***BAD DREAM***
…!」
その日、開口一番に叫んでいたのは
彼女の名前だった


BAD DREAM

「…」
ゆ、夢か

別れる夢ば見るなんて…
我ながら情けなか


休みだと思っていてすっかり油断していた
時計を見れば既に正午を過ぎている



ガチャッ


その時、タイミング良く
ドアの開く音が聞こえた

インターホンも押さんで部屋に入ってくる人物は限られてくる



「あれー、今起きたの?珍しいね」
「ちょっと寝過ぎちゃって」
「そっか。あ、そうそう!
駅前のケーキ屋さんがリニューアルしててね、
ケーキ買って来たんだよね!千里はブルーベリー乗ってるチョコの…」

…何か話したいこと、あったりする?」
夢で見た光景と、現実が余りにも似通っていた


「話したいこと?えーと、まぁ…あると言えばあるけど」
何で分かったのかな

「着替えて来るから、とりあえず上がって待っとって」
「うん」


xxx


「紅茶でよかね」
「ど、どうぞお構いなく」

雰囲気が重いのは何故・・・?

「話って、良い話?悪い話?」
「えと、千里の思い方次第かな」

「そっか」

この重い雰囲気の中話すようなことでも無いんだけど…
「水族館行きたいなって、思って…」
「す、水族館?」

「昨日テレビ見てたら近くの水族館が映ってて、
でも、魚嫌いだったら別に良いんだけど…」
「それだけ?」
「…うん。ダメかな、やっぱ」

「別れ話は?」
「別れ話?!何で?」






「あはは、そんな夢見たの?」
「そこまで笑わんでも…」
「ゴメンゴメン、本気でしょ気てる姿が可愛くて!でも想われてるって嬉しいな」
「はぁ、心配して損したと…」

「まぁまぁ元気出してー!はい、あーん」
「…美味い」
「でしょ?」


「それにしても、別れ話の夢なんて縁起悪いね」

ケーキを食べながらが呟いた
「夢の中では、この状況下でが別れてって言っとってな」
「っていうよりむしろ逆でしょ」

「逆?」

「立場。私別れるなんてまず言わないと思うし。一口食べて良い?」

そう言われるとの口にケーキを運びながら
話を続ける

「逆って。大体謙也がライバル視しとるわけやし」
「あぁ…そんな噂もあったけど謙也はマブダチみたいな感じだから」

前にカラオケ行った時(←詳しくは青空海月にて)にそんなこと言ってたっけ

「分からんよ、友情が恋愛に発展したって話聞くばいね」
「うーん…」

千里ってば相当ダメージ受けちゃってるよ
…夢で


「ほ、ほら元気出して出掛けようよ〜!水族館!!
気分転換に…ね?ね??」
今の自分のキャラ…物凄い気持ち悪いな



と言うわけでかなり強引に千里を外に連れ出し、水族館に向かった


水族館なんて何年ぶりかなぁ〜
魚と戯れよう…ウフフ…

、さっきから何一人でぶつぶつ言っとーね」
「え!?いや、久々の娯楽施設に心躍る?」
「…意味分からん」


xxx


流石休日、
昼過ぎとは言え家族連れが多い


「いや〜!見て!!この魚ブサイク!!」
「…入っていきなりブサイク発言は魚に喧嘩売っとるとしか」
「ほら、イソギンチャク」
「知っとるよ、それがどうかしたと?」

「千里に似てる」
「あはは、そうきたか…」


パコッ


笑ったと思いきや
軽く小突かれてしまった
「な、何故叩く!?」

「ここまでもじゃっとしとらん」
「そう?似てると思うんだけどな」

「…あ、にそっくりな魚見つけた」
「え!どれ?!」



水槽を覗いて見るとそこにいたのは


フウセンウオ


「私こんな下膨れじゃないんですけど!!」
「ほら、その顔。そっくりたい」


水槽に写ったのは
頬を膨らませている自分の姿


「く…!」
「はは、お返し」


じーっ



「千歳さん」
「何ね」

「さっきから何やら男の子の視線を感じませんか」
「…感じるな」





「はぐれたと?」
「うん…あんな、魚に夢中でな、一人になったん気付かなかったんや」

金ちゃんのちっちゃい版だな。
可愛い〜…って、呑気に言ってる場合じゃないか

「肩、乗れる?」
「うん」


こういう時背が高いと良いもんだね


「見つかった?」
「うーんとな、待ってな…」

一生懸命親を探す金ちゃんジュニア


「あ、居ったぁ!兄ちゃん真っ直ぐ歩いてー」

、はぐれんでな」
「…自信ないから袖掴んでる」



ジュニア、家族と無事再会。


「良かったね、すぐ見つかって」
「…弟も欲しかったなぁ」
遠ざかるジュニアを見ながら物欲しそうに呟く

「妹だけじゃ物足りない?」
「だって弟居たら一緒に…」
「あれ、詰まってる?あはは、テニスはやってるもんね」

「色々あるたい…お、男の悩みとか」
「ふーん?」

「何でもなかね」
どうやら特に思い付かなかったらしい
「ちょっと、露骨に早歩きしないでよ!ただでさえ歩幅違うんだから…」


xxx
やっぱり昼過ぎから出掛けると時間経つのが早く感じるなぁ


「あーぁ、休み終わっちゃったしまた明日から学校嫌だなぁ」
「まだ夕方ばい」

ほらほらと赤く染まる空を指差す

「楽しい時間が終わった瞬間私の中ではもう平日モードなの」
「…せっかち」

ニコリと笑いながら答える

「う。気が早いって言って」
結局意味は大した変わらないけど


「あぁ、しかも日直だ!…面倒だなぁ」
「なぁ
「んー?」
「話変わるんだけど」
「何?良い話?悪い話?」

あれ、どっかで聞いたなこの台詞


次第…かな」






寄り道していかない?






要するに
休みはまだ終わらないわけで。


「えーと、直帰って選択肢は…」
一応聞いてみる
「そげな言葉、誰が作ったんだか、な」

「そ、そうですよね」


こうして、また千里の家に向かうことにした。



END


>>>コメ。<<<
別れ話の夢を見て名前を呼んでるシーンが
ある日唐突に思い付いたんです(大丈夫かこの人の脳内)
そっから派生して…水族館(何故!?)
基本的にきっかけさえ思い付けば、
考えるのと打つのは同時なので自分でも分からないって言う…(末期)



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