***緊急特別イベント***
とりあえずまずは−3kgを目標に・・・

それはスケジュール帳にしるしを付け、
ダイエット計画を立て始めていた時に発生した


緊急特別イベント




「もしもし?」
?わいやわいー!!」
「金ちゃん!」

金ちゃんから電話なんて、珍しい事もあるものだ。

「あんな、あんなぁ!
今日これからケーキバイキングに行くんやけど
も行かんかなぁって思て電話したんや!」
「ケーキバイキング?金ちゃん一人で?」
「ちゃうでー!オサムちゃんが連れてってくれんねん!!
なぁ行くやろ?行くって返事してえぇやろ〜??」
「うう・・・いや、実は私ついさっきからね」
「行くって返事しとくなー!!ほなぁ!」


ツーツー・・・



「・・・」


何故。


何故・・・


何でこのタイミングでスペシャルイベントが発生するんだー!!


高いアイテムを買った後で実は道端にも落ちていた事を知った並に切ない


机の上で頭を抱えて葛藤する

落ち着け・・・今なら間に合う、
今金ちゃん・・・いや、オサムちゃんに電話して行かないって言えば間に合う


一回目は話し中だったものの、二回目ですぐに繋がった

「おぉか!金太郎から連絡来たで〜!
今から順々に迎えに行くからなぁ♪」
「オサムちゃん、私行かないです。不参加、今日は不参加で」
「了解了解!不参加・・・って、不参加!?
無類のケーキ好きなお前が一体どないしてん!?
また何や変なモンでも食ったんか!?」
「ちょ・・・常日頃変な物食べてるような言い回ししないでよ!!
違う!ダイエットするから行かないの!」
「・・・・・・が?」
「そう!」
「・・・・・・・・・ダイエット??」
「そう!!何でどんどん間が空くわけ!?」


ぷっ


「だぁーっははは!!本気か!?本気で言うとるんか!?
食う事が幸せなお前が!ダイエットやて!?」
耳がキーンとなりそうな位大声で笑われ
苛立ちを隠さずにはいられなかった
「本気だよ!!最近太って来て気にしてるの!!
これじゃあ素敵な彼氏も出来やしない!」
「はー苦し・・・お、居るやんか男なんて周りにぎょーさん!」
「居らんわ!!」
「そう言えば健康に配慮したカロリー控え目なケーキとかもあるらしいで!
なぁ行かんの〜?金太郎めっちゃ楽しみにしとったのにー可哀想やなー
後輩のピュアなハートを傷付けるやなんてー」

その時、私はチクチクと刺さる言葉を所々で入れて来る嫌な教師だと思った

「・・・いやでもやっぱり」

「はい!決まり決まりー!ほな、皆待たせとるからまた後でなー!
20分位したら着くと思うから準備しとってやー!!」


ツーツー・・・


「・・・」

まさかの本日二度目なこの下り。


どうして・・・どうしてなんだ


とは言いつつとりあえず着替えを始める
休日にテニス部のメンバーと会うのはかなり久々のような気がする



ちょうど準備を終えた頃に見覚えのある車が一台、家の前に停まった

「いってきまーす」



車に近付くと、運転手と明らか目が合った直後に爆笑された

「何か!?」
助手席のドアを開けて耳を引っ張りながら怒鳴る
「痛い痛いて!別にお前の事で笑たわけやないて!」

それでも尚、シートベルトを締めながらまだ睨み続けていた
、ダイエットするらしいで」
「えぇ!?何でー!?」

後部座席には白石と金ちゃん、光が先に乗っていたわけだが
口の軽いおじさんに話してしまった事で既にバレてしまっているらしく、
自分のダイエット計画がすっかりネタとして定着していた

「ぎゃっ!・・・光!!急にシート倒さないでよ!!」
今舌噛みそうになったじゃない!

「ダイエット中やのにケーキですか」
「無理やり連れて来られたんだよ!」
「えーっ!、ホンマは行きとう無かったんか?」

隣に居たいわゆるピュアなハートの持ち主が
目を潤ませながら困った顔をしてこちらを見下ろしていた

「は・・・ううん、行きたかった!
金ちゃんと一緒に行きたかったから来たんだよ!!
ダイエットはお休みだよ、お休み」

金ちゃんペースにはどうにもこうにも勝てない

「太りますよ〜」
そしてサディスティックなハートを持った後輩がまた気にする一言を囁く


「く・・・良いよ別に!もう男なんていらない!金ちゃんさえ居れば良い私!!」
「金ちゃんかて、いつまでも皆の物や無いんやで?」
「白石・・・!痛いとこつかないでよ」
「そない痩せたいんやったら白石さんにダイエットメニュー考えて貰えばえぇのに」
「あぁ、別に構へんよ。俺好きやし、そういう類。何なら色々貸そか?」

「それじゃあ・・・」

いや、待てよ
・・・前に一度、白石の家に資料を届けに行った時


「うわー、健康グッズ沢山ー。ちょっと触ってみても良い?」
「えぇよ」

って、面白半分で触ってみたら

「あー、ちゃうちゃう!そない使い方やったら全然効かんやろ」
「え?あ、私ちょっと見てただけで・・・」


で、次の日起き上がる事すらままならない程の筋肉痛に・・・


「・・・遠慮しときます」
「何やねん、別に遠慮なんてせんでも」
「してない!!白石に頼んだら大変な目に遭う!」


急いでシートを戻すと右側で必死に笑いを堪えている人物が目に入った

「何」
「へ、何が」
「惚けるな!!めっちゃ笑い堪えてるくせに!!!」

「こっ・・・堪えてへん・・・で」

「オサムちゃんなんて大っ嫌い」
煙草全部窓から投げ捨ててやろうか!



