11.純情



休日の駅前は、待ち合わせをする人で溢れかえっている。
壁に凭れてる彼―丸井ブン太もその一人。

今日は彼女との久しぶりのデート。
待ち合わせ時間よりも一時間も早い。

何故そんなに早く、彼は待ち合わせ場所に居るのか?
その理由はとても単純だ。



(俺を見つけて、慌てて走ってくる彼女が可愛いんだよな〜vv)





そんなこんなで、待ち合わせ時間20分前。
改札口から出てきて、辺りをキョロキョロ見る女の子。
その瞳にブン太を見つけると、彼女は慌てて走ってくる。


「ごめんね丸井君。待った?」

息を整えてブン太を見上げる彼女。
ブン太は左右に首を振って

「全然待ってない。気にすんなって」

視線が絡むと、互いにニコッと微笑ってみる。

「それじゃ、行こっか」

「うん」



なんとも可愛らしいカップルである。











彼女が観たい映画があると言った事から、
今日のデートは映画館、と決まっていた。

ブン太は、今日という日が来るのを指折り数えて待っていた。
そして、ある事を連想する。

(映画館=暗がり=彼女の手が握れる)




どうやら二人は、まだ手を繋いだことがないらしい。
とても初々しくて、可愛らしいカップルである。








チケットを買って、見やすい席をえらんで腰を下ろす。
少し手を伸ばせば、容易に触れられる距離に彼女は居るのに、
いつもブン太は、その間にある見えない線を越えられない。


(今日こそは絶対!何がなんでも!!)

気合を入れる。
上映を告げるブザーが鳴り、辺りは闇に包まれていく。









そして2時間後。




「すっっごく感動した!丸井君はどうだった?」

ハンカチで目元を押さえながら彼女は鼻声で尋ねた。
しかしブン太は、心ここに在らずといった感じで
どこか遠くを見つめていた。

結局泣きじゃくる彼女を横に、手なんか握れるはずはなかった。



「丸井君?ねぇ丸井君ってば」

「……ん?えーっと何??」

「ボーっとして大丈夫?具合でも悪いの?」

心配そうにブン太を見る彼女。
目元にはまだ薄っすらと涙が残っている。

「平気だよ、だからそんな顔しないで。ね?」

「本当に?」

「ホントのホント!!」

「なら良いけど。でも無理はしないでね?」

とびきりの笑顔を向けられて、ブン太は意識が遠のきそうになる。

「///えっと、他に行きたい所とか、したいこととかある?
 俺、何でも付き合っちゃうぞ〜〜」




「行きたい所は……無いなぁ。したいことは……」

「ん?なにかあるの、したいこと?」

「丸井君と―――たい」

「ごめん。なに?よく聞こえなかった」

「丸井君と、手を繋ぎたい」

「うん、俺も繋ぎたかったんだ」




僕の願いは、君の願いだったんだね







>>>姉様より<<<
看病と一気に書き上げました。
なんでこれも、彼女の名前を呼ばないねぇ(滝汗
で、まだまだ初々しい感じの二人。を目指しましたが如何でしょうか??
しかしカップルって表現は古いのかな?




>>>感想<<<
めちゃめちゃ可愛い〜!!(再)
なんか初々しいね。これこそ中学生だよ。(そう言えば中学生
いいじゃない〜フューチャリングですよ!!!心が通じ・・・(妄想
これもアップ遅れちゃった。すみません(号泣;;




>>>モドル<<<
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