***物言いゲーム***
転入して来てまず驚いたことがある

後輩の二面性に…


物言いゲーム


「白石、あの二人止めなくてよかね」
「構へん構へん、いつものことやから」

自分の目には
クラス一つ分を貸し切っての大喧嘩にしか見えん

こげなことがいつも起こっとーなんて…

まさか国内でカルチャーショックを受けるとは。


「光!今日はもう絶対許さないからね」
「お前位やで俺に喧嘩売るん!どうして欲しいねん!」
「どうしてもこうしても無いし!最後に送ったメール、ここで読め!!」
「チッ…何やねん。読むから手離せや」





「今度発売する…」
「一番最後」

最後…
「あ、ブス?」
「読むな!バカ、いくら何でもそれは直球過ぎるだろ!」

読め言うたのやん


「まーまー、二人共恋人同士やったらもっと仲良…」
「忍足先輩ちょっと席外して下さい!これは私達の問題です」


「…後輩に怒られた」
「今のはタイミング悪いやろ、どう考えても」
「ところで俺達が見とって良かなん、このやり取り」
「えぇねん、めっちゃおもろいから!俺二年で一番好きやわ〜あの子」


「え!渡…」
「固いなぁ千歳〜!オサムちゃんでえぇって〜!!」

こ、ここでやって行けるかな…


「アカンてオサムちゃん、ちゃん財前のモンやし」
「分からへんやろ〜!卒業したらとかな!」
「冗談きっついわー!ほら、謙也も元気出しやー」
「無理や…真顔で言われたんやで!?」


ガタガタ

背を向けて誰かの席に座る


「何かもっと言い方無いかなぁ?こう、顔が崩れてるとか」

「せやなぁ…」
いや、それはそれで傷つかないか?

「あと他の物に例えて言うとか…お前ツチノコやんみたいな」

ってことは傷の深さ的にはツチノコ<ブスってことやろ?
「ツチノコ見たことあらへんくせに」
「た、例え!別に私をツチノコに例えなくて良いよ」


「あははは!、ツチノコは無いわ〜!!」
「ちょっ…何、見せ物じゃないんですって!!」
「何?気付いてなかったんか、鈍っ」
「えー!?気付いてたんなら早くどうにかしといてよ!!」
「せやかて、見られても別にえぇような話してたやんか」
「それはそうだけど」
私がバカだって思われるじゃん、この状況だと



けど。



「先輩方、オサムちゃん。ここからは席外してもろてえぇですか」


「何やー夫婦漫才もう終わりかいなぁ?しゃぁ無いなー。」
オサムちゃん、私夫婦漫才してたなんて微塵も思って無いんですけど
「ほな部活でなぁちゃん、財前のこと宜しく頼むで!」
「は、はぁ。」
って、見る人いなくなったらいなくなったで心細いです
「殴ったりしたらいかんよ!」
「分かってます〜。」

千歳先輩…カッコ良いなぁー。良くぞ四天に!って感じだ。
「見惚れてる時間無いで、そろそろ部活始まるからな」
「あぁっ、まずい…!!ほら、私言いたい事言ったけど!?」



机の前に回って正面に来られると逃げ腰になる。



「普通ブスにブスって言えへんやろ。」
暗黙の礼儀やんそこらへんは。
「…」
は単純過ぎや、言動も行動も。
俺が何思ってるか位分からんとお前ん事嫌いになってまう」

教室を貸し切っての話し合いは続く

「それともそこまでの女やったんか?…やとしたら、俺相当見る目無いな。」
「…」
「言い返さへんなら部活行くで」



「光」

黙って聞いてた相手が口を開いた


「喋る時喋るんだね」
「…喋らないかん時は喋るやろ」
「良いこと教えてあげるよ、」
「余裕装ったかてもう遅―」







今の話が全部本音だったら見る目あるよ。








、お前まさか…」
「ポーカーフェイス、破れたり?」

嘘やろ、コイツにハメられた?



「光って普段はポーカーフェイスじゃない?
だから単純に日本語使ってるのか表現として使ってるのか
いまいち判断出来なくてねー。単純を装ってみたんだけど」

「…お前、魔性の女やな」
「そんな人聞きの悪い!頭が良いって言ってよ。知的美人〜」
「美人余計やろ」
「あーまたー。否定するんだから」
知的はOKなの?







「…な、何笑ってんのさ。企み笑いにしか見えないんだけど」
「いや企んでへんよ。ちょっとおもろい事考えついて。」
「光が?それ面白い中でも悪巧みのジャンルじゃないの?」
「さっき、自分頭えぇって言うてたよな?」

「言ったよ。自己申告で。」

言ったから何だって言うんだ?
とりあえず腕掴んでるこの両手、離してくれないかなぁ








「俺にも分けてや」

「は…?」


はぁーーー!?



ふざけんな財前!大体お前私より普通に頭良いだろ!!
そもそもそんな童話みたいな事この現代社会であるわけが…


「なるほど、そう言えば自然とキスに持ち込めるわけだ」






『せ、先生いつからそこに!?』





「財前君、私と言うものがありながら女持ちやったなんて…」
「光…まさか浮気?」
「誤解や、大体先公と付き合ったら犯罪やし。言わせとき。」

中2にしてこの冷静さ、私は絶対真似出来ない。

「先生覗き見じゃないですか」
「あらー、覗き見れるようなところで青春してはったのは誰でしょう?」

「…すいません!!この事は内密に…!!」
「勿論!授業中以外は基本的に何するかは個人の自由やからね。
それより、そろそろ部活始まるんやないの?」
「…せやった。走るで
「待って待って!あ、いだだだ足引っ掛けた」
「ったく、何やっとんねん…」



「嘘」



う…



だって先生先に行っちゃうし
また教室貸し切りになっちゃうし

そもそも”やられっ放し”なんて言葉は私の辞書には無い







「やられたらやり返すよー?」
言葉は無理だけど(間違っても光にブサイクとは言えない)

「…ドアホ」
「え?聞こえなーい」

言った後でハッとした。
今の一言は明らか宣戦布告だ







部室に向かう途中光が呟いた






「部活中後頭部気ぃ付けた方がえぇで」

「故意にボール当てるの無しだよ!?比嘉中流禁止だからね四天は!」
「あ、部長。お疲れ様です」
「おぉ、何や財前珍しく。」
「いやぁ、俺コントロール高めたいんで最初自主練してもえぇですかね」
「光!!部長止めて下さい、死人が出ます」
死人は確実に私だ。

「銀やあらへんし、死人なんて出ぇへんよなぁ?」
「何言うてるんですかね、は」

二人のやり取りを見て何となく察知した

「共犯じゃねぇか!!」









獲物が逃げた












「さては一本食わされたな?ちゃんに。」
「…敵いませんわぁ、白石さんには。」





END


コメ。
どうして欲しいねんって言う問いに対して
『めちゃめちゃにして!』何てテンションで言ったら方向性が(多分)変わる為
止めました(※それは止めて正解です
千歳はいつ転入(編入になるのか?)したのか気になります。
ご察しの方もいると思いますが今回は四天のマネ設定で。(2年)
ヒロインが標準語な理由は標準語の方がイジり易いかなと言う勝手な偏見です(え



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