15.少年



いつか大人になるのなら
その『いつか』が早く来てほしいと願う
だって、早く大人になれたら
今よりも、もっと君を守れるから







昼下がりの屋上。
フェンスに凭れながら思いに耽る少年が一人。


「俺、早く大人になりたいなー」

空を見ながら少年―丸井ブン太は呟いた。
すると、隣に居た少女が問うてみる。

「どうして、そんなに大人になりたがるの?」

「だって大人になれば色々便利だろ。
 それにオマエのことも―――」

俯いて、最後の方は聞き取れないほどの小さな声。

「歯切れが悪いな!!もっとテンポ良く喋る!」

「ああああ〜〜。」

ブン太は、頭を掻き毟って、声を荒げた。
フェンスに凭れてた身を、外に少し投げ出して、
青空へと両手を伸ばす。

「――大人になったら、オマエを守ってやれるのに……」

「今だって充分守ってもらってますよ。丸井ブン太君!!」

「今よりも、もっともっと!!てことだよ」

「ほぉ〜〜。いつからそんなに向上心旺盛になったのかしらね??」

「……と、とにかく、俺は早く大人になりたい」

「ふぅ〜ん」

「なんだよ、それ!?いいだろ別に」

「悪いなんて言ってないわよ」

「だったら、そんな顔で俺をみるな」

「そんな顔ってどんな顔よ?」

「だから、なんだ、その、不満そうな顔だよ!!」

「あら、私とした事が顔に出てた?」

「思いっきりでてるよ!!なんでそんな顔すんだよ??」

「だって、私は今のブン太が好きだから、
 大人になんかならないでほしいな、と思って、だからこんな顔した」

「………今の、俺が好き?」

「うん。今のブン太が大好き!!だから私は今のままで充分だよ」

「………そっか」

「そうだよ。みんないつかは大人になるんだから
 急いでなろうとしなくても良いじゃない。『今』って時は当たり前だけど
 今しかない。だから先を見ることも大事だけど、今も大事にしないと。
 今を大切に生きて、そしたら大人になっても素敵な自分でいられるよ」

「そっか、そう言われてみるとそうかもな」

「そう。だからこの『今』を私は大事に使いたいな、ブン太と一緒にね」







青空に両手を伸ばす。
春の暖かな風が頬をくすぐって心地良い。
『今』は今しかないなら、コノ瞬間を大事に過ごしたい。
隣にいる彼女は、俺に教えてくれた。
焦らずとも、人は歩いていく。前へと。
それは同じ速度ではないけれど。
辿りつく場所が皆違うのだから、それもそれで良いと思える。
ゆっくりでも構わない。焦らずに進もう。
俺たちの『未来』はきっと輝いているから





>>>姉様より<<<
ブン太の誕生日は終わったけど、それでも書いた『少年』いかがでしょうか?
私は人と比べられるのが嫌いです(みんなそうだろうが)
なんで、いつも自分は自分だからと、思って生きてます。
そういえば、『今を生きる』って映画あったな。面白かった。
そんな、思いを込めて書いてみた…わりには短いね(汗
そして彼女の名前を呼ばない(滝汗(またかよ




>>>感想<<<
ごめんなさーぃ久しく更新してませんでした(滝汗っ
私も人と比べられるのは嫌いです(うん、みんなそうだね、きっと)
上に上に進むのは大好きですけどね(ビバ下剋上☆★☆)
いや、彼女の名前呼ばない方が楽ちんなんだよ〜(笑 タグ人間☆




>>>モドル<<<










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