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人形の夢のキーワードは、心のSOSを強く表すと言われている。 マリオネットの傷痕 『最近、人形の夢を良く見るようになった』 彼女に言われた何の変哲もない一言。 ･･･正直、他人の夢の話し程どうでもえぇ事は無い。 あらすじを話されたところで見れるわけでも無いし 「やから何？」状態やんか、それって。 ―やのに 携帯で夢占いのサイトを開いとる自分の行動を考えると いくら授業中の暇潰しとは言え、 他人の夢に興味無い事に対する言い訳を考える方が難しい現状やと思う 『私は壊れた人形を抱き締めていた』 ･･･人形が壊れている夢 内面的な寂しさを抱えている状態や、 その様な状態に陥りやすい状態を暗示していると考えられる。 『その人形は「あなたは幸せなの？」って私に聞いてきて、 それを答えようとする所で目が覚めるんだよね』 ･･･人形がしゃべる夢 誰かに頼りたいと思うSOSの信号を発信している状態を表す。 ―って、所詮占いは占いやろ 授業終了のチャイムが学校内に鳴り響く 教室の窓から空を見上げると、今にも雨が降って来そうな天気で― 案の定予想通りの本降り。 当然部活は中止になり、 集まっていたメンバーも一人、また一人と部室を後にする 「」 「あー、ちょっと待って。今準備してるから」 「そんなんえぇから」 てっきり帰る帰らないの話しかと思いきや 聞く耳も持たないで外に出され、全く物事を把握出来ていない自分がいる ―どうしたんだ!?何が起こったの一体 土砂降りで瞬く間に色を落として行くテニスコート 「今日部活中止でしょ!?中入ろうよ、濡れるよ」 「お前、俺に隠しとるやろ」 「いえ･･･思い当たらないんですけど･･･」 フェンスを背にして両腕の中に閉じ込められているこの状況で いつも以上に研ぎ澄まされた鋭い眼光での尋問は 無かったとしても有ると言ってしまいそうな程、ペースに巻き込まれる 次いで意味の分からないままのキス ･･･ちょっと、誰にも見られて無い！？ 何を荒れてる？また何かしてしまったんだろうか私は。 「寂しいんやったら寂しいて言葉にせんと分からへんやんか」 唇を離しながら小さな声で呟く 「私、寂しいなんて一言も」 「･･･せやな、確かに言うとらんわ」 「だったらどうして」 「夢」 「は･･･？」 「人形の夢は心の不安を表しとる象徴」 「光、私の夢の話聞き流してなかったの？」 確かに、自分の夢の話なんていつもしなかった。 それなのに人形の夢の話だけはどこかで物凄く聞いて欲しい願望があって だからそれだけは鮮明に覚えていて、話したんだろうと思う。 「正直どうでも良かったんやけど、少し気になって調べただけ」 照れくさそうにそう付け加えると上げていた両腕を下ろし、後ろを向く 「･･･そうだよ、不安だったよ！！ 基本無口だしタメのくせして我侭とか男子の子供っぽさとか全然見せないし、 光の隣に居られなくなるのが嫌だから！」 ―しまった、思わず興奮して言わなくて良い事まで口走って･･･!! 「･･･ってのはまぁ、軽いボケだとして･･･ね･･･さて、戻ろ･･･」 ―我ながら苦し過ぎる それより何より、恥ずかし過ぎて早くどこかに行きたい。 と言うか、恥ずかしさのあまり死んでしまいそうだ 熱くなった頬を雨で濡れている手で覆いながら小走りで去ろうとする 「軽いボケ？」 「お願いします、もうその件に関しては触れないで」 「関西人としてボケは軽かろうが重かろうが拾わなあかんやんか」 「結構です、拾わなくて良い。流して、流してくれないならもういっそ殺して」 ―こんな所で関西人アピールされても困ります 背後から伸びる両腕 片手にはサバイバルナイ･･･って待て待て！！ 「前言撤回!!やっぱり殺さないで」 「我侭やな」 腕を伸ばしたまま、刃をしまうとそのまま腕を交差させながら耳元で囁いた 「何なら･･･俺の人形になってもえぇんやで」 「遠慮しとく」 ―主導権全てを奪われるなんて事になったらどうなるか恐くて見当も付かない 「何やねん、あれもダメ、これもダメって結局は何を望んどるん」 ―何をって･･･選択肢が大雑把過ぎるんだよ！ 「だから、たまには私に頼んでくれても良いし」 「せやったら、このまま俺の彼女で居ってや」 それは不安を吹き飛ばすには大き過ぎる一言だったわけで。 「好きやで、。･･･殺したい程」 「･･･名前で止めてよ！大体冗談に聞こえない一言が多いんだよ！！」 それから、私の夢の中には人形が出て来なくなった きっと暫くは出て来ないだろう。 ･･･と言うか、もう出て来ないで欲しいと言う勝手な願望だ。 次は本気で殺されるかもしれないから END 夢占いネタでした。面白くてついつい話に。 結局殺したい位愛されたいって事なんですb(どういうことですかそれ |
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