***RESTRAINT-MODE***
全国大会直前
私の疲労はピークに達していたようだ



RESTRAINT-MODE



さん」

「はい…起きてますよー…」

「…鍵閉めますけど文句言いませんね」
「うん……」


今、夢と現実の境目をうろちょろしている

スケジュールの確認してて…
あぁ、紙が何かふにゃふにゃになってるような…

「付き合ってられんわ。えぇ加減にして下さい」

部室の鍵がグリグリと鍵穴の無い頭を開けようとしている

「いたたた!な、何だ!?光?!」
「皆帰りましたよ、
俺今日鍵当番やからさん居るといつまで経っても帰られへんねん」

目の前に居たのはガム食べながら鍵をくるくると回している二年の天才君

「あーすいません…ちょっと睡魔に襲われて…、撃沈」
「何訳分からんこと言ってるんですか」

「もうユニフォームのままで良いや…はい帰る帰る」
「あ、せやった」

「ん、何?もう疲れてるんだから帰りましょうよ」
何で私が敬語になってるんだ

さん、賭けませんか」
「賭け?帰るんじゃないの」
「二人きりになれるの、滅多にあらへんし。コイントスして外したら…」

「外したら…ちょっと、うさぎ飛びで帰るとか無理だよ」

「キスさせて下さい」
「き…はぁ!?」
一気に目が覚めた




「ば、バカなこと言わないの!ほら、帰るよ」
「実はこの前彼女に下手やって言われて」
「事情が変わった!説明して」
どっかの芸人さんみたいな話し方だな、自分
「せやけどホンマに下手なんか自分では分からんから
物凄い気になってもーて」
「確かにね…だったら別に私じゃなくても良いのに。
光にちゅーってされたい子は沢山居ると思うよ」
「こっちにも選択権がありますから、乗ります?」

「確率は2分の1…でもね財前君。」
「先輩の大事な物やって事は重々承知してますわ」
せやけど、好きな気持ちは諦められへん

「口はダメだよ。
ほおに軽くするくらいならスキンシップで言い訳通るかもしれないけど」
「仕方ないですね、それでもえぇです」


『だったら良い』なんて返してくれると思ったのに
困った後輩はコインを軽く投げてキャッチする

「どっちにします?」
「じゃあ表」

結果は逆であり。
実はそのコインに細工がされていたのをバラされるのは
もう少し後の話だ。

頬に軽くキスをされ
まぁそれなりに感想を述べてみる

「別に普通だと思うけどねぇ。」


「なぁ、さん」
「な。んですか。いきなりそんな…」

しかし何故かがっつりと腕を掴まれ
その反動でカバンが落ちた


沈黙のまま近付く距離

それが恐怖心に変わりつつあり
一歩一歩、後退して行くも
部屋には限界があるわけで。

気付けば壁際まで来てしまった

「か、感想が普通過ぎた?」
「ちゃいます、やっぱり俺我慢とか無理ですわ」
「我慢…っ」

それはしちゃだめだってあれほど言ったのに!!

「白石さんとどっちが上手いですか?」
「上手いとかそう言う方向から見てるわけじゃないから…
っていうかもう離して。冗談キツいよー」
光にキスされましたなんて言ったらあの人どうなるのやら


「一つ訂正したいんやけど」
「どこ?一つなの本当に」


彼女居るって部分。


「………そこ訂正しちゃうの!?」
「せやからさん」



少しだけ、”イイコト”しましょうか。




小悪魔はそう囁いた
まさに悪魔の囁き。



俯きながら拒否する
当たり前のことだ。これは正真正銘の浮気に値する

「無理無理!
だから白石と付き合ってるんだって」
「知ってますって」
「だったらこう言うことしたらどう言う意味か分かるでしょ?
もー、酔っ払ってる?何があったの一体」
さんが欲しい、それだけですわ」
「欲しいって…おもちゃじゃないんだから」


xxx
「あかん、包帯忘れてきてしもた」


帰り道の途中で気が付いた
替えの包帯を忘れていたことに。


別に他にもあるしえぇか。



せやけどその日は
何となく胸騒ぎがして、気が付けば学校に引き返していた


xxx


一方その頃…


は必死に歯を食いしばっていた

「離してって!」

包帯で隠された両目
縛られた両手
辺りは何も見えなくなっていた

つまり完全に死角。

口は口でも普通のキスなら
欧米か!みたいなノリでイケる気がする
(※イケないと思います)

