この私、最近全くついていない。 凍った水溜まりの上ではコケそうになるし 平日なのに何故か昼夜逆転して授業中眠くはなるし ―待ち合わせ前に携帯の充電は切れるし あ、ウォークマンまで … ある日、最下位 「で、神頼み？」 「分かってる。日頃の行いが悪いって言いたいんでしょ？」 「いや、そげなこと思っとらんよ。 疫病神が電気吸収しとるのかもしれんし」 「…」 ―何か可愛い例えだな と言うわけで半ば強引に 神社と波長が合いそうな人を引き連れて来たわけだ。 「…やっぱ五円かな」 カランカランと賽銭箱の鈴を鳴らして念じる ―何でも良いから良いことありますように！！ あと… 五円で二つも願うとは何ともおこがましいとは思うけど… 千里の目が良くなりますように！ 「 …念じ過ぎばい。何かお願いしますオーラが見えとーよ」 「…えぇっ！？嘘、そんな念じてた?!」 「あ、おみくじ」 ―露骨に話逸らされた 「千里、神主さんの格好とか似合いそう」 「え？そうかな…それやったら銀の方が似合うと思わん？」 「確かに…はまり役だ。ん？」 おみくじの結果は 「…小吉」 「あはは、微妙〜！ネタにもならんばい」 紙を指しながら笑われる始末 「わ、笑うな！！」 ―すっかり笑いのことまで考えるようになっちゃって…！ 「そう言う千里だって…」 大吉…大吉!? 「才気煥発は―」 「絶対予告たい… ってそんなことまで見抜いちゃダメでしょ?!意味ないじゃん！」 「ほら、待ち人来たるって。 は？」 「待ち人？…行い次第では離れるってどういうこと!? つまり繋げると新たに好きな人が出来て、私置き去り！？」 ―ダメだ、ついてない 「上を向いて帰ろう…」 見上げた先には青空と雲と… 「涙目になっとる」 「…なっとらん」 「おみくじ貸して」 「ん…良いけど」 小吉のおみくじを差し出すと大吉の上に重ねて結び出した 「…？？」 「ほら、これで中吉」 「…何で」 「だから、くっつけたら真ん中に」 「そう言うことじゃなくて…」 ―何でそんな優しいんだ、って 堪えてた涙が一気に落ちるから 「 、そげん泣かんで。やっぱ…ダメ？」 困った顔しながら千里は問うた 「違う違う、あまりにも優し過ぎてちょっと涙腺が弛みっ放し…」 「だったら泣くことなか」 そう言い切ると両目を拭った 「うん………あー!!ダメもう止まんない！泣かせて！！」 両手を振り払うと石段に座りながら顔を隠して泣いた 何でこんな泣いてんだろ、私 「千里が優し過ぎりからいけないんだ」 「え！…何ねそれ」 「普通中学生があんな返しする！？いやしない！」 「…会話に入る余地が」 「あーぁ、私の運は千里の隣りにいるってので 全部使っちゃったのかもなぁ…」 「…」 「え、何でびっくりしてんの？」 「今、俺に会ったからって…」 「そうだよ。子供みたいな私にとんでもないプレゼントを…！」 何も言わず何故か腕の中に居る自分 ―千歳さん。じ、神社ですここ 「どげんして…」 「…？」 「いつもと違う顔、急に見せたらいかんよ。」 ―いつもと違う？ そんなつもりは… 「可愛過ぎてもう抑圧出来んから」 「か…」 ―可愛い!?な、何が?! 「涙止まったと？」 そりゃあそんな一言言われたら驚いて涙も止まってしまう。 私は無言で頷いた 久々に見えた空はまだ眩しくて 且つ、 目の前に居る千里の顔は相変わらず穏やかで― 「例えがメルヘン過ぎばい」 「そのメルヘンがツボだったと？」 「…まぁ、そこまで好きになった人に言われた事無かったから。」 さらっと言ったその一言が私には一番元気になれる言葉に思えた 「よし、もう大丈夫!!帰ろ！」 「急に元気になっとーね」 不思議がる相手をしり目に 手を繋いで神社を後にする … 「そう言えば千里は何てお願いしたの？」 「人に言ったら叶わないって言うたいね」 「あ、そっかぁ。」 と、言われても気になるものは気になる。 それを察してか、紙とペンを出し、何か書き始めた …えーと、 "平穏無事" と、 " から疫病神がいなくなりますように" 「…嬉しい」 「は…あんだけ祈ったらきっと叶うな」 「…じゃあ、また桔ちゃんとテニス一緒に出来るね」 意味が分からないのも無理はない だって、千里は私が何をお願いしたかなんて知らないだろうし 想像も付かないだろうし 「私ももう一つお願いしておいたんだ〜」 「もう一つ？」 私は無言で紙にペンを走らせた END >>>コメ。<<< こういう日切ないんだよなぁ。と、思いながら書いた物。 良いな、一緒に神社行きたいな(何 >>>モドル<<<

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