***レアポジション***
別に気にするほどのモンでも無いんやけどなぁ。


レアポジション


今年一番の冷え込み。
明らか強そうな風、風、風。



…その事実知った時点で外出たくなくなるわ。
休もかなぁ。




ピーンポーン


唐突に鳴り響くチャイム音。
誰やねん、こんな朝っぱらから。





蔵ノ介ー!!友達来たでぇ!
はよ起きぃや!!




は?友達て…




ただでさえ起きたてやっちゅーのに
とりあえず状況を把握出来ないまま玄関に向かったわけやけど




「おはよう、蔵ノ介」
「ん、おはよー…あれ?」
「あれって何?あれって」
「何でが俺の家におんねん」


「何で…って、たまには迎えに来ちゃダメでしょうか」
「いや、それは別に構へんねやけどな…」




なるべくバレんように付き合いたい言うとったのに

まさかから家まで迎えに来るとは思わんやろ、普通



「参ったな、今日寒いから学校休もう思っててんけど」
「良いから!絶対行くよ!!その為に早起きして迎えに来たんだもん!」


顔半分をマフラーで覆ってたらもはやパッと見誰か分からんけどな
「分かったから、とりあえず中入り」

「大丈夫、ここで待ってる」
「寒いやろ!急いで準備してくるからほら、入った入った」



バタン

半ば強引にドアを閉め、急いで部屋に戻った。
軽く愚痴を言いつつ。

「ったく、来るんやったら前日にメール位しとけや…」




ちゃん、居間で待っとって大丈夫やで?
「あ、大丈夫です。玄関で十分ですからどうぞお構いなく!」

蔵ノ介ママ美人だなぁ。
関西だからもっとイケイケな感じかと思いきや全然違うんだねぇ。


あの子ちゃんと優しゅうしてはります?
「もう物凄い優しいですよ!!女子にも大人気で大変です。
ルックスも抜群だし毎日が軽く戦場だったりします」

あら、それは大変やね。
もう蔵ノ介バンバン使ってえぇですから守ってもろてね!


「は、はいっ!バンバン守ってもらいます。」
思わずノリで返してしまった!!
まぁ、ある程度の自己防衛は出来るから
迷惑にならない程度に守って貰うことにしよう


とか玄関で雑談してると慌しく聞こえる階段の下り音

、これ持っとって!!」
「え?」


バサッと何かが飛んできた。
あ、カーデとマフラーとコートか。重いなぁ。


それらを投げ付けて蔵ノ介は洗面所の方に再び消えてしまった




待つ事約5分
Yシャツがまだ若干乱れつつある蔵ノ介が玄関まで走って来た。
ボタン第3まで開いててちょっとセクシーで目のやり場に困るんですけど…

「はい、かかカーデなどどうぞ!」
「あ、おーきにー。噛んどるで
「いや、ちょっとセクシー具合に酔いそうで…」
「ははっ、何言うてんねん」

ここでせやろー!とか言わないところがまた人気の一つなんですかねぇ
自分のことカッコ良いとか思わないのかなぁ?

あ、カーデ着てても第二まではボタン開けたままなんだ…
マフラーで覆えるのか?!覆えないか。カッコ良いから良いか!

そんなどうしようもないことを考えているうちに
どうやら準備が終わっていたようで
遠い目になっていた私の頭を軽く叩きつつニコっと
終わったで。と呟いた。



「ほな、行って来るわ〜」
「ちゃんとちゃん守りぃや蔵ノ介」
「言われんでも守っとるわ!
おかんが心配する事ちゃうやろ、安心せぇ!」

…く、蔵ノ介。本人目の前にしてその会話は
物凄く恥ずかしいし照れるんですけど。

でも嬉しいな。



「スマンなぁ、遅刻やなこの調子で行くと」
「良いよ、遅刻しても。だからさ、ゆっくり行こうよ」
「ゆっくり?」
「うん、今日は蔵ノ介とちゃんと話したいなぁって思って。
ほら、学校だったら全然話せないでしょ?」
「うーん、せやなぁ。学校は色々面倒やから会わんもんなぁ」
「さっき嬉しかったよ」
「何かやったか?俺」
「守ってるってさり気なく言ってくれたところとか」


