***On A Gloomy Evening***
美しい顔
縛られた僕の両手
でもなんだか飽きてきたね

月はそっぽを向いている

On A Gloomy Evening



窓に凭れて外を覗く

雲に隠れて見えない月
車のヘッドライト

・・・らしくない、ホームシックなんて


惨めな今の自分


「こげな姿、が見たら何て言うかな」

「千里の所為で明日は大雨だよ」

そうそう、天気に見立てたりして―


バランスを崩しかけて目線を部屋に戻した


そこにはある筈のない姿

「いつの間に?」
「鍵、開いてたよ!物騒過ぎ!!」
「用事?」
「うん。ノート忘れちゃって」

テーブルの上には目当ての物
「はい、これでよかね?」
「ありがと!折角教えて貰ったのに忘れちゃ意味無いよね」
「そうばいね」
「それじゃあ、ごめん急に―」

用件を済ませたは玄関に向かった

その足を止めたのは数歩進んだすぐ後で―

「…考えごとでもしてたの?」
「まぁ、ちょっと。大した事じゃなか」
「そっか」

後ろ向きでの会話


「何か入って来る時元気無かったからさ!
そのー、ちょっと心配だったんだけど」
「大丈夫たい、心配せんで・・・」

数メートル先に居た姿が目の前にあったことに
俯いてた自分は全然気付かんかった

「いつもの笑顔は?今の千里は表面だけでしか笑ってない」
「そげなこと…」
「ありまくりです!結構鋭いんだから!!」
待てよ。実は別れ話を考えてましたなんて言われたら泣くぞ?

顔を覗き込む

あまりに出来の悪い彼女にもしや不服?


「うっ」

雲が流れた
どうやら雲も月も興味を示しているらしい


「梶本君みたいになってない?今」
あのエビ反りサーブ、忘れられないなぁ。
「随分マニアックに攻めて来たばいね、梶本って…」
「そう言えば梶本君と白石って似てない?」
「あぁ、言われてみれば…って、他に言うことなかね琥珀」
「…?無い。」

この体勢について女子だったら抵抗したりとか
急に何みたいなこと言わんの?

「ホームシック?別れ話?」
首に手を掛けて俺に問いかける
「後者かな」
「―じゃあ最後位もっと思い切り抱き締めてよ」

あれ、嘘だって分かった?



強く抱き締めて気付いた
は嘘に気付いてないってことに

泣かんで。本当は前者ばってん悪戯心が…」
「それは優しさで言ってるんでしょ?」
泣きたくて泣いてるわけじゃないのに…
絶対泣いてる相手に対しての同情心だよそれ


on a gloomy evening

静かに流れるその曲が終わった時の話


部屋の中には泣き声が空しく響く

信用を取り戻すのに時間かかるなんてこと、知ってるのに



「っ…」





これは別れの挨拶?
それとも泣く声を止めたいから?

「ま、待って息が続かない」

首に掛けていた手を下ろして
口元を覆った

、嫌いになった?」
「嫌いになんてなれないって!」
むしろ逆なんじゃ…

重心預けたままだ
重くないのかな?良く支えられるなぁ


「じゃあ今日はここに居って」
「…何で?」



寂しくて堪えられそうに無いから



「―何て男が言ったらカッコ悪かね、スマン」


「本気?」
「それはの思うままに考えてくれれば。」

泣くことをすっかり忘れていた


「ホームシックってそんな辛い?」
実家育ちの私にはまだ未知の世界だ
「さっきまで楽しかったからかな、
一人になって外ば見てたら何だか空しくなっとって。
大きな穴が開いたみたいな、そげな感じ。」


人間、誰しも完璧じゃない。
今の千里を見て人間らしさを感じた。


普段完璧に見える人でも
どこか足りなくなる時があるんだなって


…前者だったんだ。



「半分位は埋められるかな、その穴」
全部はきっと無理だろうから


そう言うとさっきよりは少し元気のある顔で微笑んでいた



「一つ聞いてもよかね」
「答えられることだったら答えるよ」






もう息は続きそう?


―何とも意地悪な質問だ



「続かなくても続かせるよ」





雲が月をまた隠した




END


コメ。

ホームシックネタ。
千歳はかからなさそうですが書いてみました(短い…
私も実家育ちなので正直千歳の気持ちは分かりません(土下座
でも寂しいからここにいて?なんて
普段見せない顔見せられたら嫌とは言えない!(知りません
ちなみに梶本君はアニメオリジナルで出てきた城成湘南の超美形部長(笑
反り=カジモーと言うイメージがあった為入れてしまいました。

ちなみにタイトル前の三行はエルレの対訳の一部、
タイトルはLITEの曲より。



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