|
その日 隣の席のあの子は 自慢の髪を切ってきた 切れ端ノート 誰が見ても分かるイメチェン 自分が気に入って伸ばしてるって言うとったくせに 「おはよ、」 「･･･」 しかも朝からいきなりシカトされる始末 机もこれでもかって位放しとるし･･･ 俺何かやったか？ カサッ 「･･･。」 ―この席になってから授業中は ノートの端に筆談することが多くなった 筆談って言っても･･･ 他愛の無い会話 (朝練疲れたとか、もうちょい女らしゅうしろとか)が殆どだけど この日は違ったらしい ”髪切った原因は俺か？” 机の上から落ちそうになったノートが渡って来た 無表情で書き足して乱雑に返す ”別に、夏だしイメチェン” ”ずっと伸ばしとったのに勿体無いな” ”髪長い人が好きって言ってた人にフられたから” ･･･何や、知らんうちに恋とかしとったんかいな ”そう言うことは相談してくれへんねや” ―切ないな ”昨日メールくれたでしょ” ･･･メール？ 先生にバレんよう机の影で携帯をイジる 送信履歴･･･あ。 『実はな、気になってる子がおんねんけど。 あ、他のクラスやから安心してや！ まぁ、どう言えばえぇかなぁと思ってな。』 ―うわ、マズいなこれ ”スマン、送信相手間違えたわ” ”そんな嘘、何の為に吐いてるわけ？” 「忍足、87ページ5行目」 「は、はい。」 ―当てるタイミング悪いわ！ 今更送信相手間違えたって言われても あんなに長かった髪は暫く戻るはずも無い この席になって筆談してるうちに 段々面白いなぁって思って 髪が長い子が可愛いって言ってたから伸ばしてたのに 好きな子がいるならいるって先に言ってくれないと こっちだって勘違いしちゃうよ。 ･･･無駄な時間過ごしちゃったじゃん、私 読み終わった後に付記されていた一言は かなり刺さった ”謙也なんて大嫌い” ―どういう意味や？ いつもみたいにノートの端にシャープの先を置いても 何て書けばえぇのか言葉が全く出て来ない 昨日までやったらあないに色々出て来とったのに せやけど 後悔だけはせぇへんように 気持ちだけでも伝えるべきやろか？ ･･･今伝えんかったらますます言い難くなるやろし ”送信間違えたかて、には関係あらへんやろ” ―もう!!空気読んでよー！ ”鈍感！髪長い子好きって言ったから切らなかったのに！” 鈍感･･･て。 それよりこの一文はポジティブに考えてもえぇんやろか？ 何一つ頭に入らないまま終業ベルが鳴る ガタッ 「待てや！」 席を離れようとするを引き止める 「何？」 冷たい目で一瞥する 「場所変えよや、話さなあかんことあんねん」 「私はこれ以上何も･･･」 「は何も言わんでえぇから」 ･･･折角忘れようとしてるのに そんな構わないでよ 掴まれていない腕で涙を振り払う バタン！ 快晴の空にドアの閉まる音が響き渡る 「腕」 「あぁ、スマン。、聞いて欲しいねんけど」 「･･･」 「まず昨日のメールやけど、 あれホンマは白石に送ろうと思っててん。 他のクラスっちゅーのは、白石から見た他のクラスって意味で 俺から見ればそいつは同じクラスって事でな」 ―･･･同じクラス？ 「何でそんな必死になってるの？」 「お前の方こそ鈍感やん･･･空気読もうやー。 好きや無かったらこないに必死にならんわ」 「え？」 惚けた顔をしながら見上げる 「誰好きになろうと人の勝手やろ」 「ちょ、ちょっと待ってよ！」 相手の両腕を掴みながら必死に整理する 「私、謙也にフられたと思って髪ばっさり切ったんだよ?! このまま長かったら思い出すし、それだったら切って―」 「―もう言わんでえぇ」 「！」 そっと抱き寄せられる 「何!?ダメだってそんな屋上で！ 誰かに見られたらどうするの！？」 「授業始まっとるから大丈夫やて、にしてもバッサリ切りよったな」 髪の長さを手に掬って確かめる 「髪は戻らないんだからね」 「アホか、髪の長さで全部決められたら苦労せぇへんわ」 「でも何だかんだ言って髪長い方が好きなんでしょ？」 「せやなぁ･･･」 腕の中に居たを自分の見える位置に離して 無言で暫し顔を見つめる 「”あーぁ、あのメールさえ無ければなぁ”って 後悔してるんでしょ」 「いや、案外短い方が好みかも」 クスっと笑いながら自分の元に引き寄せた 「調子良過ぎでしょ」 「好きになった奴が好みって言うやろ？」 「本当にそう思ってるんだか。」 「えぇように思ってくれて構へんし」 離れていた机が元に戻った END 何となく謙也で書きたくなった勘違いネタ。 と言うより初謙也夢。どうだろう（どうだろうて） 白石と書き分けられてるかな！？（いや、聞かれても） (ちょっと強く言えない所とか･･･！/自己フォロー） （感情的になり易い素直な所とか･･･!!/自己フォローその２） |
| SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||
