***Cold box***
過去の出会いは唐突に顔を出し
偶然の出会いは時に残酷なものだ。


Cold box


インターホンが鳴る

教師の一人暮らし。
生徒が遊びに来るのも稀ではなく。

「久しぶり、オサム」
「・・・久々やな、どないしてんいきなり」
「うん、休みで大阪帰って来ててん。
ほら、ビール持って来てあげたから入れてぇや」
「ま、えぇけど」


意外な人物の訪問
大学時代付き合っとった彼女

過去の話やけど。


「かんぱーい♪」
「って、真っ昼間から飲んで大丈夫なん?
お前酒強ないやろ」
「えぇのー。久々の再会やし?」


上機嫌で缶ビールを飲み始める彼女
けど、こう言う時心情は大抵逆なわけで―


「言いたいことあるんやったらはっきり言ってな」


一時の間を経て観念したのか口を開く




「はは…やっぱ分かっちゃうか」
「洞察力は鋭い方やと思っとるで、一応な」

「オサムさ、大学で遊んでばっか居たから
ギリギリになって勉強一筋で行くとか勝手に言うて
私達別れたやろ」


別れた理由は他にもあるんやけどな
自分の状況に頼って説明した方が納得行くんとちゃうかなって

「あの後、色んな人に会って何人かと付き合ってきたんやけど
忘れられなくてな、で―」








「また元のサヤに戻るって話やったら却下やで」





驚いた顔をしながらこちらを見る彼女
その表情を見る限り図星か



「あれから何年も経っとるんや、お前とは友達で…」
「納得行かへん!それとも他にも理由が?」


引き下がりそうにない相手を目の前に
仕方なく数年前の別れの理由を話そうと決意した

xxx


「〜♪」
今日はずっと家に居るとか言ってたし
折角だから会いに行く序でに宿題教えてもらっちゃおう〜

高校2年の春

年上であり、まさか先生と付き合うなんて思っても居なかったけど
この一年、人生の先輩に色んな事を教えてもらった。

テストに出そうな部分、
バレないアルバイトの仕方、
頭髪検査に引っ掛からない髪染め…

って、最後の二つは完璧に悪知恵じゃん!!


勿論、教えてもらってばかりでもなく。
若い子はどうやらおじさんにエネルギーを与えるらしい。
医学的にどうのって…難しい話してたなぁ。



携帯をイジりながら
インターホンを押そうとすると

何やら口論している声が聞こえてきた

しばしその場に硬直してしまっていたが、
ここはポジティブに行こうと頭をフルに回転させた。


えーと、廊下があって、
その先に居間に通じるドアがあるわけだから…


頭の中で部屋の間取を整理しながら
気付かれないようドアを開け、
廊下の途中にあるクローゼットに隠れながら
状況を盗み聞きする作戦に出ることにした。

これは一歩間違えれば完全な住居不法侵入に当たる。


「じゃあ何、元々私とは合わなかったってこと?」
「いや、お前の事は好きやったし合わないなんて思っとらんよ」
「なのにどうして」
「教師になりたい理由、何て言ったか覚えとる?」
「…学力の低下を重要視して、教育現場のレベルを上げたい」
「それ聞いた途端、一気に冷めた」

「何で?大事なことやろこれ」
「確かに週休二日制になって、ゆとり教育が施行されて
学力低下が起こっとることは事実やし問題視せなあかん、けど


俺は生徒と友達で居りたいねん。対等の立場で向き合いたかった」


「…!」
先生…


「そういう教師少ないと思うねん、せやから先生なろうって。」
「…それらしく聞こえるけどなぁ、
現に元とは言え生徒と付き合ってるのは問題やで」



ドキ。
心臓が破裂寸前だ。
この人とオサムちゃんの関係って一体…?

「なぁ、若い子で遊ぶのは可哀想やと思うけど」

暑いと言いながら胸元を開け出す始末

酔った勢いなのか、本気なのか
何れにしろ
”挑発”なのに変わりない

「こない淫らな女教師の方が問題やと思うけどな」
「良く言うわ」


「…」
…ちょっと待ってってば!!
この会話!雰囲気!!
間違いなく如何わしい行為に発展するみたいな!?

