綺麗な笑顔である君は 弱いところをそれで隠すんだ 数歩先の空模様 「休んでる？」 その日の昼休み、クラスに行って 思いがけない一言を聞かされる 「あれ、知らんかったの？」 「知らない…フられたかな私」 そして何で自分に教えてくれなかったのか 気になって仕方がない 「心配かけたくないんやろ、 そう言う性格やからなぁアイツ。」 「もう、私行って来る！教えてくれて有難う」 …たまには頼りにしてくれても良いのに！ 半分キレながら家まで向かう 今日は曇り空、何か中途半端な気分。 xxx ピーンポーン … ピーンポーン …… 「寝てるのかな」 ガチャッ ―うわ、開いちゃってる！？ まぁいっか。不幸中の幸いってことで入ろ〜 カギは開けたままのくせに 閉まりきったカーテン、窓 「空気入れ換えないと」 カーテンは閉めたまま窓を開ける 流石曇り、風もジメっとしてて気持ちが悪い 「開けないよりはましだよね、空気篭ってたし」 起こさないよう静かに寝室に入るものの カーテンの暗さでなかなか目が慣れない 「あ、寝てる」 辛うじて確認出来た人物は思いっきり熟睡中。 …珍しい ―寝てる事だしお粥でも作りますか。 そんな一人会話と共に冷却シートを貼って寝室を後にした それにしても本当起きないな、 息してたから大丈夫だとは思うけど… 鍋と睨めっこしながらブツブツと呟く xxx 「…冷たっ」 額に手を添えるとやった覚えのない冷却シート。 半開きになっとー窓 親切な泥棒にでも入られとっとや？ …熱の所為で頭の回転もこげな落ちるとは 立とうにも足元が歪んで前に進めん始末。 「どげんしよう」 座って下を向いたまま考える ばってん、グッドアイディアは微塵も思いつかん 「あ！ダメだって動いたら!!ほら、寝て寝て！」 ビクッ 「…相当熱高いんかな、幻覚症状が―」 「幻覚じゃないから！もう、良いからまず寝て」 強引に寝かせる 流石の千里もどうやら病んでる時は私より力が無いらしい 「…一体」 「休んでるのに何で言ってくれないの？！ そうやっていっつも心配ごと全部隠すんだから」 「いや、風邪位寝てればすぐに」 「な・お・り・ま・せ・ん・！はい！これ食べれるよね」 「…食欲無かね」 「そっかぁ、じゃあ仕方ない…何て言うわけないでしょ！」 そう言って無理矢理食べさせる 今日の私は珍しく立場的に勝ってるぞ！！ 「どう、味は？」 「…美味しいですさん」 「宜しい♪」 それにしても…熱出てると何か色っぽいなぁ って、親父か！ 「なぁ」 「へ！あ、え何？」 「はは、何考えとーね」 「べ、別に何も!!それより何？」 「スマンな、逆に心配かけとったみたいで」 「本当だよ！これからは真っ先に私に言ってくれないと 私も何かあっても千里に隠すからね!!」 「そげなこと言わんで、気ぃ付けったい」 寂しそうな顔をしながら呟く 「そんな顔で言われたらドキドキしちゃうよ」 「ドキドキさせとるばいね、して貰わんと」 「計画的犯行！？」 ―どうやらまだまだ一枚上手にはなれないらしい 「そこまで物騒な話じゃなかね、ご馳走様」 力を失ったかのように枕に蹲ってしまった 「看病って言ったって結局私には何も出来ないんだもんなぁ」 背中を向けてる病人を見つめるくらいしか… 「あまり近付いとったら伝染…？」 「バカだから伝染ったりしないもん」 「…拗ねんの」 「だって、風邪引いてるのに一人で寂しくない？」 「だからって後ろから抱き付かれたら俺どげんしてよかなんか…」 ―お、困ってる？ 「良いよ寝てて」 「こげな状況で寝れる人の気が知れんな」 「ごめん、寝れないのはダメなことだ」 手を離そうとする …ん？ 「おかしいな。て、手が離れない」 視界に広がってたモジャモジャが 透き通った肌色に変わった 「おわっ!?」 目がトローンとして酔ってるみたいだなぁ 色っぽく見えるのってその所為かな？ …って、また親父発言だし 「えっと。千…」 「だけ見えとーなんてズルいたい。 どうせ抱き締めてくれとるんなら顔見せて」 「どっ」 ―どどどどうした！？ 「珍しい？」 フフッと笑いながら一発で見透かされてしまった 「う、うん。ビックリしてる」 「伝染したら責任持って看病するばいね、だから暫くこのままで」 「分かった」 重くないとか邪魔じゃないかとか思ったけど 最終的に寝てたからまぁ良しとしよう あともう少しで熱は冷めそうだ…二人共。 ＥＮＤ コメ。 ちょっとほのぼのとした感じでベタな風邪ネタ。 看病したいされたいと言う感じで(※聞いてません >>>モドル<<<

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