***VIRTUAL-GIRL-FRIEND-Vol.11-***
最終章が幕を開ける…のだろうか?


VIRTUAL-GIRL-FRIEND-31-



パタン




「ちとっちゃ〜ん腕枕〜!」
ベッドの上でゴロゴロと音楽雑誌を流し読みする千歳にねだる

「一氏に怒られったい」
かて蔵リン居るやんかぁ!悔しいけど!!」
「だからあれは事故で…」
「千歳さん、この曲えぇですよ」

そう言ってヘッドホンを渡す
光が肩を持つのは珍しいことだ
どうやらこのネタはつまらないらしい


xxx

クスクス


「可愛い〜」


「…人嫌いになりそう」
俯きながら口に何かを含んでいるような話し方をする
「え?」
「何でも無い!早く帰ろうよもう…!」
「何言うてん、かわえぇよなぁ?金ちゃん」
意地悪い口調で話を振る蔵ノ介

「うん!めっちゃかわえぇ!!」

思いっ切り笑顔で頷き返答する


「ほら、ケロとか言ってみぃや」

「絶対言いません!!」

ピョコピョコとカエルの形をしたフードを揺らしながら
早歩きでエレベーターへと向かう

おいていかんでやぁ〜!!」
金ちゃんがすぐに追いついた

「ゴメンね金ちゃん」
手を繋ぎながら後ろをチラ見する


見た先にはいつもと変わらない表情の姿があった

「流石に金ちゃんにはヤキモチ妬かないのかな」

「ん?」
「何でも無い!白石ぃみたいな中学生になっちゃダメだよ〜?」
とは言えカエルの格好してる私が
そんな偉そうなこと言える立場ではない


「なれへんよ!毒手になりとうないさかいになぁ」

震えながら話す

…蔵ノ介一体どこまで脅してるんだか

そんなこと考えながらエレベーターに乗っていたわけだが…


「…」


エレベーターに乗ってるのは私と金ちゃん、蔵ノ介と
女子(多分私とそんな歳変わんないんじゃないかな)3人組

この格好で人に会いたくは無かったけど
彼女達の視線は完璧私の対角線上で
腕組みをしている方に行っている


声かけたいねとかざわざわと
明らか聞こえるボリュームで話しているにも関わらず
当の本人は無表情のまま特に興味も示さない


前は隣りに居たから気付かなかったけど
この人完全に無心になれるんだな…

普段はあんな表情豊かな方なのに(…光と比べれば)
今はポーカーフェイスだ


でもそれって
自分を持って無いと出来ないよね、やっぱ

―結局何も話さないまま目的の階に着いた



エレベーターのドアが閉まるや否や
キャーキャーと騒ぐ声がこちらまで聞こえる



ポケットに手を入れながら先導きって部屋に向かう




「蔵ノ介」


足が止まった


「その、か…カエルでゴメン…」
あんなに騒がれてる人の彼女がこんなのだと思うと
何ともいたたまれない


って言うか良いのかすら甚だ疑問になってくる



無言でまた足を動かす

あれぇ怒ったかなぁ?…何故?

「待って!」


走って腕を掴む
その勢いで目が合った

クスッ


「?」


「ははっ、なんちゅー困り顔しとるカエルやねん」
「だって蔵ノ介怒って…」
「無いで、別に。心配する位なら喧嘩売らなきゃえぇやろ」
「…反省ケロ」

そんなしゅんとした姿を見てなのか
フードを取ってこう囁いた



「やっぱのままがかわえぇわ」




言い逃げすると早々に部屋へ向かった


顔赤いでぇ〜?どないしたん〜?」
一緒に取り残された金ちゃんに心配される

「…いや、何でも無いよ!!これ暑くて…」
何て嘘を吐いて部屋に戻る




xxx

「買って来たよ!」
「…あたしイチゴやのうてチョコ頼んだんやけど」
うそ!?

