***甘党ホットミルク***
その日あいつは俺の家に喚きながら殴り込んで来た


甘党ホットミルク

意味も分からず喚く姿を見ていると流石にイライラして来る
「泣いてるだけじゃ何も分からんじゃろ」

少し前まで俺らは端から見れば”物凄く仲のいいカップル”だったかもしれない
確かにそうだった。けど俺は何かとムカついてきていた


は良く泣く。形振り構わず―


「俺らもう終わったきに、一切来ないでって言っとったはず―」
「ゴメン・・・でも、でも」
泣きながらどもっとるに対し平静を失ってつい怒鳴ってしまった
「何!!」


その声は泣き声をも掻き消し
部屋の中に静かな時間が少し流れた―

「っ・・・ゴメン、言い過ぎた」
沈黙を掻き消すかのようにに言い放った
「違う・・・雅治は謝らなくていいの、私が悪い・・・から

ゴメン、急にあがりこんだりして。本当は来ないつもりだったんだけど」

「だけど?」
「途中でリードから外れたグレートピレニーズに追いかけられて・・・で、恐くて・・・
たまたま雅治の家の近くだったから・・・」
泣いてた顔を赤らめて上目で覗く瞳と目が合った
「っ・・・」
「?」
「アハハハハ!!」
「えっ・・・ちょっと何で笑ってるの」
「へ?だってそれで俺ん家泣いて来たん?」
「う、うん・・・本当は私だって来たく無かったけど・・・」
ヤバ、可愛すぎる それ以前に笑いが止まらない
「ちょっと待っとって」

バタン

そう言って雅治は下に降りた
何で笑ってたの?私が泣いてることに対して凄く怒ってたくせに。
しかもあんな顔、今まで見た事無かった。
そんな面白い事言ったかな?

ガチャッ

・・・あ、また私の顔見て笑い出した
「そんな面白い?もう大丈夫だろうから私帰る」
「じゃあこれ。折角持ってきたんだから。落ち着くと思うし」

そう言って雅治が差し出したのはホットミルク

甘党じゃったろ。砂糖沢山入れといたきに」
「いらない!だから私避難してきただけなの。もうピレニーズいなくなっただろうし」
「だから落ち着いてから帰ればいいじゃろ」
「落ち着きました!!それでは」

私が席を立とうとした瞬間
雅治は片手で私の腕を引っ張り立とうとさせずに
片手でホットミルクを思い切り飲んだ

「何で私がアナタの飲みっぷりを見届けないといけない―」




ゴクッ








「美味し?」
「・・・///」

暫く話せなかった―
目の前で何が起きたのか分からなかったけどとりあえず全身が凄く熱かった
何で飲んでない物が自分の中に入っていくのか理解できてなかった
とりあえず何か言わないと・・・
「あ、甘い・・・」
「は?」
「甘いし熱い・・・」
「こっちだって急いで口の中入れたから火傷したって」
「え・・・」
「飲まないで帰るって言うから。」
「だったら雅治が飲めば良かったじゃないっ///」
「牛乳はアイス派じゃきに。ホットなんて飲めんよ」
「何屁理屈言ってるの!?今飲んだじゃ・・・」
「口に入れただけだし」
「くーっ!!だからって別れた相手と何やってると思ってんの!!バカ!」
「犬に追いかけられて逃げ込んできた、なんて可愛いと思わんの?自分で」
「私は必死だったの!!!それに泣き虫はもうイヤだって言って振ったの雅治の方でしょ!!」
「部屋に可愛い猫が彷徨っとる」
「何キザなこと言ってんの、らしくもない!!とにかく、私は帰る!」
ドアノブに手をかけると上から白い手が下りてきた
「離してよ!帰らせて」
「嫌」
「自己中!!もう帰らせてって」
、俺が誰だかわかっとる?」
「私を振った泣き虫嫌いな男です」
「バーカ。ちょっと庭見てみんしゃい」
「ばっ・・・バカって言った?!大体庭なんてみたところで・・・」


は?



「可愛いじゃろ?新しい家族。」
「ま、まさかとは思うんだけどあれってグ・・・」
「グレートピレニーズ。」
「・・・もしかして」



「俺が離したんよ、お前に会いたくて」





「さっきキレてなかった?」
「だから俺、誰だと思っとんの、全部演技。」



え・・・んぎ?演技・・・・へ?
「ど、どっから?」
「最初から。笑ったりしとったのも全部。案の定、シナリオ通りに進んでくれて」
「っ・・・うっ・・・」
泣き止んでいた涙がまた流れ出した
力無くしてその場に跪く
「何で・・・何でそんなこと・・・今更っ・・・別れたのに・・・私、必死に忘れようとしたのに」
「あの時、凄くカーっとなっとった
確かに些細な事で泣くが日に日に嫌になって。

けど別れてみて他の男にお前を慰められたくないって思い始めてから
どうしたら元の関係に戻れるか必死に考えてたんよ。」

「・・・で、コレ?」

「そう。帰り道絶対ココ通るから。思い出せばバレる程簡単なことじゃけど
新しい家族、玄関先まで追いかけてきてたんよ。飼い主に似て演技力が天才的での」

「まぁ、お前の反応も色々分かってたつもりじゃったけどホットミルク飲まないのに関しては
誤算があったの。新しい家族は散歩に連れてってしまったからネタ晴らしが出来のぅて」

「・・・時間稼ぎであんな行動に・・・///野性的本能というか・・・」



「で」
「で?」


「また前の関係に戻れないじゃろか」







「ズルいよ、自分だけ。私が雅治に玩ばれてるようなものじゃん、そんなの」
「すまんかった。反省しとる」
跪いている私の前に土下座する雅治を見て私は思わず口を開いてしまった
「三度目は無いと思って」
風も起こる物凄い勢いで雅治の顔が目の前に来た
「わかっとる」


誰にも見られて無いと思ったら

飼い犬が見ていた


・・・カーテンくらい閉めないと丸見えだワン。









>>>後書き(っていうより言い訳<<<
ホットミルクとクッキーで深夜のお茶会を開いていた時ふと思い付きで。
深夜ってところが自分らしいです(爆笑
ペパ書いてたんだけどね、飽きてね(飽き性
途中パピーがオーザック食べない?って差入れに来ました(笑
書き手の自分も読み手を騙しすぎ/爆



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