***寄り道センター***
部活の無い日は時々皆でタムロる場所がある。
そんなある日の何気ない出来事―



寄り道センター




「白石ぃ!!見てやぁあれ!!」

「金ちゃん痛いわ、そないに引っ張らんと…」


ワクワクした表情で無理やり連れて行った先にあったのは…虎のぬいぐるみ

「いや、リアルやろ」
全長50cmはありそうな虎…

やっぱヒョウ柄着てるってことは虎も好きって言う話なのかな

黙ってやり取りを見るアウェイ気味の私


「めっちゃ欲しいわ〜!なぁなぁ、取って取って〜!!」

「よう見てみぃって。こないなモンどないするんや?」
「飾るー!!」


「あれ、白石は?」

遅れて来たメンバーが合流する


黙って指をさす


「うわ〜、あかんて
「え、何が?」

謙也がどうして私に注意をするのか分からなかった


―その時は。






ポスッ






「わぁ〜!!白石おーきにぃ!!」


「嘘、今何があったの!?」
白石とゲーセン来たこと無いん?」
「う…うん」

頭を抱えながら話を続ける


「アイツ、めっちゃ上手いねん。クレーンゲーム」

「へぇ、そう…マジで?!」
完璧主義はここまで通じるの?!

ビビっているうちに二人が戻って来る


見てやぁ!白石に取ってもろた〜!!」
そんなこと気にせず虎を見せびらかす

「良かったね〜!…いやいや、まぐれでしょ?皆で驚かそうとしたって」
「あーぁ、さん挑発しよった」
「挑発じゃなくて素直な…」

「えぇよ、好きなん取ったるわ」

余裕綽々の一言が返って来る


「うーん」
どうせだから難しいの言っちゃお〜


「じゃあねぇ…」

コレと言いながら大きなぬいぐるみを指す

「…これ?」
「あれ、やっぱ難し過ぎた?」
「そこまで言うなら取れたらどないしてくれんねやろ」

「良いよ、好きなことして」
「後悔すんで」


一発で取れるわけ無いじゃん。
大体取れたら店だって経営が…



なんて店の心配してる場合じゃなかった


「どうぞ」


戦利品の首を持ちながらニコリと笑う

「…真面目に?」


「ほな、約束よろしゅうな」
「ちょっ…」



何が宜しく?



xxx




「ハッ、皆はどこ?!」

暫くゲーセン内をうろちょろする


何だ?あの人だかり

「すげぇ〜」

「カッコえぇ〜!!」


どうやらギターを弾くゲームらしい

あれ




「千歳、まさかこの人だかりの源は…」

「はは、もよう知っとる後輩たい」

Yシャツを捲って弾きまくる―


どうやら他人の空似では無かったらしい


「光!」
「…やっぱギターは本物弾いてた方がえぇですね。弾いた気ぃせぇへん」

「凄…どうなってんの指」

長い綺麗な指を摘んで凝視する

「痛いっすわさん」

「ゴメンゴメン」
、ちょっと」
「白石…その両手の袋に入ってる大量のぬいぐるみって…」
歩きながら恐る恐る質問をする

「…いらんのについつい取ってしもた。飾る?」
「良いの!?やったー!!」


「で…何の用?」
「さっき何でもやる言うたやろ。せやから」

立ち止まった先には


「プリ?」
意外だ


「ただ撮るだけや無いけどな」



ん?


操作をしながら不審な一言に反応する

しかし

普通に撮っているだけだ。

まぁ…白石のプリ欲しかったし結果オーライ?


「ねぇ、ラストだけど変顔でもするの?」



は黙っとき」



「えっ」






チュ







「嘘ー!?」



「ははっ、普通に撮るんやったら皆呼ぶわ〜。甘いなぁ」

「もう!」
そうだ、落書きする写真選べるから…

「削除して…」
「あ、オサムちゃんの彼女」

「マジで!?どこどこ!」

ひょこっと顔を出して外を見渡す


「ムサいおじさんしかいないんだけど」
「…」
「白石、聞いて」


振り返っても姿が無い

「いつまでこもっとんねん」




しまった…!!






「最後また選べるからその時に…」

ブツブツと独り言を言いながら落書きをしていく

「よし、なかなか!」
「あ、コンタクト落ちた。見えへん」

片目を押さえている

「動かないでよ?えーと…」





待て






待て私






「っていうか白石裸眼じゃん!!」


「騙し易いとあの手この手考えんでえぇから楽やな」
「ムカつく!」


顔を上げると画面は既に印刷モード。


「約束果たしたなぁ。これ部室にでも飾って」

「おきません!」


「あー!!白石ズルいわぁ!と…」

出て来た瞬間さっと取り上げる

「あれ、見せてぇや」
謙也が催促する

「ダメ!絶対誰にも見せない!!」

にしてもプリクラ慣れしてるなぁ、白石


まさか他の女子ともあの手を使ってバシバシ撮ってるんじゃ…

私はそんな軽い女じゃ無いんですけど

「…何フグみたいな顔しとんねん」
「白石の女性関係について考えてただけ〜!」

女…?


「皆で撮ろ〜やぁ!!あたし蔵リンの隣り♪」

ノリノリで仕切る小春を
平常心で黙ってハコに寄りかかりながら見ていた千歳に訪ねてみる
「…白石って良くプリ撮ろうって誘われるよね」
「確かに良く聞くばいね、ばってん…」

「ん?」

「女子と撮るのは自分から誘った時だけだって言っとったけど」

えっ


「ほら、女子って見せ合うから下手に撮るとリスクの方が高くて」
「なるほど…」
って、私も見せる時は見せるけど(しかしこれは見せられない)

「それでもと撮りたかったみたい」

「ち…」

「千歳!も〜!!何ボケッとしとんねん、入れやぁ!!」
「嫌や!女子嫌やぁ!」

「ほい却下!!」






xxx

は、ハードな撮影だった…

二、三歳は老け込んだ気がする

「おーばはん」
携帯を横腹に押し付けながら茶化す
「うぅ、そんな目で人を突つくな光」

「やーい老け顔」
「うわーん白石ぃ〜」
「何や金ちゃんみたいな呼び方しよって」



嘘泣きの顔を上げて質問してみる


「今度から蔵ノ介って呼んでも良い?」
「どないしてん」
ちゅーかかなり今更発言やん

「べっつにー。呼びたくなっただけ」

笑いながら答える


「人好き好きやからな。好きに呼べばえぇやん」

「蔵ノ介〜♪」
「執拗に呼んだら規制すんで」
「すいません…調子に乗りました」


「あー!!くっつき過ぎ!離れぇやぁ!!」
「いたたたっ、やだ〜!個人の自由!!」

「意味分からんわ…」

「何やねん、急に白石になつきよって」
「こんままやと白石に取られかねないな」
「何!?うかうかしてられへんわ!
コラ白石渡さへんで!!」

「は、何を?」


どたばたな日常はまだまだ続きそうだ…

「痛い〜!!髪引っ張んないでよ!」
「離れや〜!」

「女の修羅場には立ち寄れ無かね…」


いやいや、小春は女じゃないよ!!





END



コメ。

どたばた宝寺ネタ第二弾(えっ もっと色々書きたかった(えっ/再
speedymasterのヒロインです。多分、いや確実に(回りくどい
一緒にゲーセン行きたい・・・!!四天の皆はわいわい撮ってそうなイメージ。
今の学生まだプリとか言うんでしょうか。(ジェネレーションギャップやー
白石も好きな人にしか名前で呼ばせなさそうだなぁ(むしろ呼べない

あと1話で100話…!!おぉ、凄いなぁ。



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