***健全デート***
健全デート






「なぁこっちにしようか?それともこっち?」

浮かれ気分ではしゃぐ彼、恥ずかしそうに俯く彼女。
二人が居るのはラブホテル街。




「ねぇキヨ」

「どした?あ、こっちがいいのか」

「違う!」

しっかりと繋がれていた手を声と同時に振り払われて
清純は驚くしかない。



微妙な間。それはすぐに沈黙へと変わる。
一定の距離。辺りはラブホテル。


「こんなのいや。せっかくのデートなのに。なに、キヨは
 セックスしたいだけなの?それだけなの?」

「………

「セックスがしたいだけなら私じゃなくてもいいじゃん!
 そこらへん歩いてる子ナンパすれば、もう知らないキヨのバカ!」


真っ直ぐ自分を見る彼女の大きな瞳は涙で潤んでく。
来た道をスタスタ戻ってく彼女。その後をバツが悪そうについてく清純。


確かに女の子は大好きだよ、でも触れ合ってたいのは一人だけ。
誰でもいいわけじゃないんだよ、好きな子じゃなきゃいやなんだよ。


振り返ってもくれない彼女。小さな背中が、肩が少し震えて見えたのは
気のせいなのかな?

走って距離を縮めて、後から抱きしめて。


「離してよ。キヨなんか知らない」

「ごめん。俺自分のことばっかり考えてての事全然考えてなかった」

「…………」

「う〜〜〜〜ん」

何か考え込むように唸り続ける清純。
閃いたのかポンと手を叩いて

!@遊園地A映画B水族館C動物園D公園、どれがいい?」

「………じゃあ…公園」

「公園?」

「ダメ?」

「だめなわけないじゃん。よーし行くぞ」















芝生の上に座る二人。
手に持った缶ジュースは暑さのせいか少し汗をかきはじめてる。

「んーー気持ちいいなー」

眩しく照らす太陽に手を伸ばす清純。

「たまには、こうゆう健全なデートも悪くないでしょ?」

「そーだねー。健全デートか」

「健全ですよ!」

「頑張れば不健全なことも出来るかもよ?」

ニヤっと笑って彼女の顔を覗き込む、彼女が驚いて身を捩ったその一瞬
触れるだけの短いキス。



「キヨ!!」

「まぁ、健全デートですから、このくらいでガマンガマン」

「むぅ〜〜〜」

「はーい怒らない。スマイルー」

膨れっ面の彼女の頬を軽くつねってみる。
悪戯な表情は変わらないままで

「この後俺の家来ない?」

「なんで?」

「なんでって……」

「……バカ!ちっとも分かってない!」

「あー待って、嘘、冗談だって。怒っちゃだめー」








>>>後書き<<<
休日シリーズも遂に千石清純まで来ました。
この人は結構書き易い。
私の中では「へたれキヨ」なんですが……
へたれになってるのかな??
しかしも少しタイトル捻るセンスが欲しい……。。。



>>>コメント<<<
超久々に表小説更新↑↑ホント久々過ぎだぁ(滝汗
でもありそうだ、てかキヨっぽいと思いました☆
ラブホでヤることしか考えてない辺りが(爆



>>>モドル<<<
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