オサムちゃん、所詮私は遊ばれてたに過ぎないの?
それにしても一年は遊び過ぎだよ。

―大人なんて大っ嫌い


不法侵入なんてしなければ良かったと後悔しながら
人様の家のクローゼットで声を殺してすすり泣く

…これじゃあ怪奇現象だよ






「…なーんて、やって欲しかった?」
「は?」


床に倒した相手から元居た位置に座り直して
タバコに火を点ける

「先生は好き嫌い関係なく生徒に接さないとあかんのになぁ。
どこで狂ってもーたんやろ、俺」

「まさか、本気?!ロリコン!?」
「ロリ…って、ちゃうわ!
アイツは16やけどちゃんと自分の考え持っとるし」
「ありえへん、逆に遊ばれとったりして」

「うわ、考えたことなかった…せやな…」
こないおっさんに若いが振り向くわけ…

「私は絶対遊ばへんから」
「まぁ、遊ばれてても構わんわ。
こうやって飲める相手が居るのも楽しいんやけど
アイツが俺の隣でジュース飲みながら必死に勉強しとる姿見とると
可愛くてしゃぁないねん。

…あ、やっぱロリコンなんかな」



「今に飽きるよ」
「今が楽しければえぇし」

それを聞くと不満そうに出て行く謎の女性。
オサムちゃんの元彼女?


クローゼットの隙間から姿が少し見えた
白いスーツを着た凄く綺麗なお姉さん。

遠ざかって行くヒール音

と、段々堪えてた声が込み上げてくる

「うわぁ〜ん!!」


「な、何や!?」
クローゼットから聞こえてくる泣き声

まさか遂にこの部屋にも幽霊が!?


恐る恐るクローゼットを開けると
体育座りをしている女の子が…

「ギャー!!出たー!」

必死に逃げようとするものの掴まれる足

「勝手に部屋入ってごめんなさいー…!」
「…!?な、何やっとんねんお前!
ちゅーか何でクローゼットで泣いとんねん!?」

「違うのー!オサムちゃんが遊びに来たら
女の人と猥褻行為をクローゼットで…!」
「分かったから!落ち着きぃや、ほら歩けるか?」

手を引かれながら居間に向かう
甘い香水の匂いが印象的だった

「ビール…はあかんよな。落ち着いたら話してや」

冷蔵庫からコップとお茶を持ってきて注ぎ始めた

「へんへい…」
「ん」
「私は遊ばれてるんですか?」

ゴホッ

衝撃的な質問に思わずビールを吹き出しそうになる

「…っ、何言い出すかと思ったら…
さてはかなり一部始終聞いとったな?」
「わかんない…けど…」
「あのなぁ、本気やなかったら普通生徒と付き合うなんて
ハイリスクローリターンなことするわけないやろ?」
「…」
「むしろさっき言われてはっとしたわ。
逆に遊ばれてる可能性のコトすっかり忘れとって」
「本気じゃなかったらこんなおじさんと付き合うわけないでしょ」
「お・・・おじさん言わんといてって言うとるやろ!!」

「私には、さっきの先生の元カノみたいに大人の色気もないし
一緒に過ごしてる時間も少ないし」
「そんなん、これから作って行けばえぇんやて。」


その笑顔が一番好き



「先生の事大好きだと思う!!」
「ちょい待ちぃや!「だと思う」は余計やろ?!」

真っ赤な目をしながら笑って抱きつく
何やツボを得ているらしい

「こっちの誘惑の方がよっぽどヤバいわ」
「へ?」


誰に何と言われようと
もう止められない


xxx



「高校辺りやと、まだ成長期やから成長するよな?」
「あ、胸とか小さいって言うんでしょ!?もー!セクハラ教師!」
「凹むわ!!ちゅーか何も言うとらんやん!」
「分かるよバカ!」


END


>>>コメ。<<<
オサムちゃんの過去的なものを取り入れてみたり。
大学時代とかモテてたんだろうなぁとか思ったり
でもロリ…いや、純粋に(?)生徒と付き合ってます笑
あー、こんな先生と恋がしたかった(※問題発言



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