***UNDERCONTROL***
ほんの些細な事での言い合い
良くある事だ
まだ中学生なんだし感情のコントロールが出来無いのだって仕方がない

UNDERCONTROL



友達と喧嘩した私は学校の裏山で昼休み、一人ぼけーっとしていた
自然の中で食べるご飯は美味しいなぁ…
何て、必死に嫌な現実を忘れ去ろうとしながら―



「…五分五分の喧嘩なんて、どっちかが引けば済む事なんだろうけど」

ただテストの点数がどうのって話の中で
友達の言い方が気に食わなかっただけの話


「あれ、先客なんて珍しか…?」

「せ、千里…何故ここに」
今出来れば一番会いたくない人物が
目の前に居るんだから言葉も詰まらずにはいられない

「何で、って割と毎日ここ来とるけど」

隣りに座るとそう答えた

「嘘、皆で食べてるんじゃ…」

「はは、そうでもなかよ。大人数で居るのとか、
人込みとかあんま好きじゃなくて」

「そっか、ゴメン!だったら邪魔でしょ?
私食べ終わったし、図書室にでも行くから」

「待った」
「はい!?」

立ち去ろうとする私の腕を掴みながら上目遣いで付け足した

「何かあったとね?」
「ちょっとね、私の問題。千里に話すようなことは何も無いよ」

と言うより上目遣いは卑怯だぞ

「だったら聞かん。ばってん…」

いきなり口が止まってしまった

「ん?」
「傍に居ってくれん?」


「…邪魔じゃないなら」

掴んで居た腕を解かれると、隣りに座った


「たまには俺の悩み聞いてくれんかな」
「私が?!千里の!?」
「そげん驚かんでも…」
「そりゃあ驚くよ!…少しでも足しになれば良いけど」


「実は最近、ミユキに好きな子が出来たみたいで」
「えー!可愛い〜、応援してあげれば良いじゃん」
「それがその、白石で…」



何とも間らしい間。



「…し、白石?!白石ってあの白石!?」

「どうも大会で可愛がって貰ってからすっかり懐いとって
…お兄ちゃんとしてはどうするべきかと…」

「本人には言ったの?」


「一応…」
「でも彼女居るよね?」
「だから困っとるたい」

どうしようと本気で悩んでる妹想いの千里を見てると
段々羨ましくなっちゃうな


「良いお兄ちゃん持って羨ましいな、ミユキちゃん」

「え?」




「一体どこが…」

「千里みたいなお兄ちゃん欲しかったなぁー!
カッコ良くて頼りになって、優しいし!!
もーお兄ちゃん検定があったら間違いなく合格だよ」
ついついテンションがハイになってしまい
言った後で気付いた

お兄ちゃん検定って何だ


「そげな完璧な物じゃなかね、買い被り過ぎばい」


それに


ペットボトルのお茶を一口飲んでから改めて会話を再開する


が妹やったら”恋”として好きになる事出来んし」
「い、いきなり直球で責めて来るね」

一対一の直球勝負はまだ続く

「甘える事も出来んし」

頭を肩に乗せてそんな可愛い事を言ってみたり

「キスも出来んし」

唇重ねてみたり


「抱くことだって」

スカーフに手をかけてみたり…って

「それはダメ!ここ裏山!!」
「あはは、冗談ばい。ビックリしたと?」

元居た場所に戻ると
屈託の無い笑みを浮かべてランチタイムを続行する

と言うより、この流れで真顔で言われたら
「あれ、マジなのかな」って思っちゃうよ


「み、ミユキちゃんはだ、大丈夫だよ」
「どげんしたとね、急に緊張し出して」
「何だと!?」

数分前何言ったか自分の胸に聞いてみなさい!!

「小学生は好きな人結構変わるものだし、
あまり深く考えなくても大丈夫だよ、おにーちゃーん」
「おに…!」
「あは、お返しです」


あれ



さっきまであんなに気分悪かったのに
今ではすっかり笑えてる

この時間が楽しいなって思える


友達に謝れる気もする

「結局、話さないでも解決されちゃった」
「えっ?」

訳が分かっていない相手を気にもせず
黙って抱き付いた

「エスパーみたい」
「は…」
抱きついて来たかと思っとったらエスパーって

「ホントは千里に会いたくなかったんだ」
宥めるのが上手過ぎるから

「そ、そげん直球に言われると凹むたい」
「でも、今は会えて良かったと思う」
人様の膝の上でポッキーを食べながら満足げに答える
「うーん…?」
流石にハテナだらけの相手を見上げながら

「ありがと。お礼にポッキーあげる」

そう言うと持っていた一本を差し出す
悩みを解決して貰った割には何とも安いお礼だ


「良く分からんけど、どういたしまして」
「あっ、そっちじゃ・・・」


…遅かった
私の修飾語、足りなかったのかな


銜えていたポッキーを全て食べられてしまった



「ご馳走様」

どうやら形勢逆転したらしい。
満足した顔で笑い掛ける

「ご、ごちそうさま…って」
「そっか、これポッキーゲームばい」
思い出したかのように話す
「…絶対違う!確実にスリルとか楽しんでないでしょ!?」
迷いもなしに全部食べやがって!
「スリル?」

あげるはずだったポッキーを食べながらゲームの説明を必死にする
「だから、私がこっちから食べて、千里が逆から食べてって
キスにならないギリギリの場所で止めるゲームって言うのが」
「あれ、俺てっきり先に食べてキスした方が勝ちなのかと」

いやいや!そんなやったモン勝ちなゲームあってたまるか
「それじゃあ無茶苦茶でしょ!?
大体恋人同士でやるようなゲームじゃ無いもんこれー」


「そう?」
「うー…この期に及んでまだ言うか!」


千里が聞き返すには意味があった






「たまに惚けて反応見るのも楽しかね」





ルール勘違いしてたなんて真っ赤な嘘
・・・結局、ハメられていたわけで。


「ただ手渡しされたポッキーなんて、な?」
「はい、そうですね…」

…所謂、世の中そんな甘くないってことですか




xxx
放課後…

「私、友達と仲直り出来たんだ」
「え、喧嘩してたと?」
「そっか!言ってなかったっけ…千里のお陰だよ」
「俺の?」
「うん。ありがとー」
「…また良く分からんお礼言われとーね」



END

>>>コメ。<<<
寝ながらポッキー食べてる時にこんなんされたら驚いて咽ないか(そこ!?
学食とか一緒に食べてあーんとかやりたいって話をしてて(どんな話ですか
でも千歳好きな子がそんなん許さないよってことで裏山。
「裏山なら何でも出来る」って名言が生まれました(※いけません



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