***VIRTUAL-GIRL-FRIEND-Vol.13-***
楽しい時間はあっという間に過ぎる
辛い時間はすぐにやってくる。それが人生だって?


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ちゃん!」
「ゴメーン心配した!?」

「こげな傷付いて…痛くなか?」

顔を近付けながら問い質す

「蔵ノ介と同じ反応してる!…そんな痛そう?」
「かなり」
「そ、そんなに真剣に見つめられるような顔じゃないよ…そうだ、包帯包帯…」

千歳の瞳は本当濁りが無い澄んだ瞳だから
あんなに目合わせてたらクラッと逝っちゃうよ…


慌てて鞄の中から包帯を抱えて忙しくまた入口に向かった


「財前、何や一大事やったんとちゃう?」
「俺疲れたんでさんにでも聞いて下さい」

「何やねんそれ〜」



xxx


「おまたせ!持って来たよ包た…ぎゃっ」

嘘、この歳にしてもう足が縺れ…!


「嘘から出た誠やん」

「す、すみません…」
間一髪で顔面直撃を逃れた

「ちょっと人目つかんとこ移動しよか…巻きたいし」
「私も説明して欲しいし。」



人の目に付かなさそうな木陰に移動した

「あー、暑い!ちょっと脱いでえぇ?預かっといて」
「だ、大丈夫です」
私のせいです
「顔洗って来るわ」


半袖の裾を捲りながら水呑み場に向かって行った

「うーん…絵になる」
って、何言ってんだ私


寝転がりながらふと自分の腕を見ると知らない擦り傷が増えていた

「どうしちゃったんだ?」



、タオル持ってへん?」
「あぁ、ある…けど」
反対方向を向いたままタオルを渡す

「…何唐突に外方向いとんねん」
「だっていつの間に脱いだの!?」

ユニフォーム片手に濡れた髪の毛を掻きながら戻って来た姿を見た

「暑いんやもん。何を今更照れとんねん」
タオルを手に取り拭きながら答える

「照れてるんじゃなくて、反射神経?っていうか…」

ギュ

どうした!?

?」
「な、に」
心臓が大変なことになってます


「スマンな、巻き込んで」
「ううん、私も不覚だったし」

顔を覗いてたと思いきや
顔に付いた傷をなぞるように舐めた

「ちょっ…」
いやらしくないですか、このシチュエーションは
「こない傷付けよって…許せんわ」





「そ、そんなに酷い?」
「もうぐっちゃぐちゃやで」
「え!?」
自分の顔を触って確かめようとするもなかなか分からない
「このままフケられたらえぇのに」

膝の上にタオルを巻いた頭を乗せながら私に向かってぼやいた
「…珍しー。テニス大好きな白石部長がそんなこと言うなんてねぇ〜」
「しゃーないやん、も好きなんやから」


…おーっと。それは反則だぞ

「う、腕巻くよ!?ほら、手挙げた挙げた!!」
「必死過ぎ。せやから財前にからかわれるんやで」
「必死にもなるよ!!好き嫌いを
『今日何食べる〜?ラーメン?ハンバーグ?』みたいなテンションで
さらっと言える人ってなかなかいないんだからね!?」

「あはは!何やねんその例え」
「笑うとこじゃない!!ほら、巻き終わったよ」

その言葉を聞いて
無言で起き上がり
巻いていたタオルで水気を切る


「いつもより跳ねてる」
菊丸みたいで可愛いなんて言ったら殺されそうだから止めておこう


「暫くしたら直る」

ユニフォームを着ながら答えていた

「せや、首にタオル巻いてたらバレんよな」
ちょっと涼しなるわ〜と明らかに嫌味口調で責めながら
試合会場へと戻った…わけだが


「光!起きてよちょっともう〜!!」
「んー…何ですか、痛いっすわ…」
「可愛く寝惚けたってダメ!」
帰って来るや否やこちらでは質問攻めだし…説明しといてよ!

「チッ」
今舌打された!?




xxx続く


>>>コメ。<<<
久々の更新(なのに短い…!)どこで切ろうか迷いました。
ちょっとセクシーなシーンを取り入れるのが好きです管理人(聞いてません
どんだけ愛されてるんだヒロイン。良いなぁ(羨ましがっちゃったよ
続きアプしました!(3/31)下へスクロール願います↓↓











相変わらず状況は変わらない。
心配してくれるのは嬉しいけど、心配し過ぎだよ?


