***正直さのうちがわ***
三ヶ月に一度の恒例。
それは『席替え』


そして今日がその三ヶ月に一度の
恒例となってる『席替え』のある日。


廊下側の席の人から、順に教壇の上。
箱の中から番号の書かれた紙を引いていく。



「31番」


は黒板に書かれた座席票と
手にした紙とを交互に見た。


「あ、窓際の一番後ろだ。ラッキー」

は荷物を手にして、新しい席へと移動した。








席について、驚いた。
前の席に座っている、その人物に――






(なんで鳳君なの?)







一年前、は鳳に告白された事があった。
だがその時は彼の事をよく知らない、という理由から
その告白を断ったのだ。



そして二年になって、幸か不幸か同じクラスになった。



それから彼の色々な面を知るようになった。
テニスがとっても上手なこと、
誰にでも優しく接すること―――。

視線はいつも彼を追っていて、言葉を交わせば
胸がドキドキした。


いつの間にか好きになっていた。



(もう一度告白して欲しいなんて
 思うのはやっぱり勝手だよね)


「あの」


ボーっと窓の外を見ていた
鳳が声をかけた。


「な、なに?」


「あぁ、俺背でかいから、前見えるかと思って。
 大丈夫かな?」


「平気、全然大丈夫ありがとう」


「そう?ならいいけど」





心の中で、は思った





(神様、仏様、私のくじ運の良さに感謝〜。)












そんなこんなで一週間が経過し――







(鳳君の背中広いなー)

は毎日飽きもせず、鳳長太郎ウォッチング(後姿)
に勤しんでいた。(←勉強もしてくれ…)


(あれ?もしかして居眠り?)


鳳の頭がコクリコクリと規則的に動く。
そしてバランスを崩したように
机に落ちていった。


小さな『ゴン』という音は勿論、の耳にも届いて。


はクスクスと笑った。


の笑い声が聞こえたのか、
鳳は振り向いて、を一瞥すると
また向き直した。


(アチャ〜。。怒ったかな?)


がソワソワしてると、前からノートが
チラチラ見え隠れしてる。


よく見ると何か書いてあって――。


『笑ったでしょ?』



それを見て(読んで)は小さく笑った。


(なにか、私も何か伝えたいな〜)


色々考えて、が取った行動は――。


鳳のその広い背中に、一文字一文字、指で書いていく。
すると鳳がまたノートに何か書いて、見せた。


『もう一度、ゆっくり』


今度はゆっくりと書いていく


『お・こ・つ・て・る・?』


鳳はサラサラっとペンを走らせる。


『怒ってないよ』


『ね・む・い・の・?』


『朝練がきつかったから』


『た・い・へ・ん・だ・ね』


『でも好きだから』





『好き』の二文字を目にして
はドキッとした。



今なら自分の思いを伝えられるかも。




は広いその背中にゆっくりと書く







『す・き』 と。







書き終わった瞬間、
鳳はガバッと席を立ち上がった。


「どうした鳳、寝ぼけてるのか?」


「えっ、あ、すみませんでした」


席に座って、またペンを走らせる。


チラッとノートが見えた。





そこには







『俺も好き』





>>>感想<<<
ドキドキしながら読んでたチョタドリ。(更新するの忘れてた;;
凄く可愛いチョタ。。。何気ないこの会話、最高ですって!!
姉ちゃんのまだ純な時代の爽やかなチョタドリでした(爆
そんな姉ちゃんももはやBLに侵されまくってます(爆笑


>>>モドル<<<
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