***Forgotten love***
あの日一緒に見た
手を繋いで歩いていた小さな可愛いカップルも
寒い日に抱き締められた温もりも
キスの味ももう忘れた


Forgotten love


別れてから一ヶ月、か。
「別に、居ないのが普通なんだから
気になんてすること無いじゃん、自分」


見つめる先に居るのは
今日も変わらない表情で
ただ窓の外の風景を見つめている…


そう、変わらない表情で―



「ん?」
「手紙、回って来た」

回って来たのは一通の手紙


”放課後、屋上で待っとる。話あんねん!”


その手紙は仲の良いクラスメートからだった
6時間目、放課後は目の前だ


何だろ?
改まって話なんて。



xxx


「なぁなぁ、さっきの手紙何ー?」
「あぁ、何か話あるんだって。放課後に」
「それって!!もしかして告白ちゃう!?」
「えぇー?ないない!!ほら、早く掃除終わらせないと」
「絶対そうだってー!どうするの!?OKしちゃう?」
「いや、だからさ…」

そんなモテるはずないだろうし
でもまぁ、万一そっち方面の話だったらどうしよう


ハッキリ話は付いたわけだし。

って言うか一方的に付けられた?
えーと、確か…


!!ボケーっとして…どないしたん?」
「へ!?いや、何でも…。じゃあ行って来るね」







空が青い


「…何や苛立つ」


ついこの前までは
うるさいヤツが一人。

「訪問しに来とったんやけどなぁ」




バタン


「あれ、まだ来てないのかな」
、こっちこっち」






「何?話って」
「ほら、お前財前と別れたやろ?」
「う、うん」
「っちゅーことは、今フリーってわけやろ?」
「まぁ…」
「俺じゃああかんかなぁー思て」
「…」
おっと、万一の出来事が起きちゃったよこれ


「き、急にそんなこと言われてもなぁ…」
答えなんて出てない

「ずっと狙っててん、のこと!」
「でもさぁ、まだ一ヶ月しか経ってないんだよ?」
「別に別れた相手引き摺っとるわけやないんやろ?」
「引き摺っては…いないけど・・・多分」


別れた理由は至ってシンプルな物だった
私は屋上まで、いつものように光を迎えに行った

そしたら見知らぬ人と見詰め合ってて
その眼差しは真剣そのもので―

その日はやっぱり切ない気持ちで一杯で
けど、冷静なって考えてみた
あれは一個上の先輩だ。

先輩問わず告白されている場面を
見かけたことはあったけど
あんなに近付いていたのは始めてだったと思う。

光は先輩を見詰めながら何を考えていたんだろう?


結果、虚しくなって考えることはすぐに止めた
それ以来、自分勝手に気まずいモードのまま
避けて、避けて、避けて…

気が付けば一ヶ月…って、待てよ?


「別れたって言うより自然消滅…かな?」
「どっちでもえぇわー!関係絶ってるのは間違いないんやろ!?」
「そうだけど」
「せやったら」


ギュっと胸の中に押し込められ
積極的だな…なんて思ってる場合じゃない!


「ちょっと!まだ返事してない!」
「もう耐えられんわ!!」
「無ー理ー!欲求不満をぶつけないで」


背凭れはフェンスだし
相手は背の高い男子。
逃げ場がない


さて、いよいよどうしよう…

軽いノリで屋上なんて来るんじゃなかった




「…なぁ」





…!






「誰に許可貰てソイツに手ぇ出しとるん」

「ざ…い前…何でお前がおんねん…」
「何でっちゅーか、お前らの方やん。
人が寝てる所にズカズカと入りこんだと思ったら
うるさくて寝てられへんし」

「お前にはもう関係ないやろ」
「関係どうのの前に嫌やって言うとるし。
脈無いで、諦めて友達の方がえぇんとちゃう」

「覚えてろよ!」


バタン!!


どないしようかな



「た、助けてくれてありがとう」
「当たり前やろ、
俺まだの事好きやねんから」

「え?だって、前に先輩と凄い見詰め合ってて・・・」
「先輩?」



立ったまま話をしていた光が
目線を合わせながらしゃがみ込んだ

「こう言う風に?」
「う、うん」
実践しなくて良いよ!恥ずかしいから

「最悪な女や。カマかけられててん、あん時」
「カマ?」



私、前に一度財前君に好きだって言われたんだ。
覚えてるかな?



「ずっと見てたんやけど分からなくて
結局顔赤くして帰ってったけど」
「そりゃあ光に見られ続けたらね…」

「何や、拗ねとった理由はそれか」
「だって!普段そんなに見詰めないのに
あんな真剣に見詰め合ってたら・・・」
スパっと身を引いたほうが良いんじゃないかって


は赤くならないな」
「そりゃあ…光の顔割と見てるから」



チュ



「な…」
「コレは慣れとらんみたいやな」


久々のキスは甘かった

さてはまた新発売のスイーツ食べてたな




あんなに綺麗だった青は
何時の間にか赤橙に染められて


ついさっきまで忘れていた
好きな人の腕の中はやっぱ良いなぁと思えて


「光、離さないで」
「安心しとき、離すつもり無いから」
「…上等!」
「聞いたで、今の言葉。…一ヶ月分な」
「あ、いや…あの…待…!」



END




>>>コメ。<<<
光のネタは勘違いネタになりやすい。何故だ…!?
好きになったらほっとけない、いやほっとかないはず(多分!



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