でもディープは絶対ダメだと思う

と言うわけで歯を食いしばっていた


「あ、白石さん」
「えっ」
しまった




と、ガタガタと音を立てるドア
どうやら内側から鍵がかかっているらしい

真っ暗な部室
当然の事ながら、誰も居ないと思うだろう

「…一足遅かったか。ま、えぇか別に」


まさに嘘から出た誠


「蔵ノ介助け…っ!」

手で塞がれる口

「―あきません」



「ん?」

何や呼ばれたような…


口が訊けないなら他の方法を取るまで


…ゴメン光

思いきり足を蹴り上げ
その隙にとりあえず前進する


ゴツッ


しかし目が隠されている事をすっかり忘れており
思い切り何かに激突した

「あいったぁー!!」


ビクッ
「…?居るんか?」
「助けて!今大ピンチなの!!」
「大ピンチて…鍵開けてくれんと入られへんやろ」
「それが開けられないの」
「開けられない?何で、内鍵やのに」


明かりがついて窓から中の様子が明確になる
窓越しに見えた、一人の姿

せやけどそれは、やなくて

「―財前」
「白石さん、何で戻って来たんですか」
「いや、包帯を取ろうと…ちゅーか何やっとんねん」

嘲笑いながら問う

「探し物は、これですか」


そこには探し物を捲かれた彼女の姿


「な、何やその姿…が」
「略奪ですわ」
「痛っ…」

蹲っているの顔を持ち上げた

「財前!止めや」
「一人だけ、やなんて不公平やん」

「んっ…」

「財前!!人の女に―」
「俺認めてませんから、さんが白石さんの物やなんて」

鍵さえあれば…


そない悠長な事考えてる場合やなかった

「ここから先はご想像に任せますわ」
「何言うて」


再び部室は暗闇に覆われた


「な、何が起こってるの」
「何も起こってませんから」

「いや待った、ダメ!!光ってば!」
「今更言う事聞くと思います?」



ガバッ




「はぁっ、はぁっ…」
ゆ、夢?


目が覚めると私は部室に居た

そうだ、蔵ノ介と資料の整理を…

若干違うにしろ、夢と光景が被る。

「えらい魘されとったで、悪い夢でも見とったんか?」
「…光に襲われる夢を見てた。かなり過激だった」
「ははっ、財前が?ありえへんやろ。
アイツ彼女居るしな」
「そうなんだけど、実は居ないとか言って…
はぁ…何変な事考えてるんだろう私・・・
襲われ願望でもあるのかな」


「何や、襲って欲しいんか?」
「そんなことあるわけない…く、蔵ノ介?」
「俺やったら構わんやろ、彼女なんやから」
「って言うか…合意の上での話は襲うって言わない」
「ほら、早うこっち来ぃや」
「ちょっ…え、ここで!?」


どうやらこっちが現実らしい






後日…放課後

さん」

「はい…起きてますよー…」

「…鍵閉めますけど文句言いませんね」
「うん……」
…ん?


この光景、どこかで…


「そのまま寝てるんやったら、襲いますよ」
「襲…えぇ!?光、冗談キツいよ!!」
そうだ、前に見た散々な夢だ。あの光景に似てる

「せや。白石さん、包帯忘れとったみたいで」
「…包帯」
「届けて貰えます?」
「あぁ、うん。良いよ」
そうだよね、あんな夢みたいな展開になるはずが

「わっ」

しかし、包帯を貰おうとした瞬間

「俺、先輩のことずっと好きでした」

後輩の腕の中に居る自分
何がなんだか…

「冗…」
「本気やったら、どう返します?」



ど、どう返そうね…?



END


>>>コメ。<<<
ギリギリシリーズ白石?いや財前?(笑
まさかの夢オチ(やっぱサイダーはハッピーエンドじゃないと落ちつかん…!!/知らんがな
と、思いきや正夢?的な微妙なニュアンスで(好きですね)
財前君だったらやりかねないと思います。どんだけドSなんだ(笑



>>>モドル<<<
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