「うっそー♪」
「…しばく!!」

「キャー!助けて謙也クン!」
「うわ、巻き込まんといて!!」

「うっさいでお笑いトリオ」
「蔵リン!!謙也クンとならまだしもとは組みとうない!!」
「私だって嫌だよ!」

「謙也さん一人でまとめきれんとちゃいます?」
「せやな、統率力微妙かもな」
「白石お前人に散々振っといて…!包帯取ったる!!」

「あかんて謙也!!毒手は!!」


「あははは…」


グスッ



「って、何泣いとんねん

「何か皆のやり取り見てたら離れるのが嫌で…」
「やぁい泣き虫!まぁあたしはとはよ離れたいけどなぁー」
「喧嘩相手居なくなって寂しいくせにー」
「謙也クン!」



「皆大好きだよ!」
泣き顔で笑いながら叫ぶ

「…カエルの格好で言われてもなぁ」
「ユー君も思っとった?」

「も〜!!」

「カエルやったらケロやろ、ケ〜ロ。」
完璧上目線で物を言う嫌な部長


「…ケロ」


「大体大袈裟ですわ、もしかして東京と大阪の距離知らんのですか?」
「…有り得」

「無いでしょ!!っていうか自分の彼女をどんだけ下に見てるのさ!!」

「せや、はそれでえぇ」

微笑みながらそう話しかける

「…」
こういう知らない間に慰められるのが涙腺に来るんだよな・・・


「多分、寂しいと思っとーのはだけじゃなかね」
「千歳・・・」

「あーぁ、何やねんこのシンミリモードー。俺一抜け」
「謙也クンこう言うの苦手やさかいになぁ〜」
「あれ、謙也貰い泣いとるんちゃう?」

「な、泣いてへんわ!!これはあれや、あのー汗や汗!」

「謙也、優しいんだね」

ちゃん、改めてそないな事言わんといて!!」
「アタシが慰めたるわーー!」
「拒否!」

バサッ


布団を被って丸くなる

「…謙也冬眠したばい」
「アイツ涙もろいからなぁ。」
「そうなの?」
「確かフランダースの」
「それ以上言うな!!キャラ壊れてまうやろ!」


謙也が思い描いてるキャラって一体…


「っちゅーか…何やこれ最終回っぽい展開になっとるけど」

ここまで特に目立たなかった副部長が口を開く



「俺ら帰んの、青学対立海戦終わって表彰式してからやし」



沈黙。




「へ?分かってるよそんなの」

「え、最終回ちゃうん?」
「…俺もてっきり今回最終回だとばっかり」


「えぇっ!?蔵ノ介も千歳も悪乗りし過ぎー!」

「いやいや、真面目にそう思っててんけど」
「この…天然コンビ!」



xxxEND…じゃなくて続きます。




V.G.F.おまけインタビュー

Q.夢ファイルの100個目がこの話でしたね

光:管理人どんだけ妄想しとるんですか
:でも良いじゃん、100個目が四天の話なんだし
(全員):そう言う問題か?







>>>コメ。<<<
さて、100ファイル目はVGFでした。(パチパチ
これから3桁か…サーバー容量大丈夫かな(そっち!?
原作沿いで書いてるので更新も停滞気味です(追いついてきちゃった
謙也優しいな〜。そしてちょっと気持ち長めに更新。
これからも宜しくしてやって下さると嬉しいです。
大変お待たせ致しました!続きアップしました(12/17)下にスクロール願います↓↓



>>>モドル<<<




決勝戦…ってことは
このメンバーと一緒にいれるのも本当にあと少しなんだな


VIRTUAL-GIRL-FRIEND-32-



結局、悪乗りなのか本気なのか分からず(きっと後者)
一同は各々の部屋へと戻って行った

「…と言うか蔵ノ介の部屋よく来るなぁ」
「せやな。何やこの数日間で色々あった気がするわ」


23時58分、間もなく日が変わる

「明日も早いし寝よか」
「うん」


綺麗な横顔…
布団に入ってる蔵ノ介を見ながらふと思う
普段大人びてるくせに
寝る時はこんな中学生らしい顔になる

気が付けば無意識のうちに顔を触っていた

…しかし起きない。

いやいや、寝つくの早過ぎ!
「蔵ノ介〜〜〜?」

耳元で呟いてみる


それでも起きない相手に対し
私の中で少々悪知恵が働いた

つまり、寝ているってことは無抵抗ってことで。

いつものお返しだー!