そんなやり取りをしている間にも残りのレギュラー陣も拾い終わり、
車は無事目的地に到着した


「あれ、ここってまだオープンしてなくない?」
「せやでー!
ちょっと知り合いが居ってなぁ、食べに来てくれ〜言われて」

「・・・あの親父、何でこんなに顔広いの?」
「さぁ・・・あ、ほらオサムちゃんてよう色んな場所に行くから・・・
大半娯楽施設やけど。それ繋がりとちゃうん?」
「なるほどね・・・」
「ところで、ダイエットしとるのに何で来とるん?」
「金ちゃんに会いたくて・・・って言うか何でイッシーがそれ知ってるの」
「お前途中から寝とったやろ、アホ面で。
そん時めっちゃ盛り上がっとったんやで」
「アホ面は余計!あんの適当教師・・・!!後で髪の毛毟ってやる」
「アホ面はアホ面ですわ」

の目の前に自分の携帯を翳す財前。
「・・・あぁー!!光!何撮って・・・貸しなさい!!」

急いで携帯を取ろうとするも、寸前で仕舞われる

「酷い・・・あんまりだ・・・」
「アホ面やったなぁ」
「うわ、白石まで!?もう良いよ、私部活に生きる」
「ははっ!えぇやんか、部活一筋」
「ふん、恋多き者には分かんないだろうね!」
「そない怒らんと、誰も貰てくれへんかったら俺が貰ったるて」
「うるさい!そんな安い同情誰が本気にする?!」

・・・


その時、二人の間でだけ流れた一瞬の静かな時間


「本気やで、俺は」


そう言って微笑むと先頭の方に歩いて行ってしまった


「・・・白石がモテる理由が分かった気ぃするわ〜」
「イッシーも言ってみれば?」
「俺が!?女子に?言えるわけないやんか〜!!
照れてしもてついつい笑いに頼りとうなんねんなぁー」
「いや、けど普通はそうだよねー。
白石がませ過ぎなんだよ。ませガキってやつー」


と、本人の居ない間に散々悪口を言いながら店内に入ったわけだが・・・


め、めちゃめちゃオシャレな雰囲気!!
誘って来た親父は何やら偉そうな人と話している
オサムちゃんて何者なんだ一体・・・


しかも目の前に広がる美味しそうな甘い誘惑!!
テンション上がらずにはいられないでしょこれは・・・!

「・・・っと、ダメだダメだ。ダイエットするんだった」

自分に言い聞かせて冷静になり、
女性にオススメコーナーから覗く事にした

へぇー、野菜で出来たケーキってこんなにあるんだ・・・


とりあえずヘルシーな感じの物だけを・・・

気休めにしかならないことは分かっているが、
気にしないよりはましだと、なるべくカロリーの低い物を選んで席に着く

他のメンバーも各々好きな物を取って食べ始めていた

・・・男子って甘い物苦手そうなイメージあるけど、
ここだったら種類も豊富だし、カップルでも来れるんだろうなぁ・・・
「ケーキデートかぁ・・・」
「出た、妄想」

「うわ、びっくりした!妄想位好きにさせてよ」

突然現れた先程のマセガキ・・・もとい白石。
「ん〜、デリシャス!ほら、あーんってやりや」
「結構です!」
「確かに糖分の摂り過ぎは良く無いで。
せやけど我慢ってもっと身体に悪いんやで」

そんなもっともらしい事を言いながら
隣で美味しそうにケーキを食べる

!!これめっちゃ美味いで!!口開けぇやぁ!」
「い、いらない」
「嫌いなん?」
「す・・・好きです」
フォークを片手に持ったまま尋ねる金ちゃんにまたも負けてしまう

「な、な!美味いやろ!?」
「うん、美味しい」
の分持って来るから待っとってや!!」
「あ、金ちゃん・・・」

断れない自分。
そして微妙に重たい雰囲気。

「そない金ちゃん好きやったら金ちゃんと付き合えばえぇやん」
「・・・あぁ、そっか。けど告っても振られちゃいそうだなぁ」
「言わん限りは分からへんやろー」
「あ、ひょっとして白石、妬いてる?」
「は?普通やし」
「あーやっぱり妬いてるー!可愛いとこあるんじゃん!
ほらほら、私のケーキあげるから!あーんして蔵リン★」
「いらん!」

・・・結局その日白石は怒ったままだった



xxx
「ねぇ、まだ怒ってるの?」
帰り道、後ろを向きながら本人に問う

「怒ってへん!」
「白石の恋のライバルは金太郎か!!
えらいダークホースが出てきよったなぁ!!」
「オサムちゃん、そこにあるコケシ窓から投げんで」
「あー!!あかん!!それだけは!!」

そして翌日、誘惑に負けに負けてしまった私は案の定



「太ってる・・・」






END


>>>コメ。<<<
結構前に書いててアップするの忘れた物。
ケーキバイキングネタ。個人的に小石川君がオイシイ笑
四天は何やってても楽しそうだ:−)
白石夢って書いてるけど微妙なところです・・・白石寄りの逆ハー?(疑問系



>>>モドル<<<
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