どうしようもなく無愛想
奴め、何を考えてるんだ―


I miss seeing All


良い天気。


雲一つない青空。


嫌味のない風。


「あ〜ぁ、帰るのも面倒だなぁ。」


図書室に本を返しに行こうと決めていたのに
ダメだな、居心地良くてずっとゴロゴロしてたい





屋上の一番高い場所


何も考えず空を見上げる

「贅沢な空間…」


そう言った後、数十分間の記憶が無かった
どうやら爆睡していたらしい。


記憶を思い出せるのはドアの閉まる音が響いてからだ


バタン

ドアがある上の空間で寝転がっていた私は
その音が目覚まし代わりになった


「あ、寝てた…。」
ふと携帯に目をやる

午後四時半。
下の人にバレないよう
枕になっていたカバンを盾にして状況を確かめる



あ。



光と女子。

しかもこの雰囲気。




「財前先輩、付き合って下さい!」



わお、ビンゴ。
寝転がって顔に手を当てながらニヤついてしまった。
光は何て言うんだろう?

普段から無愛想で口数も多いとは言えないし。
でもいざと言う時は凄い頼りになる。

口数多い男子=軽いノリとイコール付けてしまう私には
光と言う存在に物凄く惹かれたらしく
気が付けば自然と友達以上の仲になっていた


だから告白どうのとか記念日とか、そう言うのは無いけど
今ではそれが一番楽で良かったんじゃないかなと思ってる

多分光もそう言う記念事をしつこく聞いたりするタイプとは
付き合わないんじゃないかな、なんて勝手に思う。


そしてここまで色々考えてる間に一つのドラマが生まれたらしい。

「俺はお前が思てるような人間ちゃうで?」
柵によしかかり含み笑いで答える光。
あれ、あの人笑えるんだ(含みだけど)

「いえ、そないなこと無いです」
お、彼女も強気だなぁ
先輩と後輩か。そう言うの良く漫画とかであるある。


「―分かったわ。
傷付けとう無かったから言わんつもりやったけど
俺女おんねん、すまんな。」




ちょっと、いきなりストレート過ぎるって光!
音を出さないよう微動だにしないまま
顔を真っ赤にさせる自分って意外に器用?

「…そんな、彼女おったんですか?」
「せやなぁ。彼女って言葉が嫌いやから言わへんだけで
友達以上に惹かれとる女子はおる」

まぁ、世間ではそれを彼女って言うんだよ


そして肩を叩きながらその子へ向かって最後に言った

「俺と付き合いたい言えるんやったら大抵の男とは付き合えるで。
他やと扱い楽やしな。諦めんと、頑張りや。」

「でも私はやっぱり先輩が好きです」

「言える事は言うたから、どう想うか後は個人の自由や」




どうやら彼女の顔を見る限り満足したらしい。
足取りも軽やかだ。
必要以上話さないからこそいざと言う時話せるものなのかな?
要点だけパパッと言えてしまうのに関心してしまう。




バタン



私は空を見上げていた

ドアの音がまた響いた






「光め、結構カッコ良いじゃん」


「自分何様やねん、高見の見物しよって」


「うわっ!?な、何故!?」

目に入ってくる物が空から人に変わった

「気付いてへんとでも思たか?」
「はい…思ってました。」
恐くて目線を合わすことが出来なく、
カバンで隠しながら答える




ところが大変なことに隠していたのはあくまでも目元。
不用心にも程があったらしい



「口も隠さんと、こういう目に遭うで」






なかなかカバンを取ることが出来ない
むしろ今現実で何が起こってるのか知りたくない
…そうだ、これは夢?今に目覚ましが…




視界に広がるのは空。

と、やっぱり


「光…」
「見物料や」


「ちゃっかりし過ぎ」


今度は私に含み笑いを見せていた






END
コメ。
短い(笑
名前変換が無いのも久々だった気がします(気がつけば無かった
タイトルはLITEの曲より。もの凄い良い曲です。


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