***放課後掲示板***
早う帰りたい言うのに
何で部活休みの時に限って
仕事増えるかなぁ。


放課後掲示板


は?

だからね。
これを貼らなきゃいけないわけ。

…そこにはざっと30枚は下らない紙。

もっと言うたら美術の作品。

「何で貼らなあかんねん」
しかも俺が。

「良いじゃん〜!委員長命令です。」
有難う委員長の特権!


「もー、ちゃちゃっと終わらせて帰るからなぁ」
「はいはい。じゃあテキパキ動いてね」

xxx


「脚立借りて来た!始めよっかぁ。」
「…いらんやろ。チビやな」

ムカッ!
―負けるな、私!



今日は先生方の職員会議らしく
残っている生徒も疎らで
シーンとした廊下で黙々と掲示物を貼っていった


「なぁー」
「何?」
光から話し掛けるなんて…明日台風上陸したらどうしよ

「何で俺やないとあかんかったの?」

「…」
脚立に乗っかってる私と同じ目線って…凹むなぁ

「何でって。光が良かったからー」
「何やねん、その理由」

笑ってるし

「前々から気になってたんだけどその耳さ…
絶対喧嘩売ってるでしょ」



沈黙と言う名の重圧が今まさに圧し掛かった



「…画鋲」
「あぁ、はいっ」
答えてくれないんかい!


画鋲の箱を渡そうとすると箱ごと腕も掴まれた


「な、何」

「やりたいからやっとるんや、
それをどうこう言われる筋合いあらへんと思わん?」


聞かれちゃったよ。
「いや、私は別にカッコ良いと思うんだけど
先生とか他の人の目はど、どうなん?」
「…どうなんて、聞き返してんで

「だってそんな振りされると思わなかったんだもん」
所謂無茶振りに近い

「まぁ、えぇやん」
「は?何が?!」

「他の奴がどうこう言うても好きな奴が気に入ってくれれば
俺はそれでえぇと思うけどなぁ」


パチクリパチクリと瞬きを繰り返す


光は何事も無かったかのように
平然と画鋲を持って作業を続ける


言われたことを脚立の天辺で整理する自分。


「ねぇ、光それって…」

話し掛けようとしてバランスを崩したらしく
脚立は地面に吸い寄せられるかのように横転

「わっ!落ち―」





ドスッ












あれっ







「…重っ」





ぎょっ!?

「助けてもろた相手に対して『ぎょっ』は無いやろ」

「す、すいません…重いし落ち着きが無くて…」


あぁ、寿命が3年位縮んだかもしれない…
「そして有難う御座います。重いのに助けて頂いて…」
「怪我あらへん?」


お、ひょっとして心配してくれてる?
「こ、心の病が悪化しております」
「大丈夫そやな。降ろしてえぇな」


うわ、ひどっ。断定されちゃったよ




とりあえず脚立を元に戻して作業を再開した

とは言うものの
頭の中はさっきの言葉でいっぱいで必死だった


だって光のこと好きだし…





でもなぁ、嫌われたくないから確信に迫れないしなぁ
何だこの優柔不断な感じ。自分にイライラするわ




ブスッ



「痛っ!!」

先生、箱の中の画鋲に攻撃されました…
画鋲にまでイライラが移っちゃったかなぁ





「見せてみ、指」
「大丈夫だって!ちょっと画鋲と仲が悪くなっただけで」











あ。
こういう風景見たことあるぞ。
新婚の二人が居て
台所で奥さんが指を包丁で切っちゃった時に
旦那が『大丈夫か〜いハニー!』とか言って(※言いません)
許可も取らずに口に指くわえて止血を試みるんだっけ。


「皆にこんな優しいの?」
「アホぬかせ!俺かて選択権位あるわ」


「ふーん…そうだよねぇ…え、私はOKなんだ」
「せやなぁ」
「光って好きな子いるの?」
目が合った。むしろ向こうが合わせて来た。
…すぐに逸らしたけど
「おるよ。は?」


あ、詳細聞こうとする前に質問返されちゃった。

「私?私は光が好き」






口から指が離れた




「ほんまに?」



「うん、ずっと好きでした」
え、フられるのかなこのタイミングで
どうせだったら屋上とかで言えば良かった…





脚立の上って。




ガバッ





!?










ガッシャーン!



脚立さん。二回も倒してごめんなさい。
そして私今宙に浮いてる…10cm位だけど




「まままま待て光!!私別にバランス崩してないよ!?
って言うかこの状況、端から見たら抱き合ってるみたいだし!」


「どーせ誰もおらんから平気やて」
焦りまくる私とは逆に冷静過ぎる財前。


「良かったわぁ」
「良くない良くない!!恥ずかしいってば!」
力強くてどうにもこうにも逃げられないし

「せやけど、そう思っててくれてたんやったら
俺ももう少し早言うべきやったな。」

「え、何を?知らんわ!とか断りを??」
「お前どんだけネガティブやねん!」



漸く地上に足が付いた
と、同時に腕の中からも解放された。


「好きやってん、のこと」






熱っ。顔熱っ!!

こう言う時こそ冗談っぽく言ってよ!

「真剣やからな。あーめっちゃ嬉しいかも!」



多分私の方が嬉しがってる気がする。
逆に何でそんなポーカーフェイスでいられるんだ!?


「それより早いとこ終わらせなぁいつまでたっても帰られへんで」

「…分かってる!」


それから貼り終わるまで無言が続いた

どうやら彼は何があろうが基本的には話さないらしい。





でもやっぱり惹かれてる自分がいた。




「光ー」
「…何」
「大好き」


「うっさい!口より手動かしや!」
「あれ、照れてる?照れてるー?」
「しばくで」


若干本気に聞こえたその言葉で私は作業を再開した





END




コメ。

意外に初めてな財前夢。素敵ですね(何が?
好きやってんとか言われたいわー!!(※妄想
って言うか助けてもらいたいわー!!(誰
ちょっと生意気な感じに惹かれるらしいですb(しらんがな
次辺り関西弁なヒロインが良いですかね?(聞いちゃったよ



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