***ETZR×ep.1***
―今日は何をしてやろうか。

ETZR×ep.1

これは定例の部活ミーティングに参加していた時に
私が体験した15分間の出来事だ

常に笑いを取ろうとする四天宝寺だが、
部員同士の連帯感を大切にする為
この定例ミーティングの時だけは誰もが真面目に参加している。

ミーティングに参加しているのは、
各学年の代表マネージャーとレギュラーであり
白石部長が指揮をとって1週間に1度行われる。

座り順は学年毎で机をコの字型に並べてあり、
二年のレギュラーは一人しかいない為
私の隣りに座る人は決まって来る。


そして、メモなんて取らないくせに
手元が寂しいのか始まってからずっとペンを回している

綺麗な横顔
何もしなければこんなにカッコ良いのに


―なんて、惚気だ。
いかんいかん、集中しないと


伝えるベき部分をメモに取りながら部長の話しを聞く


カリカリ



カリカリカリカリ・・・



「きゃはっ・・・!」


突然の笑い声に一斉に集まる視線
「何笑っとんねん」
白石部長の真剣な目に圧倒される
「す、すいません!!の、ノートに落書きされてて・・・」
「ちゃんと話し聞いとってな」
「はい!」





違う




ノートに落書きなんてされてない




机に額がつくんじゃないかって位頭を下げて再び着席する





左に座っている人を睨みながら




光は何事もなかったかのように左手でペンを回し続けている
・・・と、ペン回しだけしているかのように見せ掛けておいて
余っている右手で膝を擽りやがった。

いきなり膝擽られたら笑っちゃうよそりゃあ。


声に出せない為、肩を叩きノートを見せる

”くすぐったいんですけど!!”

持っていたペンでその下に返信を書く光
その顔は少し笑っていた

”何が?”


膝の上にある右腕を掴みながら、それに返信する
笑いを堪えて居て若干涙目になってきた

”ひざ!くすぐるな”


”それより話、聞いとらんとあかんやんか”

まずそれ止めてよ!!


腕を掴んでいる間は擽り攻撃は止まっているわけだが
片腕が使えないのでノートがガタガタしてしまう。
即ち、メモる時は腕を離さなければならない


楽しいの?こんな事やって何が楽しいんだ!



そんな葛藤をしながらもどうにかミーティングは終わった。
間違いなく人生で一番長くて辛い15分であった。


「抵抗したいのに出来ん奴弄るのって、ホンマ楽しいわー」

ミーティング終了後、
腕を枕にしながらうつ伏せになっているにだけ聞こえるように話す財前

「・・・悪戯好きな財前君にしては、随分と幼稚なマネするんですね」
正直、生きた心地がしなかった。
笑いたいのに笑えないのってこんなに苦しい事だったのか。

「幼稚?好きな子にちょっかい出すのって、悪戯好きな男子の定番やんか。
しかもミーティングつまらんし。」
「て言うかその所為でまだ左膝がやられてるような感覚になっちゃってるんですけど」
「何なら右膝もそうしたろか?」
「いや、そういう意味じゃない!」
「ちゅーか早う片付けな、部活始まるやんか。」

しかも今日の片付け当番は私と光。とことんついてない。
膝の感覚が変なまま片付けを始める

「何か虫に這われてる感触がする・・・」
「あ、背中に毛虫が」

その一言で一気にぞわぞわっとする背中

「無理ー!!!取って!!即刻取って!!」

「・・・嘘やけど」
「う、そー!?」
殴りたい・・・!今世界で一番殴りたい人物が目の前に居る・・・!!

よし、軽く叩いてやる!
背後から忍び寄り、右腕を振り上げー・・・

「にゃ・・・」
にゃって何だ自分
「えぇ度胸やな、その威勢だけは褒めたるわ」

殺気に気付いてしまったのか寸前で腕を止められてしまった

「ちっくしょう・・・」

その上、暴れ過ぎた為に後ろ髪を止めていたピンが一本取れて背中に入ってしまった

「うそでしょ!?どこだ?!」

こういう時”後ろに目が付いていれば良いのに”と心から思う。


「喧嘩売りに来た上、一人で何パニクっとんねん」

そんな一人コント状態のを冷めた目で見る財前。

「背中にピンが入って引っ掛かってるんだよ・・・と、取れない」
あぁ、私の腕があと5cm位長かったら・・・

「チッ・・・じっとしとき」
舌打ちしながら躊躇いも無く背中に手を入れピンを取り上げると無言で手渡した
「あ、ありがと」

別に付き合ってる仲なんだし、この位気にするレベルにすら値しない。



しかし、今回の件で大変だったのはこの後の部活だった。



、いくら財前が恐いから言うて、嫌な時はちゃんと抵抗せなあかんのやで?」
「はぁ・・・?」
「部室で服脱がされとんのにちっとも嫌な顔せんで・・・
女の子なんやからな、そういうのは大切にせんと」
「服?謙也先輩、何勘違いしてるんですか」
「勘違いて・・・襲われそうになっとんのに黙っとったやんか、さっきー!
それで俺何気なく部室に入ったんやで!?」
「いや、あのあれは背中に入ったピンを取って貰ってただけで」

このまま誤解されている状態ではマズいと
必死に本当の事を説明しているの元に頼もしい味方が来たかと思いきや・・・
「謙也さんホンマタイミング悪過ぎですわ」
「ほら〜、そうなんですよ・・・って、違う!違うでしょ!?」
しまった、逆に敵が増えてしまった!
「ちゅーか俺が正解やろあれは!!」
「後輩の楽しい一時を邪魔するのが正解ですか。へぇー・・・」

ちっとも反省する気持ちの無い後輩に対し、段々とヒートアップする先輩。
は嫌やったんやろ?な!な!!」
「だから違うんですって、そういう事じゃなくてピンを・・・」
「ほら!嫌がっとるやんか!!」

謙也先輩、何て無茶な解釈を・・・!
「いや、の奴ホンマは好きなんですけど隠しとるだけです」
「えっ・・・そうなん?」
「ち、違います!!先輩信じて下さい、この悪魔に騙されないで!」

変な誤解が新たに生まれてしまいそうな事に対し、
はめちゃめちゃ焦っていた。

「んー・・・分かった、を信じる!お前は嘘吐かんもんな」
「はぁ・・・良かった・・・」
「で、結局何やっとったんや?さっき」
「えーと、背中に入ったピンを取ろうと―」
「見せ掛けて、実はに迫られてたんです」
「もう!!どっか行っててよ!」
「貸しやからな」
「良いから早く・・・あ」




・・・





「今、貸しにしてもえぇって言うたよな」
「・・・言ってしまいました」
「財前の貸しは高いで〜?」
「・・・知ってます」



END


>>>コメ。<<<
定番?ラブラブです(どうしたんですかいきなり言い切って)
こっそり擽るのって割と好きなシチュエーション(マニアック!)
タイトルはイタズラの頭文字的な感じです(単純)ep.2が出て来るのかは不明。
あと最近マネ設定が多くてすみません(懺悔



>>>モドル<<<
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