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「私は本当、大丈夫だから!それより試合は?」

「長いこと続いてて、次ダブルス」

「立海は切原と柳か。財前、見といた方がえぇんとちゃう?」
相変わらずのんびりベンチに寝ている光にアプローチをかける蔵ノ介
「…俺アイツ苦手っすわ〜」
「確かに。鉢合わせしたら喧嘩になりそ〜。見せない方が良いんじゃない?」
「お前どっちの味方しとんねん」

〜、ちょっと」
「?」

「スマンかったなぁ巻き込んで。ほら、今日は奮発して三コケシや!!」
「ん…気持ちだけで十分です…」
重いんだよコケシ…
とか思っているとがっつり掴まれる顔

「じっとしててや」
「いっ…!」
いたいー!!!

「我慢せぇ!」
「染みる染みる!良い!ツバ付ければ治る!!」
「アホか!」


「オサムちゃん、襲ったら白石に怒られんで」
「消毒しとるだけやて!」
「やぁいよ・わ・む・し!」
「うるさい!!」

「ガーゼ貼って…とりあえず応急処置な」
「大袈裟だよオサムちゃん〜。
っていうか他校の生徒なのに何かすいません本当…」

頭を下げながら詫びていたらその上に手が乗った

「言うたやろ〜?は俺の生徒やって♪」
思わずキュンとなってしまった
やっぱりこの言葉にはやられるんだよなぁ。


「そう言うとこ好き!!」
「せやったらー今日の夜〜…」
「いやいや、それはあかんやろ!!」


「あ、蔵ノ介」
「どこや!?」
「…うっそー!」
オサムちゃんもなかなか単純だ


「何やて!?あーぁ、治さなきゃ良かったわー!」
「後の祭りですから〜♪さて、試合見よ…」

「…あかん」
「へ?」

意外や意外、目の前に本人が登場してしまった

、見たらあかん」

「何故?試合見るのもマネージャーの立派な仕…」
まだ言い終わる前に話し返した
「今の試合、銀の時より酷いで」

「…えっ」


一瞬迷ったが結果はすぐに出た


「でも…見る。」
「そうか、せやったら止めんけど」



しかし想像を超えた試合具合に内心、 『これテニスじゃないだろ』
疑問を抱いていたのは私だけでは無い…と願いたい。



xxx


「…中学生のテニスちゃうやろ」
「あー!!謙也!!」
「な、何や気ぃ触った?」

握手を求めて思いっ切り上下に振る

「仲間ー!!」
「仲間!?大丈夫かいな!ちゃん…」

「そう思ってるの私だけかと思ってたー!
だってみんな顔に出さないし!」
「あぁ、そう言うコトか!」

「良かったな、同レベルの友達居って」

ツンとした態度で物言う部長

「ねぇねぇ、蔵ノ介ってあんなキャラだったっけ?」
「いや、ちゃんと付き合い出してから変わった気ぃするわー」

「マジで!?」

「せやけどそれ、えぇ意味でやと思うで。」
「…と言うと?」
「白石、前より自分の意見言うようになったから」


「つまりそれは…」

「部長どうのとか、先輩やとか、
そう言う見方やないアイツ自身の心中っちゅーか。」

「へぇ〜。私もちょっとは役立ってるんだ」

「…噂話は本人に聞こえんようするんが暗黙の了解やろ」


「…厳格あるキツい一言は変わっとらんけど」
「言えてる」


二人は声を合わせて謝った



そしてその間にも壮絶な試合は止どまるところを知るはずがない



xxx




「光、ダブルスの感想を一言どうぞ」

「いやぁ〜恐いっすわ〜立海」

「はい建前良く言えましたー…本音は」


「俺は勝てます」



おおっと。
聞こえて無い?聞こえて無いよね…


「何挙動不審になっとるんですか。気持ち悪っ」
「きっ…気持ち悪いは言い過ぎだろ!!
だって立海に聞こえてたらまずいって…」

