***VIRTUAL-GIRL-FRIEND-Vol.12-***
えらいことになりよったな。
まさか…普段見せん顔まで見せるとは


VIRTUAL-GIRL-FRIEND-34-



「光ー!はよせなぁ売り切れてまうたこ焼きぃ!!」
「はぁ面倒。売り切れんから…」

ん?


「何止まってんねん!遅いー!亀より遅いでー!」

あの顔、どっかで…






さん!」

「やべ、見つかった」

「あ!どこ行くん!!」

「金ちゃんえぇか?白石さんに
アイツに さんさらわれたって伝えて来てや、分かったな?」

「えぇ〜たこ焼きはぁ!?」
「ちゃんと伝えられたら後で仰山買うてやるから絶対言うんやで!」


「そう言う話ならわいのったぁ!!」


アイツ確か一年の時に



xxx



「金ちゃん、財前とたこ焼き買いに行ったんとちゃうん?」

「あんなぁ、行こうとしたら光が何やいつも以上に恐い顔して、
白石にがアイツにさらわれた」って言え言うてな!
せやけど伝えたらたこ焼きくれるから…」

「アイツてまさか…」

ガバッ

「何やねん白石まで恐い顔…」
「金ちゃん、財前どっち行ったか分かるか?」

「えぇと…たこ焼き屋やから入口を出て左に…」
「おーきに、マネージャー!試合の録画任せた」
「はいはーい」
そのままさらわれればえぇのに


何て言ったら大変なことになるんやろなぁ。

xxx

車か―



複数犯…まぁ普通そやろな


「謙也さんやあるまいし流石に車相手で追いつけられへん…あ」
(謙也の脚力って一体…)


ふとポケットに手を入れると良い小道具が




こうなったら一か八か…


「もっと飛ばして良くなぁい?」
「一般道で80は出し過ぎだって〜」
※交通ルールは守りましょう

「ん!ちょっと止めて!!」


キィィィッ!


急ブレーキの音が響いた

「何か轢いたか?」

「違うの、誰か泣いてたような…」
後ろを見ると
一人の少年が目を擦りながら立ち尽くしていた

恐る恐る様子を伺う
「どうしたの?泣いてるの?」

少年は目を潤ませながらこちらを見つめた

「お姉ちゃんが知らない人に連れて行かれちゃって…
僕追えなくて…」
「…!」

キュン


「おい、ほっといて早く行こうぜ〜?」

「ダメ!マー君前の車追うわよ!!早く!」
「えぇ〜?!マジかよ…ったく」
「こんっっっっなに可愛い子が困ってるって言うのに
置き去りになんて出来ないでしょ!さぁ乗って乗って!」

「ホンマに有難う御座います!」

我ながら誰にも見せとう無い演技やな


俺もアイツにはうんざりしとったし、
ここで会ったのも何かの縁や、
一発殴らんと気ぃすまんくらいやわ…



そんなこと考えて居ると携帯が鳴った


「洋楽聞くんだ〜カッコ良いなぁ」
「お前顔見て助けただろ」

「え〜?そんなこと無いって」



「あぁ、白石さん」
「財前今どこや?」

「そうですね…
向こうが車やったんで俺も拾って追いかけてるところですわ。
多分近くの倉庫の方に向かっとるんや無いかと」
金ちゃんばっちり伝えられたみたいやな


「車か…面倒な話やな」
「白石さん、女の人が運転しとる車にヒッチハイクしてみて下さい、
多分即行掴まりますから」
「は?それどういう…財前?」



切れてもーた…何やねん一体。

女性ドライバーってそない簡単に掴まる訳…


「〜〜♪ん?」
あらまぁ〜綺麗な男の子!あと10年若かったらイケたわね

焦りと困惑で胸がいっぱいの白石が見せる表情は
何とも憂いを帯びた顔だった


「どうしたの?」
「…人を追ってるんです」
「そんな困った顔しないで!とにかく追いながら話聞くわね!」
「あ、有難う御座います」
ホンマに掴まりよった

結果オーライやけど…意味分からん



xxx続く


>>>コメ。<<<
有り得ない財前を取り入れて見ました。笑
それだけ皆に好かれてるヒロインにしたかった(過去形?
実際困ってる白石やら財前が居たらほっとけませんよ(居ないですよ
果たしてヒロインは!?(ヒロインなのに今回出てない/致命的
続きアプしました!下へスクロール願います。



