***青天の霹靂***
「えっ」

この話は聞き返しから始まる
それだけ、驚くことだったから

青天の霹靂


「せやからぁ、が千歳と仲えぇやろー?」

「う、うん」


部活後に、
鞄を取りに来た私の後をついて来て三年の教室に遊びに来た一年生。


「わい、そんなんいやや!」
「何で?」

「千歳もも好きやけど、わいはの一番がえぇんや!」

駄々こねる一年。
可愛いな…
「うーんと、私は金ちゃんも千歳も一番だよ?」

「ホンマに!?」


あ、その答えで良かったのか。
目を輝かせながら満面の笑みで喜ぶ

た、食べてしまいたい…!
(※ダメですよさん)

「はよ帰ろー!」
「あ、待って金ちゃん」

こんなに小さい体なのに
手を引っ張る力が強くて軽く連れて行かれてる状態になっていた


「たこ焼き買うんやぁ!」
「さっき食べたのに?!」


そしてフードファイター並みの胃の容量

「さっきはさっきやもん」
「も〜」



xxx



「千歳、と帰らんの?」
「…」

いつもは見せないムスッとした表情で前を見ながら歩く千歳。


「なぁ、千歳って〜」

「謙也、そっとしといた方が…」
白石は何となく空気を読んだらしい

「何や、喧嘩でもしたん?」


「…取られた」

「は?」

「だから、取られたって言うとるたい!」

必死に自主規制をするも、
言ったところで彼もまだ中学生。
我慢の限界だったらしい

「だ、誰に?」
「金ちゃん」
「金ちゃん!?」

予想外の人物名に二人して驚く

「嘘やろ?」

「だとよかばってん…」


長い溜め息を吐きながらまた正面を見て歩き出す


「おもろいことになりそう」

と、ここまで一人で音楽を聞きながら黙っていた財前が口を挟む

「財前、お前聞いとったんか」
「楽しそうな話だけは聞き逃した事ないんすわ〜」


…楽しんどる
せや、ハラハラするネタは財前の得意分野やった


「金ちゃん、さんにめっちゃ懐いとりますからね」

「せやけどお互い恋愛対象として見てへんやろ」
「それは分かっとるばい。
何か、俺には見せない表情しとったのに妬いとるみたいで」

「金ちゃんに彼女か…想像出来へんな」
腕組みしながら謙也が考える

「やっぱ年上やろ、タメやったら手に追えんやろうし」
「と言うことは、金ちゃんに恋愛感情が無かったとしても、
知らんうちにそうなっとることやってあるっちゅー話ですよね」
「そげなこと…うーん…」
金ちゃんの彼女像を妄想する傍らで一緒に考え込む千歳


「財前…お前千歳の立場やったらどない思う?」

「千歳さん優し過ぎますわ、俺やったら絶対渡しません」

「まぁ確かに、千歳は優しいからなぁ…」



xxx


!次あの店や!!」
「えぇ!?金ちゃん、ご飯食べられなくなるよ?」
「たこ焼きは別腹やねん!」

…は、初耳だ



ついさっき買ったかと思っていたたこ焼きは
次の店に着く頃には既に空になっている

しかも一箱じゃないところが凄い


あげる!」
「え、良いの?」
実のところ、一件目で買ったたこ焼きが物凄いボリュームで
それを片付けることに必死だった私は他の店は素通り状態だったわけだ

「ここのたこ焼き一番好きやねん!せやからにあげるんやぁ!」

「金ちゃん…ありがと」
純真無垢だなぁこの子は。


「あ、じゃあ私が一番気に入ってるお菓子あげるね」
流石に冷めきったたこ焼きあげるわけにもいかない

「えぇんか?おおきにぃ!!」

「ん!美味しいこのたこ焼き!」
金ちゃんが気に入る理由が良く分かる
「せやろー!!」


他のレギュラーの間で妙な話されているなんて露知らず
束の間のたこ焼きデート(?)は終わった


xxx
翌日:放課後

「そんなこと話してたの?」

「まぁ…な」


少し早く着いた部室には一番早く来ることなんてめったに無い人が居た

「確かに金ちゃん可愛いけど、
あんな純度120%の子をどうこうしようとは思わないよ。
いや、迫られたら…危険だ。母性本能が反応するかな…」

ぶつぶつと考え込む


「優し過ぎるって言われた」
「うん、そうだね」

まで否定せんとや?!」
「だって事実だもん。でも、そこが…そこも好き」
「そう?」

「千里の良いところ。誰にでも優しい…それは不安要素でもあるけど」
「どこが?」
不思議がって首をかしげながら問う
「女子にも優しいから、そう言う時千里が遠く感じるんだー…
あ、別に束縛したいって意味じゃないけど」

座って居た相手が立ち上がり、両腕で壁際に閉じ込める

「―良かった」
ニコリと笑って口を開く
「何が!?」

も妬くんばいね」

「や、妬くよ!なんてったって一応千里の彼じ―」
「もうよか」










「部室で何やっとんねん〜♪」


「ギャー!!すいませ…お、オサムちゃん!?」
「いつから見とったとね」
「さぁなぁ〜。学校では皆のマネージャーやないと…な、

笑いながら諭すオサムちゃん

「はい、いや…勿論分かってます」
我ながら迂闊だった…反省。

「分かってんねんやったらえぇんや〜。この前もな…」


と言うとコソコソと小声で何やら話し始め出した

「えぇ!それ本当?」
「意外ばい…」

「お、噂をすれば」
「何や、早いな二人共」

「け、謙也」

「何やねん、神妙な面持ちで」

「まさか小春が好きだったとは…」

「へ?」



間の抜けた時が流れる


「あ」

その時間を真っ先に砕いたのは謙也だった

「ちゃうで!あれは小春が勝手に抱き付いて来てん!!
あないオネエ坊主好きになんかなら…」


「オネエ坊主…あんまりや!!」


両手で顔を覆って部室から遠ざかるオネ…いや、小春


「追わなくて良いの、彼女」
「…」


さてどうする。



でも、謙也の性格だったら


「す、好きとかちゃうからな!」




「…やっぱり追いかけたか」
「謙也の性格上、ほっとくわけなかね」
「名ドラマやなぁ」

「って、悪いのオサムちゃん」
「悪い?俺は見たこと話しただけやで?」


…確かに。

こういうのをヘリクツって言うんだ、多分




xxx
変な一日だったな


肩を並べて帰り道を歩く


昨日とは身長差がまるで逆の相手と



幸せ者だな、私。

「千里」
「ん?」
「好き」
「え、何ね?」
「…嫌い」
「えぇ!?反対の事言わんで」
「やっぱり、聞こえてるんじゃん!」


END


>>>コメ。<<<
金ちゃんの可愛さを推したかった話です(推せてるのかな)
かと思いきや妬いてる千歳はやっぱり可愛いなと(あれ
最近マネージャーの逆ハーぽい話ばっか書いてるな…
オネエ坊主は今年の四天流行語大賞にノミネート希望(笑



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