***Stray CatA***
思いを打ち上げずにいる事も出来たけど
結局そっちは選ばなかった




「答えろ。本当に幸せなら何故、そんなに寂しそうに笑う」

俺は苛立ってた。なぜだか分からないが、凄く苛立ってた。

「…

「寂しそうになんか笑ってない」

俯いたままで が言う。

何故、嘘を付くんだ?
そんなに寂しそうに…
今だって、そんなに寂しそうに笑ってるのに






結局 は何も言わなかった。



跡部と付き合うようになってから、 は変わった。
どこか寂しそうに笑うようになって、
いつもぼんやりと視線を彷徨わせてる。

『何かあったのか?』と尋ねてみると
何も無いと首を振る。
『彼はとても優しくしてくれる、
なにかあるはず無いじゃない』と、笑って。

だがその笑顔が、俺には辛そうに見えた。
以前はもっと楽しそうに笑ってた。
今じゃその笑顔は姿を消した。

俺はあの笑顔が好きだったのに―――









久しぶりに部活に無い休日。
まだ寒いが天気は良かったし、用もあったから
コートを着て俺は外に出た。



向かいの表通りにふと視線を移した時、飛び込んできた。


――― と跡部


跡部は優しく の髪を梳いて、耳元でなにか囁いている。


『彼はとても優しくしてくれる―――』
の言葉が頭の中をグルグル回ってく。


俺の目から見ても、 に対しての跡部は優しく見えた。
だが跡部の隣にいる は、どこか寂しそうに笑ってる。



一体なにが を変えた?











翌日、廊下を歩いてる に声を掛けた。



「何、手塚君」

「ちょっと、今いいか?」

「いいよ。どこ行くの?」

「屋上」




重いドアを開けると、冷たい風が差し込んできた。


「で、何?」

「幸せか?」

「なに?」

「跡部といて幸せなのか?」

「…幸せだよ」

俺は一体なにがしたいんだろう。


「なんでそんな事聞くの?」

が不思議そうに俺の顔を見る。

その時、風が強く吹いて、 の長い髪が
フワリと浮かび上がり、首筋が露わになった。





「っ……」





そこには、跡部が付けたであろう『印』が刻み付けてあった。

それは跡部だけに許される、所有の印。





「てづか…くん?」



気付けば を抱きしめてた。





認めたくなかったんだ。
が、自分の好きな女が、他の男のものになったなんて。
諦められなくて、『友達』という位置を利用してた。
何だっていい。側に居れるなら。
『友達』だって構わない、


そう思ってたのに―――








「好きだ」







腕の中の が、一瞬震えた。




分かっているのに止められない。






「好きなんだ、








これ以上隠すことが出来ない



これ以上偽ることが出来ない、この気持ち



これ以上は、もう限界―――






>>>感想<<<
かなり続きます。この話。(再。)
跡部なら傷つけられようが何されようがもう…(自主規制←お約束)
いいなぁヒロインモテまくりじゃぁー!!!(誰、誰??)
あたいは髪が靡くほどロングじゃないから(号泣)無理だ…(マテ)


>>>モドル<<<
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