>>>モドル<<<





誰にでも知らない過去があって
自分だけの世界を持っている


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「ホンマ助かったわ、有難う」

「良いの良いの!さぁ早くお姉さんの元に!」

カップルと別れた俺は
倉庫から数十メートル離れた場所で回りの状況を確認していた

「…」
見張りは男二人、か

「ここから先は行かれへんで」
「通してもらわなぁ、困るんですけど」
「あかんなぁ。大人しゅう帰った方が身の為やで?」

ニコリと笑いながら一言、物申す

「戻っても意味、あらへんねん」


「こんガキ…!」

「大会中やからあんま目立たんよう楽にしたるわ〜先輩」


首を水平に叩いて見張りを気絶させたところで本番
…っちゅーわけやな



前に立ちはだかる
大きな壁をこじ開けた

xxx


「謙也、アイツって?」
「あぁ…千歳が知らんのも当然やな」


謙也は一部始終を説明した


白石が部長になる前。
前の部長は一コ上の先輩で、確かにテニスの腕もあった―

しかし…

「性格が?」
「せや、テニスは上手かったけど
部員に対しては酷いモンや、まさに傍若無人ってやつやな」

「…で、見兼ねたオサムちゃんが白石を部長に?」

「白石はテニスの腕も統率心も強いからな。
このままやったら他の部員のモチベーションが下がる
…って思ってたんやろ、多分」
「あとコミュニケーションも取れるしな♪」

「そう言うこと…って、オサムちゃん!?」
「やっぱりが狙われたんやなぁ、
まさかとは思っててんけど…厄介や」

煙草を吸いながら遠くを見つめた

「白石を恨んどった?」
「エースからいきなり部員になるんやからなぁ、
しかも年下が部長。負けず嫌いには相当痛手やろ」

「すぐ辞めたけどな、テニス部」
「それで…どこかで隙が出来んか伺ってたってことばいね」

「せやな…全く、嫌な話やで」


「四天も色々あったんばいね」
「まぁ先にも後にも、大きな揉め事はその位やけどな…
大体顧問が適当過ぎなだけに
一人一人しっかりせなあかん状況になるからな」
「せやせや〜…って、適当ちゃうやろ?!」
「適当やん!日曜なんて来るの競馬の後やし!」
「…それは確かにカルチャーショックたい。顧問がまさか競馬で」
「えぇやん!趣味は大事にせなぁあかんで!!」
「趣味ギャンブルかいな…」
「教師なのに」

「あ、お前ら!白い目で見んなや〜!!」

…頼むから無事で居ってな

xxx



「久しぶりやなぁ?財前」
「どの面下げてそないな口聞いとるつもりですか、先輩」

「相変わらず口達者やなぁ、せやからイラッとすんねや」
「…」
お前の方がよっぽどムカつくわ


さん、どこやった」
…って言うんや、あの姫は。
白石が可愛がるだけあるよなぁ…外見も、中身も」

チッ

「世間話しに来たんちゃう、何が目的やねん」

倉庫の中は暗くて良く見え無いけど…
一体どこに?