と、張り切り
そっと頬にキスをしてみた



「うーん、起きないな」


じゃあ今度は口…
なんて考えなければ良かった

顔の距離がくっ付くかくっ付かないか位で
蔵ノ介の口元がニコリと笑った


「抵抗せぇへん時間、楽しめたみたいやな」
「え!?それって狸…!!」

人の話も聞かずに無理矢理口元を塞ぐ

「なぁ、さっきスッポンの話聞いたんやろ?」
「あ、買い物行った時に金ちゃんからさり気なく。」
蔵ノ介が脱いだ理由ね。
金ちゃんが面白かったって買い物途中で話してたけど

それよりも今の私の格好の方が絶対面白いって凹んだっけ

「めっちゃ熱いねん、どないしよう」
「そんな色っぽく訴えてるけどまーた演技でしょ?
もう、本当上手いんだから―」

その時、覆い被さるように私の上に乗って静かに問うた


「嘘やなかったらは快諾してくれるんやろか」

それは一体どこまでの話ですかね、白石部長。

クスッ


「…なんてな」

そう言いながら微笑んだ

「びっ…ビックリするでしょ!?
そんな見方されたら"はい、そうですね"とか言っちゃうから!」
「え、ホンマに?」




その後の記憶は全く覚えていない
気がつけば外が明るくなりきって…


xxx

起きんと口塞ぐで」
「…」
夢?現実?……どっちにしろ、恐っ!!

「んー…」
体が言うことを聞いてくれない
目もうっすらとしか開かないし

えーと、あの後何かあったんだっけ?

いや、高校まで待っとるって言ってたのは覚えてる

「その後…私…蔵ノ介に縋ってた?」
目を擦りながら聞いてみる

「どの後の話やねん、夜?」

コクリと頷きながらやっと部屋の明るさに目が慣れる
どうやら着替えてたらしい。

しかし男子のくせに何、あのくびれ!
ちょっと羨ましくなっちゃうよ

「飼い主大好きなペットみたいやったで、
髪触っても顔触っても黙ったまま抱かれながら寝とったし」


あれ、そんなことしてましたっけ!?
「ダメだ…覚えてない…」
「かなり疲れとったからなぁ、
きっと夢と現実があやふやになっとったんやろ」

「はぁ…すいません」
って、何謝ってるんだ自分

「せやったら…あの事も知らんねや」
「…ど、どの事?」

寝ている私の首目掛けて手を添えた

「痕。犯人俺やから」



・・・




ガバッ!!




訳がわからずとりあえず鏡の前に立って確認してみた
「これってキ、キスマーク?」
「首は抓らんやろ、恐いやん」

どの道知らない間に付いてるのは恐いです


「それより早着替えんと、間に合…」

鏡の前からいきなり接近してきたかと思いきや
ベッドを背に立っていた彼の胸倉を思い切り掴んで
押し倒した

かなり体重乗せている私。
ベッドとは言え勢い良くダイブしてしまった蔵ノ介。

ジッと無表情で目を見る

「蔵ノ介」
「ん?逆ギレ?」
「違う、お願いだからちょっと黙ってて」
「…」


朝一で何やってるんだ自分
と思いながらも首の右側にキスをした


「私だって独占したいんだからね」
「完璧な独占状態やのに、まだ不安なんや」


「…ユニフォーム全部閉めなあかんな」
付けられた痕をなぞりながら呟く
「だ、大丈夫だよ!見えない見えない!さてと、着替えないとー」

と言うよりなかなか大胆な事を言ってしまい
一刻も早くこの場から立ち去りたい

「ぎゃっ」

腕を持って行かれる
流石テニス部、力は比べ物にならない

「惜しいわ、口も忘れんといて」
「っ…」


敵わないな…

そんなことを考えつつ
蔵ノ介と肩を並べ、会場に向かった



xxx
入り口前に集まってる四天メンバー。
おぉ…遠くから見ると分かり易いな


「おはよーさん、ちゃん!昨日の話聞かせてやー!」
「え!?な、何もないよ」
「絶対何かありましたね」
「光まで…何も無いってば!」
無意識のうちに早歩き気味で試合会場に向かっていた


