって私は乾君が好きで(多分)、
その時点でもう友達じゃないし…―――。






昼休みになっても相変わらず、私は乾君の事ばかり考えていて―。
だからもちろん回りのことなんて見もしないで、
廊下をフラフラ歩いていた。






「危ない!!」






聞きなれた声とほぼ同時に、ガシャーンと窓が割れる音がした。
あまりにも大きな音がして私はギュッと目を瞑った。







気付けば私は廊下に倒れて、いや誰かに押し倒されていた。
目を開けば視界は真っ黒で……。
とりあえず辺りを見渡してみると、
そこには割れた窓ガラスの破片か散らばっていた。






何が起きたのか分からなくて呆然としてると、頭上から声が降ってきた
その声は今さっき聞こえたのと同じで、はっとして見上げるとやはり――





「大丈夫だったか?怪我はしてない?」
心配そうに私の顔を覗き込むのは……やはり乾貞治だった。


 


返事が無い私を心配してくれてか、覗き込んだ乾君の顔がより近くにあって…





「だっ大丈夫。怪我してないから、ごめんね、ありがとう
(こんなに顔が近いのは反則////。勘弁してよ〜)」
「?そうか、ならいいんだけど…」


ポンポンとあやす様に乾君の大きな手が私の頭を撫でた。
それがすごく心地よくて、ずっとこうしていたかった――。



胸がトクンと音を立てた。
まるで『好き』と言ってるみたい。






日常の中の非日常のおかげ?で、
こうして私は乾君への想いが好き(多分)から
好き(確信)へと確かに変わったのである。
これからの日々、私はきっと何度も乾君に惹かれて行くだろう。
そう思うと身体が幾つあっても足りなさそう〜〜






二人の恋の行方は、神のみぞ知る?








>>>感想<<<
めっちゃ遅れちゃった更新(涙)
姉様にかなり前から預かってたのに申し訳ない・・・
乾に対する価値観が変わりました(笑)
どうしよ、かっこよすぎだよぉー。。。
と言うわけでヒトリでハイな琥珀でした。



>>>モドル<<<
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