「白石は、まだ来ぃひんのか」
「…あと五分位で来るんとちゃいますか」

「せか…」


倉庫の中央で木箱に座って居た"ヤツ"
ゆっくりと立ち上がり歩み寄る



「刃物ってさ、磨げば磨ぐほど鋭くなるよな」

刃物をちらつかせて意味の分からない話をしながら―

「人間もさ、悪意を抱けば抱くほど邪悪に染まんねん」
「…お前まさか」

尖ったナイフの先は赤く光っていた
「騒いだから眠らせたけど
改めて顔見てると何や憎らしくなってきてな

この綺麗な顔、刻んだらどうなるかなぁって。」


「えぇかげんにせぇへんと…いてまうぞコラ!」
「ポーカーフェイスのお前でも熱くなることあんねんなぁ。
まぁまぁ、落ち着きぃや。話は最後まで聞いた方がえぇで」


ありえへん。

「さて、ここにある箱のどれかに鍵がかかってます。
箱の中っちゅーのは空気の循環が悪いよな?」

「白石さんにそれを探せと」

「…せやなぁ、チェスで勝負でもして勝ったら鍵渡したるわ、
財前。目星付け取ってもえぇで〜?」

チェスて。アホやな、得意分野やん

「勝ったこと無いけどな、俺に」

「…」
ハッタリや、そないこと…




ガラッ


「ほ〜ら、騎士のお出ましや」


「お前…どんだけ付き纏ったら気ぃ済むねん!!」

「白石さん、落ち着いて下さい。殴ってもさんが死ぬだけです」
「…死、ぬ?」


「白石、部長業は絶好調そやなぁ!」

「構わんで俺の話聞いといて下さい。実は…」

ここまでのあらましを詳細に説明した


「チェス、白石さん得意でしたよね?」
「…趣味でな。せやけど前に一度…やった時には負けたんや」

「ホンマですか、それ」
「あぁ、ホンマに。まぁ、今回は状況が状況やからな」

相手を見据えながら答えたその一言は頼もしかった


「勝ったもん勝ちですわ」

「分かっとる。財前、巻き込んでスマンけど箱頼むで」

「はいはい」


簡単や無い?見つけるん


財前は携帯を取り出すとにかけだした




着信音聞こえるかと思ったけど…バイブやな
マナーモードになっとる




こっちやな






「さて、始めよか。姫を賭けたチェスゲーム―」

「…」



xxx


倉庫全体にある箱は二百を超すかなりの量だ
電話を鳴らしては位置を確認して行く財前


しかし


「…」

これ、ホンマに入っとるの箱なんやろか?



他とは明らかに違う
不自然に詰まれたある一画


慎重に一個ずつ箱を移動して行くと…



「…何やこの部屋」


網越しに中の様子を見ると


ビンゴ。



「心理作戦のつもりやろか、ナメんで欲しいわ」


相当抵抗したんやろな、あちこちに擦った痕や切り傷が…
頬にうっすらと切られた痕…あれか、さっき言うてたの。

「俺…白石さん止められるやろか」



ドアの前に寄り掛かりながらチェスの勝敗を待つことにした





xxx続く


>>>コメ。<<<
今回もヒロイン喋ってません(前代未聞…!
次で倉庫編解決?(疑問?)白石の運命やいかに!?(またその展開?
チェスとか出してみました。あの顔でチェス得意ってのはズルい!(笑
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>>>モドル<<<






その瞳は時にとてつもない武器であり
絶対に犠牲になりたくないと思わせる物である


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「人生が狂い始めた」
「俺の所為にするのは別に構いませんけど、せやからて…」
「普段冷静なお前をどう足掻かせるか、俺からの復讐や」

「今の先輩に勝ち目なんてあるわけ無いやろ、
賭ける物ミスったな」
ビショップはキングを追い詰める

今の白石にはチェックメイトのことしか頭に無い

しかしクイーンを取られ我に返った

「血迷ったか?まさに今の状態やで」
「…」

ちゃう…
今はチェックメイトのことだけ考えるんや


冷静に…冷静に。




xxx


「っ…あれ、どこだここ」


バンバン

「光?何、聞こえない」


その時携帯が鳴っていることに気付いた

さん無事ですか?」
「うん…?無事って言うかここは…」
「今助かるはずです、とにかく待っとって下さい」

電話を切ろうとした矢先、呼び止められた

「そう…あ、光」


ありがとう。
っていうかゴメンね、試合見れないで…


「全く。本当勘弁して欲しいですわ」
「あっちゃ〜…やっぱ怒ってらっしゃいますか」


「助かったら、奢って貰いますからね」
「な、何が食べたいんですかね、財前君は」

不意を突かれたように一瞬考えつつもボソッとオーダーを申した

「白玉ぜんざいとか…」
「しら…」




クスッ


「なっ、何がおかしいんですか」



「あはははっ、だって…ぜんざいって!物凄い可〜愛〜い〜」

「…」
絶対出て来たらバレんように苛めたる

「!」
ハッ、何だか悪寒が!


ツーツー…


バンバン!


「光!ちょっと光〜!暴力反対!!」

「…聞こえへん」


あぁぁ出たいような出たくないような…

それにしても一体外はどうなってるんだろう?
何が起こってるんだろう??


