***偽りのタカ***
ミテクレなんてどう見られても良かった
肝心なのはナカミだから

偽りのタカ
一つだけ疑問に思うことがある

質問として問えばえぇのに、自分の中で何故か突っかかって言えなくなる

…何でや?


そんな状況がここ暫く続いていた


「ねぇねぇ、聞いてた?」

「…何が?」


「うわ、やっぱり聞いてなかったんだ…途中で質問しといて良かったよ」
「考え事しとって…何?」
「だから、今後のテニス部についてでしょ!先輩達の居なくなった今!
しっかりしなきゃいけないのは私達なんだから!!」

熱過ぎ」
「なっ…光が冷め過ぎなんだって!!良い?あなた部長なんだよ!?」

「白石さんかてそこまで熱くなかったやん」
「くぅ〜!来年こそ全国優勝するの!!」

「必要なのは的確な統率力と実力。他校の部長かて冷静やったし」
「何か…バカらしくなってきた」

「せやろ?分かったらそろそろ帰るで」
「ちぇ、熱いプレゼンしてたのに」


またこうやって質問するタイミングを逃す

単純な一言やのにな


帰り際、自主練で残っている後輩が目についた

決してセンスがあるとは言えない
だから人一倍努力してレギュラーになるんやって言うてたな、そういえば

「あ、部長!お疲れ様です!!」
「まだ練習しとったん」
「どうも納得行かなくて…何が悪いんやろ〜」

「ちょっと打ってみてや」

カバンをに手渡し、コートに入る


「何だかんだ言っても面倒見は良いんだよなぁ」
そういう他愛ない場面だけど、ふとカッコ良いなぁとか思う

「もう少し手首の振りを…」
「こうですかね?」

「財前、部長にして正解やったかな」
「オサムちゃん…」
「最初どうしようかめっちゃ悩んだけどなぁ」
「クールな顔して何気にちゃんとしてますよ〜」
じっとを見つめる

「何ですか…」
「のろけやな♪」
「ち、違います!」

グーで腕を殴る

「痛…暴力反対や〜!はいはーい!もう遅いしそろそろ解散!!」

「そんなん言うて、オサムちゃんが帰りたいだけやろ」
「う…」

「ままま、いつものこといつものこと…!」

少々悪い雰囲気にはなったものの、どうにかその場は乗り切った




何事もなかったかのようにカバンを取って歩き出す

「じゃあオサムちゃん、また明日ね〜!」

「気ぃつけて帰りや〜」

「…ほら光も挨拶」
「寄り道したらあきませんよ、先生」


「な…くぅ〜財前!!」
「お、抑えて!いつものこと!!」



xxx
いつもの帰り道をいつもと変わらんまま歩いて
せやけど今日こそ一言言いたくて


「なぁ

「ん?」




…言葉が出て来ん
間が空けば空いただけ気まずさは増すって分かっとるのに


「…フリーズ?フリーズしちゃった?」

顔色を伺う

「フリーズって何やねん」

「あ、止まってなかった」

「ちょっと真面目な話なんやけど」
「え!いつも真顔で色んなこと言ってくるくせに」
「余計なこと言うな」

「いたたた、分かったから頬抓んないで」


大した抓っても居ない両頬を大袈裟にさする
をよそに話をする決意をした


「俺と居って楽しい?」














「はぁ…」
「答えになってへん」

「いや、まさか光からそんな一言が出るとは…っ!」

「…」

「あはは!ダメだーウケる!!」
「…」
何でやねん


ツボに入ったらしく
隣に居ったはずの相手はやや暫く笑ったままうずくまっている


「笑い過ぎ」


背中に軽く膝蹴りを入れてもしつこい位笑ったまま。
腹立つわ…

「あーゴメンゴメン!もう笑わないから怒んないで」
「目が笑っとるっちゅーねん」

「あはは、バレた?もう光可愛くて!」
「可愛い?…お前誰に向かって」
「だって心配してくれてたんでしょ?楽しいのかって」

「…」


「楽しいからこんな遅くまで一緒に残って、
こんな側にいるに決まってるじゃん!
それだけで十分なのに心配までされてたんなら
私幸せ過ぎて死んだりして!」


「…随分素直すぎる返答やな」

「騙すほど悪知恵がないの!誰かさんと違ってね」


「今ここで死ね」
「は、い?!」

人気のない街路樹
可愛いって言われたことや、笑ったことに対して
怒っている訳ではなく
むしろ逆に、嬉しかった



「あれー、部長?と、先輩??
何くっついてるんですかー!?」


ぎくっ

「ほ、ほら髪の毛にゴミ…取れた取れた」
「別にゴミ位…え、えぇのに」

その会話はあからさまに棒読みであり。

「先輩達、先に出て行ったのに帰るの遅いんですね〜」
「ちょっと寄り道しとって」
…単純な嘘やな。急な事で頭が回らんわ

「少し寄っただけなのに追い付かれちゃったね」
…流石光だな、もう普段通り話してる
私は…心臓が破裂寸前だ。会話が続かない

「いやーこんな人気のないところでくっついてたんで、
てっきりキスでもしとるのかと思っちゃいましたよー!」


「…アホか、こない場所でする程軽ないわ」
今自分で自分を傷付けたな、俺。
「そうそう、大体他の生徒にバレたりしたら色々面倒だし」
はぁ…何言ってんだろう。軽々と許してたくせに
「ですよねー!勿論分かってますよー!!
…あ、俺こっちなんで!それじゃあまた明日!!お疲れ様でした!」
「明日な」
「またねー!気を付けてー!!」



xxx

「…、言いたい事ははっきり言えや」

口元を押えて必死に何かを堪えている

「軽いって、自覚してたの?」
「突発的に出た言葉のアヤや。
それとも、キスしてたって直球に言って欲しかったか?」
「いえ…すいません、言って欲しく無いです」
ただの言い訳にしか聞こえなかったけど、今は止めよう。
言ったところで自分にとってマイナスの部分が多過ぎる



END


>>>コメ。<<<
光部長設定。あの子は表現するのがアグレッシブなだけで
根は優しいんだと思います。四天はそんな人ばっかり(な、イメージ
しかし光が部長だったら恐いな…笑
ちなみに夢漫画置場にこの話のワンシーンを落書きしたものがあったりします



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