四天宝寺と立海の席は離れてるわけでは無く。

むしろブロックで言ったら隣りだ


「財前てめぇ…」
「…」
「わ、やっぱ聞こえてた」
一触即発の危機なのに冷たい目で黙って切原を見る光…


何でそんな威風堂々と出来るんだろう


「構うな赤也」
「だって柳先輩、今の聞こえましたよね?」
「今気にしたところでプラスになることはあるか?」

「う…」


「柳って、大人だよねぇ…どっかの金パと違って」
「せやなぁ〜…って、どっかの金パてまさか俺!?」
「あはは、さぁ〜?えーと、次はー」
「待ちぃやちゃん!」


xxx

「なぁ」
「ん、何ね?」

「俺忘れとったわ」
「白石が?珍しいこともあるたいね」

ははっと笑いながら答える

「いや、忘れたかった…みたいな感じなんやろな。
自分自身、何言うてるんか分からんわ」

「…」
忘れたかった。
つまりそれは、思い出したくなかった。

要は白石にとって辛いこと…

「さっきの先輩がどうって件?」
「…」
黙ってコートを見つめたままだ

どうやら違うらしい

「それが違うなら…と離れること」
「…まぁ、そんなとこやな」

重たい口を開きながらも白石は現実を肯定した

「俺も東京残りたか…ばってん、仕方なかね。」
「せやな…それは分かっとるんやけど…」



白石はを一瞥すると何かを考えている面持ちで静かに座った


xxx続く


>>>コメ。<<<
赤也と光は物凄い合わなさそうな感じがします。笑
相変わらず愛されヒロイン推します(推されてる…のかな?
続きアプしました!(5/09)下へスクロール願います↓↓



>>>モドル<<<










幸せ過ぎて麻痺してたのかもしれない
忘れちゃいけないんだよ
あの人とは一緒にいられない


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シングルス…次は仁王と不二かぁ。
不二と言えば、蔵ノ介の試合思い出すな…。

「部の為に必死に闘う蔵ノ介…んー、エクスタシー!」
「…人の台詞、取んなや」
「わ、聞こえてた」


冗談を言っているのも今のうちだった。

まさか、その試合が再現されることになるとは。

xxx


「仁王のヤツ、白石に化けよったで!」
「あそこまで似てると二人居るようにしか思えない…双子?」

「先生〜ここにバカが居ります」
「知っとる知っとる」

「なっ、オサムちゃん!?…っていうかボケたんだよ!突っ込んでって!」
のボケは分り難いばいね、本気で分っとらん時もあるし」
「…ショック!」

「図星やからですよね」
「せやな。」

「オサムちゃん!コケシちょうだい!!この金と黒一発殴る」
「あーげへん♪」

「金と黒て…遂に髪色呼びかいな」
「あはは!おもろいわ!!ほら、コケシ!」

「やったぁこれで…って、ガムの包み紙で器用にコケシ作んないでよ!!」


「忙しそやな」
「忙しい!?…確かに今日忙しいわ!」

「はは、関西訛り入ってんで」
「こんな濃い関西人の中にいたらそりゃあ移るよ!」
と言うと
急に回りの騒音に溶け込む位の声のトーンで話し始めた


「俺が金ちゃんに言うた言葉」
「…越前との試合出来なかった時の話?」

無言で頷いた


「毎日が楽し過ぎて気付かんかった…いや、気付きとう無かったけど。



は大阪には居らん」


「…」

「そないな事考えとったらあの一言が出とった
…正直、自分への説得やったのかな、って」

苦笑いを浮かべながら坦々と話を続ける


「人生にはどうしようもならないことがある…確かにそうだよ。
でも!さっき金ちゃんが一球だけ試合出来たように、
何があるか分かんないと思うんだ、私」
「…だとえぇな」

