***サヨナラのキスで始めよう・前編***
パンッ。と乾いた音が響いた。
同時に「・・・痛ぇ」と、声がする。


「別れてあげる、サヨナラ景吾」
カッコ良く捨て台詞だけを残して、立ち去る。


完璧。


そう何もかもイメージ通り。
まさに完璧。


ただ一つを除けば。






「よぉ。昨日はやってくれたな」

意地の悪い笑みを浮かべる景吾の頬は、
少し腫れている。



一つだけ犯したミス
それは、同じ学校だって事。
つまり、こんなことになるのも
当然と言えば当然で……。。。


(しまった。なんでこんな大事なことを私は忘れていたんだ?
これって最大のミスじゃない)




「聞いてんのか?オイッ」

「聞いてますとも」

「テメェ、あんな公衆のど真ん中で
人の顔叩きやがって」

わざとらしく、叩かれた頬を指でなぞる。


「あ、あれは景吾がわるいんでしょ!」

「だからって――」

「5回目」

「は?」

「浮気よ!ウ・ワ・キ」

景吾は目を目を丸くして黙った。
そして―――

「クッ・・・」

「ちょっと何が可笑しいのよ?」

「お前、くだらない事言うんだな」

「くだらない?」

「ああ」

パンッ

「・・・いってぇ」

景吾は叩かれた頬を押さえる

「お前、いい加減に・・っ」

「最低!ばか!」





あんな言葉が聞きたかったわけじゃない。
ただ、ただ一言『悪かった』くらい言って欲しかった。


本当は別れたくなんてない。
何度、辛い思いをしたかなんて覚えてない。
でも、確かに、優しく楽しいときもあったから―――
なのに、なのに・・・・



そして何事も無かったかのように
時間だけが過ぎて行く。




日が経つにつれ、私は『景吾』から『跡部君』と
呼び方を変えた。
そうする事で、二人の関係は終わった。
二人を繋ぐものは何も無い、と自分に言い聞かすように。



景吾が、見知らぬ女と居るのを、何度か見た。
だけど、それに胸を痛めることも
もうなかった。


少しづつ景吾との思い出を整理していって
私の中から消えてくのも、後もう少し。
そして綺麗に整理出来れば
ほら、元通りになる。










―――いつもの事だ
暫く放っておけば、すぐにの機嫌は戻ってる。
だから今回も、また同じだと思ってた。

けれど、日に日に不安になる。

は俺の事を『景吾』ではなく
『跡部君』と呼び始めた。


その時気付いた。
はもう、俺とやり直す気はないと――。


それならそれで良いと思った。
女だったら他にもいる。

ポッカリと開いた何かを埋めてしまいたくて、
言い寄って来る女を片っ端から抱いた。

けれど抱いても抱いても、その『何か』は、
埋まるどころか、広がるばかりで――

と一緒の時は、こんな気持ちにはならなかった。


ポッカリと開いた心の隙間は
いつも、が埋めていた。





今更気付いても遅いだろうか
取り戻すことは、もう出来ない?
まだお前の中に、俺は居る?

許されるなら、もう一度






>>>しいな姉様ヨリ<<<
跡部前編です。
いきなり大荒れな展開で始まり終わっちゃったよ(苦笑
さあ、どうする跡部?って事で後編に続く!



>>>感想<<<
感想更新するのすっかり忘れてた(号泣)コピーバレバレ(死
基本的にタグコピー人間ですから(主張)改行タグは打ち込みます(愛を込めて 笑)
跡塚ドリを読んでこっちに戻ると跡部の価値観全然変わります(アハ☆
優しすぎる跡部はやっぱり怖いのであたしはこっちの方が好み(聞いてない、聞いてない。)



>>>モドル<<<
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