***SPEAK***
君は何も話さない 何がしたいの?
君はいつも泣いてばかり 何がしたいの?
君は黙ったまま 何を考えてるの?


SPEAK


休日の午後
彼氏の家に居る事が当たり前になって来た自分


見ているわけでも無いテレビはBGMと化し
二人は並んだソファの上で、お互いに別の雑誌を読みながら

ただ何の会話も無く、静かに時だけが過ぎて行く


・・・と言うか。


最近はこんな状況がずっと続いている

千里はこの状態で良いのかな・・・?楽しく・・・は無いだろう、確実に。
やっぱお邪魔してる身だし、私の方から話題を作るべきかなぁ・・・

「千里、これ可愛くない?」

そこまで可愛いとも思っていなかったが
たまたま開いてたキャラクターグッズの中から適当に指を差し尋ねる

それに対し、自分の読んでいたページに指を挟み閉じながらの雑誌に目を向ける千歳

「あれ、ってそういうの好きだったとや?」
「え、というと・・・」
「こっちの方が好きそうなイメージがあったから」

とは別の方向に指を差しながら尋ねる
差した先のキャラクターを見ては即答した

「確かに、そっちの方が好きだ」

「?・・・じゃあ、どげんしてこっち指差したと?」

はその質問に、正直に答える

「話題を作ろうと思って、咄嗟に。」
「・・・話題?」

千歳の目を見た後にコクリと頷く
「最近、千里家に居る時口数少なくなったなぁーって。
だから、話題作った方が良いかなぁって思って。」
「あぁ、減っとる?」

彼にはどうやら思い当たる節があるらしかった

「減ったかは分かんないけど、話さなくなったなって思って。
上手く説明出来ないけど、ただぼけーっと過ごす事が多くなったというか」

は、こういう空気嫌い?」
「ううん、別に嫌いじゃないけど」

うーんと呟いて、頭を掻きながら話を続ける

「正直な話、リラックスし過ぎとるのかも」
「ん?」
「俺も上手く説明出来んけど、が居ってくれるだけで安心しとるっていうか・・・
だからそれ以上求めようとは思わんし」
「話さなくても居るだけで良いって事?」
「まぁ、そういうことになるばいね」

照れ臭そうに千歳はの確認に対し同意した
それを聞いて自身も納得したのか、何も言わず微笑みだけ返すと
また雑誌に視線を落とした





再び戻った、数分前と同じ空間―







「・・・、このラケットカッコ良いと思わん?」

最後のやり取りを少し遠く感じ始めた頃、今度は千歳が雑誌をに提示する

「んー・・・いや、こっちは?こっちの方が私は千里っぽい気がする」

の手の甲を自分の手で包みながら一言


「ご名答、お返し」


優しい笑顔でそう呟いた



END


>>>コメ。<<<
今までの短編の中で一番短いような気がします笑
唐突に書きたくなった日常ネタでした:−)
私が書く千歳は優しくてちょっと意地悪ってのが多い気がします(それが本望です/何告白ですか)
タイトル+冒頭文(対訳)はPINKLOOPです。とにかく詩が良いんだ・・・!



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