***Out of my hands***
他の誰でもない君と僕の事
置いてゆくのは無理なのかもしれない
でも君にふれるのが怖くて
その瞬間に消えてしまいそうだから

Out of my hands

「んー・・・」

日直って、日誌書くのが一番面倒なんだよね・・・
今日の感想・・・知らんがな!!

すっかり誰も居なくなってしまった教室の中、
シャープ片手に机を足に乗せ、椅子を揺らしながら考える。

えーと今日は体育で何やったっけ・・・
1組と2組の合同だったからいつもより歓声が凄かったなぁ
私は謙也のバカっぷりしか見てなかったけど・・・
女子は・・・あ、バスケか。


「あ、千里。委員会終わったの?」
「うん、それより・・・見えとーよ」
「何が?」
「だから、スカート」
「すか・・・あー!!すんません!!ぎゃ」


後頭部に鈍い音を残し、床まっしぐら。
今日の感想これじゃあダメかな・・・ダメか。

「だ、大丈夫?」
「大丈夫じゃない・・・頭盛り上がってる」
今身長測ったら少しは誤魔化せる気がする
いや、後ろ過ぎるか。どうせだったら頭のてっぺんじゃないと・・・
って、何考えてるんだ、今はそれどころじゃないだろ!

「ゴメンね見たくない物を・・・!」
「いや別に、氷持って来るからじっとしとってな」
「何から何まですいません」

千里は一瞬振り返るとクスっと笑って教室を後にした

…笑われた。き、嫌われた?
「えー・・・と、体育はバスケで真面目に取り組んでいました・・・」
ジンジンする頭を抱えながら必死に大きな空白を埋める


「ヒエ!」
考え込むこと数分、急に冷たくなる後頭部
「はは、びっくりしたと?」

・・・グダグダ過ぎる私。ヒエとか言っちゃったよ


「ほら、もう少しやから頑張って」
氷を当てながらそう励ます
「すいません・・・」


「体育の時」
「うん?」
、謙也の事ばっか見とって」
「あぁ、あの子見てると何か面白くて。
タメの私が言うのも皮肉だけど、可愛いよね」
「妬いた」

「国語は妬い・・・あ、書いちゃった。妬いてたの?」
「少し」
「あは、そんな千里も可愛いー!」
「可愛いって、そういう問題や・・・」
「千里って、すぐどこか行っちゃうから
てっきり彼女とかも野放しなんだろうなって思ってたんだけど
ちゃんと見てくれてるんだね。よし、日本語変だけど何とか出来た」

「俺、結構我侭な性格ばいね」
「そう?」
の言った通り。自分は好きな時に好きな場所に行くくせに
後頭部に乗せていた氷を両手に持ちながら続ける

好きな人がそれやっとると心配になって。離したくなくて。」

「そういう時だけ真顔で言われると・・・半端なく照れる」
「照れさせとんの」


「・・・あ、あたし、日誌置きに行って来るね」
敵いません。そう思いながら



xxx


「千歳君」

外の景色を見ながら を待っていると来客が。

「えと、美化委員の・・・スマン、名前が」
「えぇの、それより千歳君にこれ!」
「ありがとう、ばってん」
「じゃ!また明日!!」
「あ」
また貰っちゃった・・・


オレンジの包み紙を開けると、
美味しそうな手作りケーキと手紙。



”千歳君は憧れの存在です!良かったら感想聞かせてな♪”


「・・・憧れなんて、俺には勿体無か」
それにしても皆凄か。美味しく作るたいね

「はー、熱も冷めた!!お待たせ!」
「おかえり」
「あれ、何食べてるの?」
待っとる時に同じ委員会の子に貰って・・・断ろうと思ったら行っちゃって」
「で、食べてたの?」
「感想聞かせてって手紙に書いとって」
「妬いた!」
「…少し?」
「かーなーり!!」
「はは、スマンスマン。そぎゃん脹れんで」
膨らんだ頬を指で突付く
「知らないー!もう一人で帰る・・・っあ゛う!」

カバンを持ってスタスタと帰ってやろうと思っていた。
しかし普段見せないこの天使のような表情したサディストが
化けの皮を剥がしたらしく。

後頭部鷲掴み。立派な技だぞ。
酷い・・・!っていうか痛い、物凄い痛い・・・!
「待った」
「〜〜〜っ!!」
目の前がみるみるうちに歪んで行く


「・・・あっ!頭ぶつけとったんだ、ゴメン!」
「ふぇ〜ん・・・」
何とも情けない泣き方。だって、だって天然なんだもの・・・!
「天然サディスト・・・」
「スマン・・・何とでも言って。
お詫びに今日は付きっ切りで冷やすから、泊まって行って?」

何とでも・・・
「私謙也と付き合っちゃうからね」
「そ、それはいかん!!」



翌日・・・

「昨日はケーキご馳走様」
「あ、食べてくれたん!?美味しかった?」
「うん、美味しかった」
「はー、千歳君の笑顔は100万ドルの夜景に匹敵するな!」
「あはは、それって普通女子に言う言葉じゃなかね」
「えぇの!!わざわざ感想言ってくれてありがとう!」
「こちらこそ、お陰で・・・あ、いや何でもなかね。」
とずっと一緒に居れて・・・なんて。



END


>>>コメ。<<<
めちゃめちゃ甘いの書くぞー!と、張り切ってみたものの
あまり甘くないまま終わってしまいました(あれ)
時々自分の身長とか、腕力とか忘れて行動したら可愛いなと(シャレになりません
天然サディスト程恐ろしいものはないと思います笑
無意識にBADDREAMと繋がってる感じになってます。

冒頭文とタイトルはPTPより。物凄い良い曲でお気に入り



>>>モドル<<<
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