「白石」
「んー?」
会場に入ろうとしたところを千歳に足止めされる

「見えとーよ、あれ」
「え、何が」

「キスマーク、に付けたん白石ばいね?」
「…見つけるん早いわ。
の奴気付いてなかったみたいで
朝起きて俺が言うて初めて気付いた途端…」

ずっとこのままにしておこうと思っていた
首まで閉めてたファスナーを下ろした

「大丈夫!?軽く紫がかっとらん?痣」
「加減しらへんねん、あのバカ。
ほら、少し噛み痕付いとるやろ?」
「これやったらマークって言うより内出血って言った方が
しっくりきそう」

吸血鬼に血、吸われたみたいだと
ケラケラ笑いながら千歳がそう返答する

「俺には振り向かんかな、
「ホンマに思てることなんて本人以外わからへんからな」

ファスナーを元の位置に戻しながら返す


タタタタ…

「二人とも、いつも早いのに何マッタリ歩いてるの!
始まっちゃうよー立海戦ー!!」
「出た、吸血鬼」
「?」
吸血鬼?
「こっちの話や、気にせんといて」
「まぁ別に良いけど…」
後ろ!」
「後ろ?」


パコッ!



「つ〜〜〜〜〜っ!!
い…ったいなぁもう!!誰だ人の後頭部にボール!!」

振り返った先には…

「色男独占した罰や!独占禁止令や!!」
や、やっぱりお前か…!
って言うか意味わかんないよ
「蔵リン、そろそろ危ないかも私」
「…色んな意味でな」

そう言うと
こめかみに人差し指を突き付けながら
大丈夫〜?と口パクで付け足した




「くぅ〜!!もう良い!!」



xxx続く

>>>コメ。<<<
えー何ヶ月ぶりでしょう、だいぶ本編も進んで来たので久々の更新です。
久々だったのでちょっとセクシーめ(?)に攻めてみました。ど、どうなんでしょう(え
ちなみに白石の部屋はセミダブルです(強引な今更設定
いよいよ決勝!この連載長いなぁ本当…
1話目から見て下さっている人とか本当嬉しい限りです。

続きアップしました!(1/1)下へスクロール願います。



>>>モドル<<<




晴れ渡る空に
青天の霹靂


VIRTUAL-GIRL-FRIEND-33-



私は歩きながら
次の決勝戦のことを考えていた

「立海かぁ…」
立海と言えば。忘れもし無い去年のとある出来事。



会場内で迷子(?)になった樺地を跡部と探しに行った時…



「おい、真田」
「…」
「手塚を倒すのは俺様だからな、あーん?」
「悪いが貴様の手塚に対する敵対心など知った事では無い。
ただ目の前に居る相手を倒す。それだけだ」

「うわ、おかた〜い…」

こちらに視線が刺さる
「す、すいません…」

「ハッ、本当かてぇ奴」

何か超険悪ムードって感じだな…
「…誰今の?」
「立海のムカつく奴」
「確かに跡部とは合わなさそ〜…」


xxx
懐かしいな、真田か…あと立海で去年会った人と言えば…


なんて考えながら歩いてると後ろの襟を引っ張られた

「うっ」
「よっ!久しぶり
「よっ!…じゃない!!コケるとこだったじゃんもう…」

「あれ、知り合いやったと?」
「うん、あのね去年ブン太が彼女と私間違えていきなり後ろから抱き」
「それは言わない約束だろぃ!ってか千歳!!人の技パクんなよ!」
「あはは、すまんね。一回やってみたくて」
ニコニコ笑いながら返答する
「何か調子狂うな…」
「千歳は空気を味方につけるのが上手いらしいよ」
「なるほどね、まぁ勝ってたならまだしもなぁ…?」
「ブン太…それ結構気にしてるからさ、彼」
「あぁ、悪い悪い!じゃあな〜!
進化した俺の天才的妙技、楽しんでってくれよなっ♪」