「うん!」

この会話がまさか
後々あんな結末になるなんて

想像どころか考えも付かなかった


「悪いけど…僕は同じ相手に二度は負けないよ」


「あ、蔵リン…」
「あのさー気にする事無いよ…?」



「何、別に怒ってへんよ」


と言いつつも腕を組みながら見下す姿は相当苛立っているに違いない


「良かった…タメだ、タメだこの人」
そんな中学生らしさを見つけてはこう思う。


「あーぁ、負けとるやん。白石弱いー!」
「わわ、金ちゃん…!」


無言で包帯を解く蔵ノ介。


「毒手いややぁ〜!!」

そして私の後ろにしがみついて隠れる金ちゃん

「や、やめなよ」

「あんなぁ…がビビってどないすんねん」

「だって、何故か逆光なんだもん…」

「あはは、目の付け所が違うばい」
「く…!ちとっちゃんを笑かすなんて!!悔しい!!」



悔しがる矛先が笑いなのもやっぱり関西だからかなぁ…

「抓るな!!痛い!そこ怪我してるとこ!!」
「あら、度が合ってないみたい」
「…私相当小春に嫌われてない?」
「かなりな、せやかて当たり前やん。
お前来る前はめっちゃ平和な四天宝寺やったんやから」
「めっちゃ平和ね…あ」


案の定不二が勝ったかぁ…


「何?」
「ほら、青学に白石の親戚が居るとや」

「親戚?」

千歳の見る先を見つめると眼鏡を掛けた顔面包帯の人間(?)が立っている


「うわ、本当だ…ウケるっていうか何者?」
「えっ、気付かんの?」
「やっぱアホや、アホ。千歳、バラさんでえぇで〜」
「に、二回もアホって…!だって青学で眼鏡って言ったら…」
部長と…
「あー!乾!?」

「どやろ?」
「どうかなぁ〜?」

いじめられてる、二対一とは卑怯な…



「次ダブルスやなぁ小春、見とかんとー」
「もう!負けたんやからくっつくなや!」

悪魔のような二人から逃げ出して来ると何やらもめているバカップル。
「ねぇ、前から気になってたんだけど小春はユージのこと好きじゃなかったの?」
「若いなぁ、これは照れ隠しなんやで!な、小春!」
「ちゃうわ!あたしは謙也クンの方がえぇの!」



「謙也さん顔青いっすよ」
「いや、何や今背筋に悪寒が…」
「…」

その時財前は見てしまった


小春の熱い視線を―


…おもろいから黙っとこ




xxx


「宍戸さん、俺悔しいです」
「おう、いきなりどうした?」

「同調、コントロール出来るなんて…」

長太郎が悔しがる姿は今までも多々見て来たけど

「今回は相当悔しがってるみてぇだな」
「だって、試合したの数日前の話ですよ?
あの時無意識だったものをもう自分達の物にしてるなんて…」
「…しゃらくせぇ、俺達もうかうかしてられねぇな」

「え?」

「同調、諦めるにはまだ早ぇだろ」

「けど、」

「けど?」


復唱された事で長太郎は全て悟った

「いえ、そうですね。負けてられないです」
「あぁ、もっと胸張って行こうぜ。俺達は氷帝レギュラーなんだからよ。」

「はい!」


「アイツらホンマ仲えぇなぁ…は戻って来ぃひんし…」
「おい忍足、お前いい加減の事諦めろよ。なぁ、樺地」
「ウス?」

「樺地に振るなや、疑問系やん。別にもう好きや無いで」
「はっ、やせ我慢見え見えだっての」
「…敵わんわぁ」





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「ブン太弱っ」

「コラそこ!聞こえてるっての!!」

観客席から野次を飛ばすある意味恐いもの知らずな

「あんな大口叩いといて…」
「油断してただけだっての」

油断と言う言葉で突き刺さる視線に感づいたブン太が
苦し紛れに文章を付け足した


「…ジャッカルが!」
「おいまた俺かよ!!」
「ほらほら、早く行かないと怒られるよ〜」
「コシマエ倒したゴリラやろー!?」
「そうそうゴリ…まずい!」
金ちゃんにつられてついつい口走ってしまうところだった

とりあえず立海側を背に観客席の壁に隠れる

聞こえちゃったかな…あぁ、めっちゃ視線感じる


そして試合は遂に世紀の一戦…は大袈裟かな

越前と幸村…

サムライジュニアと神の子…



全国一をかけた試合が始まろうとしていた




xxx続く


>>>コメ。<<<
試合の展開が早過ぎる!(笑)特に突っ込む所も無かったもので…(orz
必死に現実を受け入れようとする二人…切ないなぁ遠距離は。
でもこのやり取り、地味に後々…ね(何ですか
続きアップしました!(7/6)ページ変わります■ENTER■



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