言われるが侭、どうせ身動きも取れないし…
私は暫く待つ事にした




xxx

「くっ…」
「勝ち目無いやん、もう観念して鍵渡して下さい。
そないにチェックメイトされたいですか」
クイーンを取られようが
最終的にキングを追い詰めたもん勝ちや

正直…嫌な勝ち方やけど
今はチェス楽しんでる場合やないし

「冷静…過ぎやろお前」
敵は大きな溜め息を吐きながら話しかける
「そう見えるだけです」
「せっかくえぇ物手に入れられたと思ったんやけどな…」
「敵にすらバレる弱みって、逆に自分にとっては強みなんですよ、先輩」

「…惨敗や。なるほどな、
俺もそれにもうちょっと早う気付けば良かったわ。ほら、鍵」

チェス台の中央に放り投げられる鍵


いや…いくらなんでも素直過ぎる


鍵に手を差し出そうとした瞬間―


ガツッ





左手に突き刺さる鋭利な刃物

サバイバルナイフ



「タダで渡すわけないやろ!!あはは、二度とテニス出来んようしたるわ」

「っ…」


「白石さん!?」


その奇声を聞いて慌てて駆け寄る財前

不自然に刺さるナイフ


「…うちの部長に何やっとんねんお前!」

「あ、財前待ちぃ…」



殴られた相手はいとも簡単に気絶した


「っちゃ〜…伸びたか」
「せやかて…ん?」


「刺さっとるの包帯な、包帯」

「え…嘘やん」


「嫌な予感して手だけ引っ込めたら包帯取れてもーた。
参ったなぁ…」
「殴り損ですわ」
「ははっ、よう言うわ」




カチャッ


鈍い音を立てながら扉が開いた

「ひぃ!光、頼むから顔は止めて!ボディにしてボディに!」
「…何歳ですかさん」
ちゅーか既に顔も若干傷付いとるし

、大丈夫か?痛うない?」
「蔵ノ介?大丈夫だけど…な、何があったのかさっぱり」
やけに優しいような…

「とりあえず車や、白石さん。これ目薬」
「目薬?」

二人は顔を見合わせながら疑問がった―が、その使い道はすぐに判明した


「…そう言うことね」
本日犠牲になった女性…申し訳無い


「めっちゃうるうるした目で見つめられるんだもーん!
だめ、私やられた」
「モテるでしょー二人!?」

「いえ、全然…」
「うそだー!」
「でも女連れなんて…」
「ちゃいます、この二人全然似てませんけど双子なんです」
「えぇっ!?」


光、いくらなんでもそれは無茶…

「道に迷うわコケるわでこの有様なんですわ」
「なるほど」
「…」
信じちゃったよ

っていうかそんなドジキャラじゃ…!


「で、俺の後輩がコイツ」
「えー!いいなぁそんな学校!」
…確かに。
「イケメンの先輩にはイケメンな後輩が付き物って…
そんな上手い話無くない!?」

確かに確かに。

、お前頷き過ぎ」
「え?頷いてた?」


「はい、着いたよ〜」
優しそうなお姉さん二人組はミラー越しに合図してくれた


私達は御礼を述べて車を降りた


窓を開けながら
「もう迷子にならないでね」
なんて言われながらも、別れを告げるのかと思いきや

無意識なのか意識的なのか(前者だと良いな)

窓ガラスを覗き込みながら蔵ノ介が更に一言、
かなりの至近距離で御礼を言っていた

「ホンマにありがとう」


キュン


「全っ然!もういつでも呼んで!」


彼は何も言わず
ニコリと笑いながら車を見送っていた


「良い人だ…」
「助かったと思ったらいきなり惚気ですか」
「違っ…!あ、そう言えば何があったの?」
「話変えんで下さい。顔赤いですよ」
「く…」
苛められてる。今まさに苛められてる


、スマンけど包帯持って来てくれへん?金ちゃんにバレる」
「な、何で取れたの!?」
「あーもうさんうるさいですわ、えぇから!」

「ねぇどういうことー?いたたた、黙るから!光抓んないで!!」
赤くなった右手


「はぁ…」
何も無くて良かったわ、真面目に。




xxx続く


>>>コメ。<<<
白石が!と言うわけで無事脱出(早くないですか/そんなことないです、多分
なんだかんだ行っても大事にされてるヒロインはん。
この回辺りからVGFの本編には書いていない夢漫画とか載せてます。
今後増える予定なので夢漫画OK!な方は覗いて頂けると喜びます^^
続きアップしました!(3/23)ページ変わります■ENTER■



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