***Surrender***
僕のいうことが全部正しいわけじゃない
ただの口実もある
本当のこともある
ただ それが伝えたい

Surrender

二年から部の長を務めるプレッシャー

三年間、ずっと側に居て思ったことと言えば
その責任感の強さと優れた統率力

他の人にはなかなか真似出来ない話だ


しかし




大量のサプリメントに混ざった精神安定剤



見付けた事に関しては仕方が無い



「…うーん」



その日、図書室で調べ物をしていた私は気が気ではなかった


精神安定剤…



「薬物図鑑?へぇ、こんな本もあるんや」
「わ、びっくりした…」


反射的に本を隠す

「調べ事?」
「別に、ちょっと…」
と言いながら
急いで本を閉まって図書室を後にした





薬物図鑑…何の薬調べとったんやろ


戻された本をパラパラと捲って行くと
一本のピンが落ちた


の?



精神…


白石はピンを片手に全速力で後を追った
xxx






「はぁ…もう、タイミング悪過ぎ…あれ?」
髪が一部だけ乱れて居る

ピン落としたかな…

まぁ良いや。帰ろう


教室まで鞄を取りに行き、平穏無事に帰宅





…したかった




廊下を出て真っ先に目に付いた相手は何ともバツが悪かった


「これ、の?
そこに落ちててんけど」
本に挟まってた、何て言ったところで正直に答えるはずが無い


「あ、うん。それ私の…だと思う」


恐る恐る近付いてピンを受け取ろうとした







「さっき、図書室で何調べてた?」

流石男子、
掴まれた手は微動だにし無い



「やだな、興味本位で見てただけで」
「興味本位で精神安定剤のページなんて開くわけないやろ」






静寂に包まれた



しばしの睨み合いが続いて

真っ直ぐな瞳を目の前に
私の足は石のように動かなくなってしまった


「なぁ…何があってん」



先に物を言ったのは蔵ノ介の方だった


けど言葉にならない

涙に先を越されてしまう

「…違う、悪いのは…蔵ノ介が持ってるから…」



「俺が?」


「…今は一人にして」
!待ちぃや!!」


「あれ、泣いとるん?」
「…っさいヒヨコ頭!」


「ひ…ヒヨコ…!?」
ショックや…ショック過ぎるわ俺…なんなん一体…





xxx


「待てって!」
「待つわけない!」



「うちの親薬剤師やろ、せやから精神安定剤持たされてるだけで…
まぁ実際あまり使う機会無いんやけど」

それが聞こえたのかは勢い良く振り向くとピタリと立ち止まった

「危な…全力で走っといて急に止まんなや」
「いや、私てっきり蔵ノ介が病んでて…ほら、そしたらこの包帯も辻褄が」
「合わへん合わへん!…何言うてんねん」

「はぁ…取り越し苦労ってやつか、心配して損しちゃったな」
「一応気は遣ててくれたんや」

嬉しそうに確認する

「…三年も一緒に居るのに安定剤出て来たら誰だって心配するでしょ、バカ」

「はは、可愛ぇとこあるやん」
「うるさい!あーお腹空いて来た!!何か奢ってよ、取り越し苦労の罪」
ちゅーかどないな罪やねんそれ

「勝手に想像して飛躍させたんの方やのに」

「う…」

「それに薬より効く安定剤ならここにあるやんか」

「どこ、え、大阪?愛国心みたいな感じ?」
「お前やろ、この鈍感」

そう言い放つと頬を軽く抓って歩き出した


「痛…」
な、何だよそれ!





xxx
「うーん、何か忘れてるような…」
「ちゅーか可愛子ぶってないで一口で食えや、見とってイライラするわ」

出来立てのたこ焼きを無理矢理口に入れられる

「〜!!」
ギャー!!このサディスト!!

「は、何やって?」
「く、口の中が熱湯風呂や…!!」

「例え下手」
しかもネタ古いし





xxx
「俺の頭ヒヨコなんかなぁ…」
「良かったじゃないですか、生き物ですよ」
「いやいや、そう言う意味ちゃうやろ!?」


あ、謙也に謝るの忘れてた


ま、いっか
明日になったら忘れてるだろう


「そうそうそう、これが本当のトリ頭…って上手ないわ!!」



END

>>>コメ。<<<
ブログで書きたい言うてた精神安定剤ネタ(どんなだ)
あの二言でここまで妄想する自分がある意味末恐ろしいです(orz)
ヒロインのクラスは勿論2組です(笑)
2組楽しそうだなぁ〜
冒頭はPINKLOOP。良い歌です



>>>モドル<<<
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