「うん、楽しみにしてる」


そう言って試合会場に向かってったブン太…なわけだが。

何だ?何だこのただならぬ雰囲気は


「はい?」
「お前一体どんだけ顔広いねん」

「えーと…広いのかな?
何かこう、私ってうろちょろしてることが多くて!
確かに去年も一昨年も色んな人と話したかなぁ。」
「今年は?」

「あ、比嘉中のえいちゃんがね!!
今度沖縄行きたいって言ったら
案内してくれるってメル友になったり…
北海道から来てたマネージャーに
跡部がメス猫とか言ってたから慰めたり…」

「えいちゃんて誰や?比嘉の応援団か誰か?」
謙也が疑問がる
「え?やだなぁ、部長やってる木手っていたじゃん〜!
ちゃんと見ておきなよ謙也〜」





何故かここで沈黙


「う、嘘やろ!?大体ちゃん付けとかキャラや無いやん!!
そないな呼び方殺されるんちゃうの!?」


「オーバーだなぁ。えいちゃんめっちゃ紳士的だよ?ねぇ光」
「そうですわ、木手さん尊敬してますもん、俺」


この二人、俺ようわからなくなってきた…

このやり取りを見ていた蔵ノ介が溜め息を一つ吐いて小声で話しだす
「…、あまり仲良くされたら流石の俺かて心配になるんやからな?
逆やったらどない思う?」
「…逆」
正直ハッとした

私ってば何にも考えて無かった

「ゴメン…そうだよね、私何も考えて無くて…ついつい」


去年とは違うのに
一番は蔵ノ介なのに…

「謝らんで。離れなきゃそれでえぇから」
「…もう離れない」

「あかん!!は離れててえぇの!!!
せやないとあたしが蔵リンにくっつけないやろ!」
非常にドラマのような良いシーンでしめられるんだろうと思いきや
無理矢理引き離そうとする小春…
「それは私の台詞!」
「白石死なすど!」
「いやいや、巻き込まんといてや〜」


「何やあの二人、急接近って感じやなぁ〜?
えぇなぁ白石。俺もはよ大阪帰りたいわぁ」
「オサムちゃん!?いつからそこにおったとね?!」
言葉の割にはやけに元気やけど…

「ついさっきや♪
千歳、お前も選択肢仰山あるんやから
に縛られんでもえぇんとちゃうんか?」
「うーん、そうは言われても…って、何故それを!?」
「風の噂や〜♪」
「で、昨日はいくら買ったと?」

「いやぁー昨日めちゃめちゃえぇ台当たってなぁ!
何と15万…な、何故それを…!!」

「あはは、風の噂…かな。
ん事は好きばいね、だからそれ以上の人に会えたら考える」
「せか!まだまだ若いしなぁ〜羨しいわホンマー。
ま、がんばりぃ!!それはそうと、昨日あの二人な…」

「そう言う事は本人に聞いて下さい」

「そう来ると思ったわ、ほい1コケシ」

そう言って帽子を抑えながら背を向けるオサムちゃん

「…」

どのタイミングで!?


xxx



、お前何中の生徒だよ」
「え!氷帝…でありたいです」
さんすっかり四天宝寺の皆さんに馴染んでるんで寂しいですよ」
「長太郎…!」
あなたやっぱり可愛い…!

