時間に甘えて 痛い目を見るのは自分だ 遅咲きブロッサム 今私は人生で最大の緊張感に襲われている気がする 「電話するだけなのに何緊張してるんだ!!」 もうかれこれ約１５分、携帯を開いたり閉じたりしている そんな自分の優柔不断さにほとほと呆れる 「よし、次開けたら絶対かける」 …その間更に３分。 かけてもし留守番電話サービスに繋がったらなんてことは 電話かけることでいっぱいいっぱいな私には考えもつかない。 それに気付いたのは呼び出し音が鳴っている時だ 「出なかったらもう諦めよう・・・諦めてふて寝する」 何て頭の中の僅かな隙間で計画立てて もはやシナリオなんて物は忘れている 「はい？」 「わ、出た！？」 「…何やねん開口一番に。出るやろ普通」 「あの、あのさぁ…さ、桜見に行かない？」 「が桜？お前桜より食べ物ちゃうの？」 ―それにしてもどもり過ぎやろ。 「うるさい！とにかく問題無いなら明日迎えに行くよ！」 「めんど…たまの休み位ゆっくりさせてや」 「問答無用！じゃあね〜」 ブツッ 「感じ悪…何やねん」 あーもう緊張した…緊張疲れした。 いつもと思ってる事が違うとダメだなぁ、自分。 とにかく明日は絶対白黒付けるんだから― xxx ジリリリリリリリ 「全然寝れなかった…」 寝不足の体に陽射しは逆に辛い 「…桜日和だなぁ」 私にも桜が咲きますように… 「何て、こればっかりは言ってみないと分からないか」 天気は見れば分かる 桜だってそう でも 「人の心ばっかりは開けてみないと…」 xxx 丁度見頃の桜並木の下、 桜色に負けない髪色した人が約一名。 「で、俺誘ったの他に理由あるんやろ？」 「ありまくるよ」 「ありまく…何や緊張するわ」 「大丈夫、私それ以上緊張してるから」 小学校からの縁って言うものは意外に強くて 今の今までこんな感じでただ何となく生きてきたけど 今日こそはこの関係って何関係って言うのをはっきりさせて あわよくば”私を蔵ノ介の女にして下さい、エヘ”って 冗談混じりに本音をぶつけたい 桜をネタにしてそれがバレないように考えたりもした。 今日の私は完璧な仕事をしているぞ、よし！ 『あのさぁ』 …か、被った！？ 「な、何」 「えぇよ、大したことじゃあれへんし。からで」 「いやいや、私の方こそ大したことじゃ無いからどうぞ！」 ―折角落ち着いたのに…！ 「いや、間違ってたら別に流してえぇんやけど、 俺の女になりたいとかそう言う告白関連は無しやで？」 「え。えぇーっ！？」 わ、私の計画が…！！実行前に強制終了!? あはは…桜散る散る城み●る…って、古い。私年齢サバよんでる 「そ、そんなわきゃー無い！」 「せやったらその冷や汗はどう捉えればえぇねん」 「嫌だなぁもう冷や汗じゃなくてほら、両サイドの桜による圧迫！」 ―何、桜による圧迫て 「、桜の木揺らすの止めーや！落ち着きぃ」 「くーっ、良いんだもん！！散ったんだよ私の桜は！」 「ちゃうねん、もう最後まで言うけど」 ―何が違うって言うんだよ 「勘違いしとって、俺が。」 「何を。フン、もう何言われても私の心は折れないよ」 ―って言うか既に玉砕してるし。ボキボキだよ。 「…せやから」 と、両肩に置かれる手。 「今更俺を見ろ的なことやられたって何とも」 俺、勝手にのこと自分の女やと思い込んどって。 「…は」 ―花びら入って耳おかしくなったかな 「今告白されるってことは 今まで俺の一方的な片想いってことになるやろ？ それ、ごっつう惨めな男やと思わへん？妄想やで、妄想」 「違う、私も常に蔵ノ介の一番で居たくて でも何か小学校の頃から仲良かったって感じでこのまま来て 結局どんな関係かってはっきりさせたことが無かったから… だって、どう思ってるかなんて知らなかったしそれに―」 …だ、誰か桜揺らして私達を隠して下さい 「何だ！？感極まっての抱擁！？許可して無いよ!?」 「お互いめっちゃ不器用やん、ホンマ、笑えてくるわ」 『あー！ラブラブだぁ〜！』 『ダメでしょ、しーっ！！』 ・・・ほら、親子に思いっきり見られてるし むしろ気遣わせてるから！ 「ははっ、一本取られたな」 「呑気に笑ってる場合じゃないでしょ！あぁもう暑い！！」 「あぁ、すまんかった！片想い発覚後の両想いで嬉しなってつい」 ―ついって… 「確認したいだけやったら大したこと無いやん」 「いや、その確認が物凄い恐かったんだって！」 ―そもそも私だって蔵ノ介がどう思ってるか聞いたこと無かったわけだし 「って言うより、どっちが桜か分からへんよ」 「い、良いよ取らなくても…自分でやるし」 ―先程取り乱した所為ですっかり桜と一体化しかけてる自分 「これは今まではっきり言わへんかった分」 「…今までの重み軽っ！」 …数年間が花びら取るだけですか 「せか？んー…」 グイッ 「ちょっと、どこ行くの？」 「桜はもう見飽きたやろー？今度は団子や団子！」 「団子って…」 ―確実に食いしん坊だと思われてるよね私 「何食いたい？お好み焼き？」 「そうだなぁー…って、選択権無いじゃん！！」 落ちて絨毯になった花が駆け足と共に舞った ＥＮＤ コメ。 …短いな（汗） 珍しくシーズンネタです。(若干波に乗れてない お好み焼き食べに行きたいな…（そこかよ >>>モドル<<<

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