***セレナーデ・後編 〜ヴィヴァーチェ〜***
空を見上げて祈りを捧げた 願うことはいつも同じ
どうか、どうか君が俺を好きになってくれるように、と
俺だけ見つめて、俺だけに囁いて、と





願うことはいつも一つ――――









何日経っただろう?
あの日からと会うことも無く、毎日が当たり前に過ぎてゆく。
それでも、俺が考える事といえば、いつもの事ばかりで…






は俺を好く思っていない?だから――目を逸らした…)




逢いたいのに逢えなくて、あの時出会えた事も夢ではないかと疑ってしまう
けど夢じゃなかった。身体全部で覚えている、の笑顔を、その声を――。




この胸の痛みが何かを知ってしまった。
が『好き』だと気付いてしまった。
あんな言葉少ななやり取りの中で、俺はこんなにも彼女に惹かれた。





放課後になって、意味も無く俺は屋上に来ていた。
と出会った場所。
ここに居ればが来てくれるのではと、淡い期待を胸に抱いて。



あの日、が立っていた場所に立ってみた。
知りたかった、
が何を見て、感じ、何を思ったのだろうかと。
同じ場所に立てば、少しでもの事を知れるような気がして。



フェンスに拳を叩き込むと、『がシャン』と音がした。
それと同時にドアが開く音がした。



振り向くと、そこにがいた。
逢いたくて逢いたくて、好きでたまらなくなってしまったがいた。






「下校時刻はとっくに過ぎている。こんな所で何をしているんだ」
は澄んだ声で、そう言った。

(あの時と同じ――笑ってくれてる、俺に)




無言の俺の前までは来ると、俺の左手を掴んだ





「少し赤くなってる」

「大したこと無い」

「痛かった?」

「平気だ」




少し俯いたの瞳が潤んでいた。






「こんな所で何してたの?」

「人を待っていたんだ、ここにいれば逢える気がして」

「それで、待ち人にはもう逢えたの?」

「ああ、たった今」

「????」


困っているような、
そんなの表情が嬉しくて、俺は声を出して笑った。




「何笑ってるの、手塚君?」

「いや、その顔……クッ」

「ちょっと、もしかしなくても私の顔見て笑ってる?」

「ああ」

「人の顔を見て笑うなんて、すっっっっごい失礼!!」

「すまない。あんまりにも可愛くて――っ」




思った事がそのまま口に出てしまって、俺は慌てて口を押さえる。



「――――えっ。今なんて言ったの?」

「なんでもない///」

「なんでもなくない!もう一回言って」


が俺の制服を引っ張る。
今言ってしまおうか? 一言――――







「好きだ」










「私も手塚君好き」













視線が絡み、二人の距離が縮まってく。
顔が近付く、触れるほどまでに そして――――






そっと触れるだけのキスをした。
あの日、君を見つけたこの場所で、
オレンジ色の夕日を受けて、
何度も、何度も、確かめるように――









  願う事はいつも一つ












「そう言えば、あの時何の歌を歌ってたんだ?英語だった気がしたが――」

「うん正解!あれは英語の歌なんだ〜」

「で、なんて歌ってたんだ?」

「何故それを知りたがるの?手塚君なら訳すの簡単でしょ?」

「ああ。だが、やはりの口から聞きたくてな」

顔を赤くしたは背伸びして、俺の耳元でそっと囁いた――。

「手塚君の事考えて歌ってたの。そしたら本人が来たでしょ、驚いちゃった」







夕日を受けて影が延びる
寄り添って、手を繋いで、いつまでも二人で








 I was born for seeing you
 私はあなたに出会うために生まれた





>>>しぃな姉様ヨリ<<<

恥ずかし〜〜///
最後の『I was〜』はTETSU69の
Tシャツロゴからです(笑)





>>>感想<<<
キャー(狂喜乱舞)というわけでいや、何だか綺麗☆
凄く絵になる感じで(しかも手塚部長可愛すぎ(逝))
最後に初めの歌詞についてまた戻るっていうのがいい!!(絶賛)
次回の跡ドリも素敵ですが跡vs塚もヤバイです。(予告)



>>>モドル<<<
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