***オレンジの黒板***
自分にとっては何も思わない一言が
及ぼす影響力を考えると

キリがない


オレンジの黒板


「いや、分かっとるし」
「何、唐突に」

黒板を消していた私に後ろから声が聞こえる
「コラ!机に座っちゃってもー!日誌書いたの?」
消すの遅い」
「う、すいませんね不器用で!」

マッハで黒板消しを動かす



キィィ


思い切り爪で引っ掻いてしまった
人間急がば回れだ

「ぎゃぁ!いたたた…!!」
「はは、マヌケにも程があるやろ」
「終わったんなら手伝ってよ、上の黄色とか青とか取れないんだから!」

と、言い終わる前に頭上にある手

「…で、何が分かってるって?」
「さっき言うてたやろ。クラスの…」
「あぁ、あの人の事。」

この場合のあの人とは。
クラスでちょっとばかし目立つ女子を指す。
つい数分前に愚痴混じりで言ってしまった私も悪いのだが…。


男子にばかり好かれようとして女子から嫌われる性格で
でもそれに気付かないで話している男子は数少なくは無い…

「うーん、それが"モテる"って結論に繋がる物な のかな」
「繋がらんやろ。まぁ、男子からは"人気"なのかもしれんけど」
彼はもっともな意見を直球に答えてくれる
「白石は?」

「俺は両方から好かれとる奴を信じるな」
「その人の本当の部分が分かるから?」
「せやな。…既に自分を隠しとる相手になんて魅力感じ無いやろ」
…鋭いとこつくな

黒板を消し終わり日誌を手にする
「相変わらず字綺麗だな…」

溜め息を吐きながら呟く

「さてと、先生に渡しに行こうか。」
、率直に言うてもえぇやろか」

「ん?なっ、私また何かしましたかね…」

「俺、どっちからも好かれとるお前が好きやわ」

「そ、そりゃどうも」
何故かタメ相手に礼までする


そしてこの時私は有り得なさ過ぎて
この言葉の真意をまだ把握していなかった

「返事は?」
「返事?あぁ、白石も両方から好かれてるよ」

「いや、好きか嫌いか聞いとったんやけど」
「だから好きだって」
「せやから、がいっちゃん好きやぁ言うとるやろ。
…意味把握しとる?」

「いっ…え!!」


バサッ

思わず日誌を落とす

「白石、それってもしやつつつ付き合ってみたいな話で
こここ告白的な…」
「急にどもり過ぎやて」

「何で!?良いとこ無いよ?!
おっちょこちょいだし授業中口開けたまま寝てるし顔だってこんなだし」
「分かったから、落ち着き!」

落ち着けるわけ…

教卓の上に座りながらイスに座って居る私を見下ろしながら話始めた


「このクラスになって俺に初めて話しかけた言葉覚えとる?
…覚えてへんよな」

「…クラス替えの初日」

うーん…何か言った?



xxx
溯ること四月の話だ


は俺の斜め前に座っとって

謙也にペン回しのコツを聞いた後、無言で黙々と練習をしとって
シャープを落とした

…単純な部分は瓜二つの二人やな

あまり関わりたくは無かったけど
思い切り視界に入る場所にあったから
シャープを拾って手渡した。

造作も無いこと

「ゴメン〜ありがとう!刺さんなかった?」
「…めっちゃ刺さった」
「え!うわどうしよう…にしても包帯巻くの早く無い?!」
「…」


アホや

…アホで純粋なんや


xxx
「それが第一印象。最初の会話やったんやけど」

「第一印象酷くない!?っていうか他愛もなさ過ぎてすっかり…」

「何や普通の目線で話しかけてくれたんが嬉しゅうてな」
「あぁ!白石顔立ち良いから…」
「顔どうの何てえぇやん別に」

それ言ったら世の不細工に怒られるぞ〜

「…って話。」
「お、おう?」

何て返せば?と思っていると白石が口を開いた


「さて日誌、渡しに行こか」

床に落ちた日誌を拾い上げ、頭を叩いた

「ちょっと待った!」
そう言って
私は包帯が巻かれた左手を両手で握り締めた



「あ、照れてる」
「…照れてへん」
「うそ、照れてるでしょ?」
「せやから照れてへんて」



END




>>>コメ。<<<
クラスに一人はいたなぁ。と言うネタ(マニアック)
何だか珍しく付き合う前の話です。
途中まではかなり前に書いてた物。
しかし私が書くヒロインはドジで不器用だな(書き手に似るんじゃ…/Σ‥)



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