「あぁ!あれな。」
今思い返せば恥ずかしいな
「そーゆーの、ポイント高いんだよー!」
「そうなん?」

「そうそう。」

女子ってこう言うこと言ったら喜ぶんやなぁ。
やっぱ俺らとは感覚別モンやな。

に、しても。
こうやってゆっくり学校向かうのも久々やし
初めてと一緒に並んで歩いとるし

改めて一つ一つ思うと新鮮やな


「あのさ、蔵ノ介」
「ん?」
「前々から気になってたんだけどその包帯って…何」
「直球な質問やね」
「ご、ゴメン!いや、言いたくないなら全然言わなくて良いんだけど
何て言うかそのー」
「えぇよ」







えっ!?






「な、何が―」

そう質問し直す前に徐に無言で差し出された左腕。

「腕まくっちゃって寒くない?あれ、ここ立入禁止区域?!」
「…せやから」

せやから?腕…?何だろ、腕組めば良いのか!?






ギュ







「あのな、そう言う意味や無くてなぁ
「あれっ!?違うの!す、すいません」

「ここ持っとって」
「…オッケー、持ったよ」
渡されたのは包帯の端っこ。

「ほんで、こっち回りに引っ張ると。」
「待って!そっちに回してしまうと包帯解けるよ!?」
「見たい言うとったやないか」
「えぇ!!良いの?解いちゃって良いの!?」
「好きにしてえぇよ。やから特別な。その代わり巻き直して貰うで?」

いや、更に好きになっちゃうよ、そんなこと言われちゃったらさぁ…


寒空の中わけ分からない行動をしている中学生約二名。


「やっぱ今度にする!このままだと風邪引いちゃうし!!」
「えぇんか?」
「室内に居る時にもう一回頼んでみる事にする」
「せか。」


そう決意するとは急いで包帯を隠しておいた


「女子ってねぇ、時々サプライズなことしたりするんだよねぇ」
「へぇーそうなんや」

笑いながら相槌を打つ蔵ノ介。お、少しは興味有り?


「例えばー」

思いっきりマフラー引っ張ってどうにか顔を近付けて見る
よし、ほっペにチューだ!今日こそは!!覚悟!

(どうやら狙っていたが行動に移せなかった模様)






くるっ








へ!?








もう一時間目がとっくに始まっていて
もはや学校なんてどうでも良いと思える位の時間帯で
制服姿でこの二人は何やってんだろうって状況の何の部分を

私が飲み込めていません。…おかしいな


「何で横見ちゃったの!?」
「頬より口が良かったからやな」


あぁ…もうバレてたのか既に。
蔵ノ介の方が一歩上手だったと言うわけで。





このままフケてどっか遊びに行っちゃおか?




「折角迎えに行ったのに…」
「普段せぇへんことするからや」



もう負けを認めて笑うしかなかった


「じゃあ普段会えなかった分楽しもうよ!!」



数歩先を行ってた蔵ノ介がこちらを向き直した



「言われんでもそのつもりや!覚悟しいや!!」





「蔵ノ介こそ!!」



満面の笑みで無意識に言葉返しをしていた






今日は『自分休みの日』とスケジュール帳を赤く塗り潰し
カバンの一番奥に仕舞った。





END




コメ。

連載をさておき読み切りで一本。ユセと妄想しまくったネタです(笑
標準語なのは…連載の方の彼女が東京っ子だったのでとりあえずこっちでもと言うことで(え?
白石の好感度を良い感じに上げられてれば良いな(妄想が耐えないコハクサイダーですから/何
少しだらしないYシャツと学ランのズボンで全然カッコ良いと思う(むしろそれで良い/しらんがな
そして彼女だけには許しちゃったりしてたら死ぬ(勝手に死んで下さい



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