「長ちゃん…!」

「わ!ちょっと…!!」
ノリで抱き付く四天宝寺のどんだけ〜な問題児、金色小春。

「金色!!お前何くっついてんだよ!」

「えぇなぁ氷帝も」
「いやいや!うちの学校まで狙わないでよ!」
「浮気かて!」
「あぁもうユージまで来たら余計ややこしくなるから…!」

とか言いながら回りを見渡すと各校大集結と言うか…

流石決勝戦、人の入りが全然違うなぁ。



「私だったらこんなに沢山の人居たら緊張して試合どころじゃないよ」

肩を二三度叩きながら宍戸が諭す

「安心しろ、まずねぇから」
「酷くない?!」

「宍戸っちの言う通りやで〜?」
「せや、には無理無理」

「バカップルまでも…!?」
「つか変な呼び方すんな」

このやり取りでも分かるけど

宍戸と小春は根本的に合わないな…


そんなどうでもいいことを考えている間にも時間は過ぎて居る訳で。
とりあえず氷帝と四天宝寺を行き来すると言う
何とも敵を作りそうな位置に居る自分。
しかし四天と氷帝、行き来する距離が半端ない。
「あれ、蔵ノ介は?」
「白石あっち〜」
金ちゃんが指差す方向を見るとかなり遠くで何かが確認出来た

「ひょっとして金ちゃん視力めちゃめちゃ良い?」

「良くないで!3.6位やもん」

「………」
呆然とするってこういうことを言うんじゃないかなぁと思う


〜?」

「さ…3.6!?
だって視力検査って普通2.0までしかありませんよね!?」
動揺して金ちゃん相手に敬語とか使っちゃってるし…!

「金ちゃんは特別なんやて」
「いやいや!特別とかそう言う問題じゃ…」

たたた…


そこへ息をきらして走って来る少年


「テニス部なのにバテてる」
「アホ吐かせ!あぁ試合始まってへんのにもう疲れた…」

そう言いながら
ベンチに寝そべって右腕で顔を隠した

見えない顔を見下す

「人気者も大変だってことか」
「暑〜…誰かのせいでジャージは脱げへんしなぁ、?」


ギク


「の、飲み物買って来ます」



「?何で上脱げへんねん白石」
「謙也さん鈍いですわぁ〜。見せれん物でもあるんとちゃいますか」
「見せれん物?」





「…ほっとけ」





xxx
前もこの自販機で飲み物買ってたな、そう言えば。
で、ミユキちゃんに会って…

買ったペットボトルを手に取りながら思い出す


いやぁこんな暑いのに脱げないのは本当申し訳無い


「そうだ、タオル冷やして行こう」


急な方向転換をしたのがいけなかった

「わっ」



ドンッ!



「いたたた…」

誰かに当たってぶつかったらしい

最近何かにつけてぶつかる事が多いな…私。
「…」
「あ、ご…ごめんなさい!大丈夫ですか?!」

急いで頭を抱えて居た相手の元に向かう

黙って俯いたまま何も話さないところを見ると
相当クリーンヒットしてしまったらしい


タメかな?
いや、年上…??


顔を覗いて見ると
その人は笑いながら顎を掴んだ

「今日は騎士(ナイト)おれへんねや」

「騎士…?」

「ちょっと付き合ってくれへんかな」

はぁ?
「行かないに決まってるじゃん!
そりゃあぶつかって悪かったとは思うけど!
大体初対面なのに何さまっ…」


掴む力を強めながらこう言った


「ずっと待ってたんや、この時をな」




俺は"元"四天宝寺中テニス部員や…正確に言えば―



「!」

言葉が出ない



「白石が部長になる前の部長…」


確か蔵ノ介は二年で部長になったって言ってたけど…


「アイツのせいで俺は部長を…
まぁそれはえぇとして、お前を利用させて貰う」


「意味分かんないし!離してよ!!この…落ち零れOB!」


まるでだだをこねる子供のように暴れまくってみた…

けどなかなか離れ無い


試合直前…いや、もう始まってるんだろう。人通りも全然無い


「大人しゅうせぇや、ホンマしばくでガキ!」
「大した年変わんないくせに!」

「チッ、流石白石の女やな…一筋縄やいかれへん」
いざという場合にと思て持って来たけど

手に持ってるのって注…!?危ないこの人
「卑怯…!」


その後の記憶は覚えていない

どうなっちゃうんだろう、私



xxx続く

>>>コメ。<<<
新年早々PCと睨めっこしている和です笑
しかもいきなりの急展開(?)
妄想って末恐ろしいですね(いやいや

続きアップしました!(1/17)ページ変わります■ENTER■



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