***ある帰り道の一コマ。***
もう一度笑って?



UFOCATCHER

「あ、あれ可愛い」

指差す先はUFOキャッチャー
その中には大きな犬のヌイグルミ。


「ねぇ取って??」
・・・テスト前なのにゲームやっとる場合じゃ―
「ものの1分もあれば取れるでしょ?」
ハイハイ。分かりましたよお嬢様

「やったっ♪」


・・・これで何個目?
「ん?」
俺何個貢いどんの
「愛の数ほど。」


何上手くいっとん、バカ
「エヘヘ」



ほい、可愛がって下さいねー
「ありがとうvv」




「思った通りだ、すごく可愛い」

俺が取ったからね


「えーうそー?アハハ」



―――――――――――――――――――――――――――

俺なりにあの無邪気な笑顔を消し去ろうと努力した
勉強に専念したり、テニスに専念したり


けどなかなか消えないモンじゃの―
厄介じゃきに、らしくもない―――





「何考えてるの?雅治」
―何でも・・・



横に居るのは違う女
学校の帰り道、せがまれる事もなく真っ直ぐ家に着ける



これはこれで不意に落ちんなんて思ったら我侭かの――




「ねぇねぇ、あの子」
ん?
「一人でUFOキャッチャーしてるよ、かわいそー」



・・・


「ね、そう思わない?まさ―」


「雅治?!」





―ヘタクソ。今まで何見とったん
「―ぇ」



久しぶり
「あ、久しぶり。」



「ちょっと雅治!!」



「―彼女?」
―ん。
「だったら通り過ぎれば良かったのに。心配しちゃうじゃん、彼女」

「何、二人知り合いなの?」

「あ、モトカノだったの私。でも今はもうつながり無いから安心して」

「フーン、雅治ってばこんな暗い子と付き合ってたの?」

―・・・どれ欲しかったん
「―え?」
どれ?
「・・・いいよ、別に。だって私は―」


「雅治、いいって言ってるし、帰ろ」



「は や く ! !」




「そうだよ、帰ろうって言ってるんだから帰りなよ?」




ドサッ



気付けばひとつのヌイグルミを渡しとった。
未練たらたらやのう、俺
「―なんで分かったの?」

今まで何個取ったと思っとるん、バーカ


「ちょ、雅治!!相手が違うでしょ」
だってお前別に欲しいとか言っとらんきに―

「―!!もういい!!」




「あっ」



「彼女、追いかけて?早くっ―」





―・・・



「///こ、こんな公共の場で何考えてるの」

ゴメンナサイ

「へ?」

俺やっぱ忘れられんわ。お前のコト。
ダメ?


「・・・だって」


「だって数え切れないほどの愛をもらったもん」


「あのね、もう部屋に入りきらなくなったから」



「お母さんが相手に迷惑でしょって言ってね―」


「必死に考えて、やっぱり迷惑なんじゃないかって思い始めたの。だから」




もういい


もういいから





迷惑なんて一度も思ったコトなかった、マジメに―

「私ね、自分で頑張って取ろうと思ったの」



「けど、上手く取れなくて―」


黙って抱かれてんしゃい。





―必死に泣くのをこらえて小刻みに震える女と
フワフワした犬のヌイグルミを胸に抱えて思った




―ってことは、お前の母さんに別れさせられたってコト?





純粋やのう、
「何?」


何でもないー





END






>>>後書き(っていうより言い訳<<<
1回で取れたらカッコいいよね、UFOキャッチャー。
私は取れないので挑戦する気なんぞ更々ありませんが。
久々に部屋の整理をしてたら友達から貰ったネタ集が出てきたので
そこからちょうだいしました。アリガトウ、りっさ(笑


>>>モドル<<<
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