***Stray CatE***
離せない 離さない 離したくない
君をそこまで好きだから










嫌な胸騒ぎがして俺は、 に電話をした。
電話越しに、 の明るい声が聞こえて、俺は胸を撫で下ろした。







家に着くと、俺の部屋に がいた。
ベッドの上に所在無さげに座ってる。
よく見ると、 の目が赤くなっていた。



。何かあったのか?」

俺は荷物を床に投げ出し、 の横に座った。

「……………」
?」

無言の を、俺はそっと抱きしめた。
優しく、段々に力を強めて――。


強く強く抱きしめないと、『 』という存在が
俺の中から消えてしまいそうで怖かった。


そっと腕の力を緩めて、 の顔を両手で包み込む。
髪を梳いてやり、唇を落とす。


額に、鼻に、唇に、首筋に―――。







―――そして、見つけた。






、なんだコレは?」

「……………」

俯き無言のままの
ただ、その目からは今にも涙が零れ落ちそうで――。

。誰に……ッチ……手塚か…」

俺はその場に立ち上がり、拳に力を込めた。
そっと、か細い手が、俺のシャツの裾を引っ張る。

「?? 、どうした」

「……どうして?どうして怒らないの?」

その声は掠れていた。涙が頬を伝ってく。

「……

「どうして私を怒らないの?私が悪いのに――」

が悪いんじゃない。悪いのは手塚だろ」

「私が…ハッキリ言わないから」

…」








全身を震わせて泣く
俺は宥める様に抱きしめ背中をさすった。






「―――ないで」

「何?」

「優しくしないで」

「何言って――」

「景吾はいつも優しいから」

「当たり前だろ!好きなんだから!」

「不安なの」

「……??」






の言ってる事が、俺には理解らない。
好きな女に優しくしたいと思うのは当然なのに、
はそれが不安だと言う。
俺には、分からない――――。






「優しくされすぎて不安なの、優しくされるのは嬉しい。
 でも、それと同じくらい怖くなる」

…」

「バカみたいでしょ?こんなの」

「んな事ねぇよ」






『優しすぎるのも考えもんやで』
 ふと、忍足の言葉が浮かんだ。




優しくしすぎたせいで、 は不安を抱えていたなんて。
最近様子が変だったのも、そのせいだったなんて。
考えもしなかった。





「悪かったな、お前を不安にさせちまって。
 でも俺は、これからも優しく接するつもりだ。
  の事をそれだけ大事に思ってるから………失くしたくねぇんだよ」

「景吾、怒らないの?」

「あ?怒ってるぜ。俺以外の男が の身体に触れて
 気が狂いそうだぜ、全く俺らしくもねぇ」

「…ごめんなさい」

「そう思うなら、俺の言う事なんでも聞くか?」

「………」



は無言のまま頷いた。
俺はポケットから小さな包みを出して、それを に渡した。





「何これ?」

「それ付けてろ」






がゆっくりと包みを開けてゆく。
包みを開けると、小さな箱が姿を現す。






「景吾、これ」


俺は、 の前に跪く様な格好をして、その手を取った。



の未来、これからを俺にくれ」

「ッ………」

「嫌か?俺より手塚の方が良いなら、ちゃんと言えよ」

「……………」

「オイッ!なんとか言えよ」

「――嬉しい」

の目からはまた、涙が零れてた。

「バーカ。泣くんじゃねぇよ」

「だって」

「バカだな」

「景吾」

「ん?」

「愛してる」

「そんなの、もう知ってるよ」

そう言って、俺は の手の甲に唇を落とした。

「ずっと、俺の側に―――」






ありったけの想いを込めて







君の全てを欲している
『過去』も『現在』も そして『未来』さえも





>>>後書き<<<
あの声で「バカだな」って優しく言われたい。もち耳元で(声フェチ)
ああ〜〜諏訪部さん大好きだ!!置鮎さん大好きだ!!(自我の崩壊)

次でラスト!!で、次も跡部視点(汗



>>>感想<<<
アップめちゃめちゃ遅れました事を深くお詫び申し上げます(再
イベントが重なりまくりでした(号泣)楽しいけど忙しい・・・;;
結婚行進曲が今流れてます(こんな深夜にタグ打ち作業する私って・・・)
めっさ幸せそうでなによりですよ。(ほのぼの。姉ちゃん落ち着いて(笑


>>>モドル<<<
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