***VIRTUAL-GIRL-FRIEND-Vol.2-***
チャットのえぇところはお互いが見えへんってのも
一つある気がするんやけど
えぇとこって言うのは表裏一体なわけで。


VIRTUAL-GIRL-FRIEND-4-


「千歳」
その日、気がつけば俺は千歳を呼び止めていた。


その日って言うのはまぁ。初めて電話した次の日やってんな。


「どげんしたとや?」
「実はなぁ…」




上手く表現出来んけど
自分自身、本当にあれで良かったんかなとか
そう言う不安要素みたいなのを誰かに聞いて欲しくなった―的な


「で、呼び止めたと。」
「せやな。いや今回な、ちょっと面倒なことになっとんねん」
「…謙也じゃなかと?」
「笑うなや…当たっとるわ。」
「あの二人良く情報交換しとーけん気、付けた方がよかばいよ」
「そうらしいなぁ。」
が四天の生徒やったらあっさり済んだ話やのに…
何でよりにもよって氷帝やねん。





xxx
「へっくし!」
「風邪?」
「いや、私人気者だから噂が絶えなくて…」
「言うねぇ〜」

全国大会間近って言うのに風邪なんて引けないよ真面目に。

「まぁ、人気で言えば圧勝だね、俺の方が」
「人気よりスキルを上げなさい、滝は」



言うねぇ〜…って、凹む。
、それは直球過ぎて凹むよ。



何故かズ―ンとした滝を横目に (さんの所為ですよ)
部長に呼び出されていた事を思い出し
私は足早に生徒会長室へ向かった―







…ん?









そこには目の前に立ちはだかる障害物



と言うか、人




…今一番面倒な人










「何?私跡部に呼ばれてるから急いでるんだけど」
、白石のことどう思う?」



またか。
「どう…って前も言ったけど会ったことも無いし話した事も無いし
別にどうも思って無いって。」

後者は嘘吐いた


「せやったらー俺は?」
「いやいや!侑士だって何も思ってないよ、部活仲間みたいな感じ」



それを聞いたからかは分からないけど
相手は少し笑っていた


「引き止めてスマンかったなぁ」
「別に、大丈夫…だけど」



今日はやけに早く引き下がるから逆に恐い



その勘は当たってしまうわけで。



恐いと思った時は例え何事も無かったとしても
すぐ逃げた方が身の為…だと思った。




「わっ!?」







ギリギリセーフ










寸止め。
日頃の行いが良いからかな…





「何してんの!刺すよ!!刺されたくなかったら離して」
「何でや?今まで無敗やのに、俺」
「知らないよ!人間十人十色!!私は侑士のことそう言う目で見れない!」
無理矢理チューまでしようとして!!最低!



私は渾身の力を込めて頬を赤く染めてやり、
全力疾走で生徒会長室まで向かった




走りつつもあまりの怒りで思わず蔵ノ介にメールを送っていた






xxx


「はー!?」


部室に響き渡る声


「うっさいわ白石!」

その声が原因で一年に怒られる部長



侑士に襲われた!あり得ないよね!!


…いや、あり得へんしそのノリでえぇんか!?
氷帝はそういうの日常茶飯事なん?!


挙句の果てに修飾語が足りないメールの所為で誤解する始末



「スマン、ちょっと知り合いが事故に遭うたみたいやから電話かけるわ!」


まぁ、嘘やあれへんよな


とりあえず人に聞かれない場所に移動した






ブルルルル



「電源くらい切っとけよ」
「あ、ゴメン」




急いで電源を切ろうとした


…蔵ノ介?




「ちょっとお母さんから電話だから出て来る!」
「おい、俺様は待たされるのが大嫌いだって知ってんだろ」
「たまには待ってみるのも良いかもよ!じゃ、失礼!!」



バタン




「アイツ本当勝手過ぎだな」








誰も居ない所・・・そうだ、音楽室!防音も完璧だし!














ガチャッ



ピアノを弾いている生徒が。
まずいな、どうしよ…











「長太郎?」



ピアノが止まった



先輩!ど、どうしたんですか?音楽室まで…」
「ゴメン!ちょっと電話するけど黙ってピアノ続けて!!」
「えっ?それってどういう…」



その時横にあった物体が動いた
「ひぃーっ!!お化け!」


「チッ、うるせぇな。早く出ろ、俺から説明しておくから」


横にあった物体は寝ていた宍戸であったことが判明
「ありがと!宍戸大好き!!」
「誤解すんだろ!馴れ馴れしく言ってんじゃねぇ」




「もしもし、ゴメンね!」
!?あー良かった、出てくれへんかったらどないしようかと」
「本当ゴメン!!電話場所を探してて…」
「いや、そんなことより大丈夫なん?!」
「大丈夫?うん、大丈夫」
「メール見て焦ってんねんけど、俺。
自分でも焦り過ぎててホンマにカッコ悪いと思うわ」
「メール…あぁ、あれ本当にヤバくて大変だったの!
どうにか寸止めで守ったよ!」










「も、もしもし?」


「えーと?何や、つまり未遂言うことか?」


「もしかして修飾語抜けてた?」




…抜けまくりやがな!!






「あ〜…て、てへっ」



「…刺すで



「それさっき私も言った!…原因の人に」




「しかもどさくさに紛れてふざけたこと抜かしよって…
ったく、こっちがどれだけ心配したと思ってんねん!



うーん…このくらい…?


「見えへんわ!」





でもさぁ。






急に声のトーン落ち着かすなや






「心配してくれてたってことだけで凄く嬉しいよ」














「ちょっと!蔵ノ介!!何だよー今日黙り率高くない!?」


「…スマン。普段電話とかかけへんって言うのもあるんやけど…
二つの考えが一気に押し寄せて来たからなぁ…」


「何と何?
今日の夜ご飯何かなと夜食どうしようかなみたいな?」


「いや、もうちょい真面目なことやわ…食いしん坊やな…」



「食いしん坊じゃないよ!ちょっと人より食べるだけ!!」


「…話続けてえぇ?部活始めなあかんし」



「うん、良いよ。話の腰折ってごめんね。」



こういうとこは素直なんやけどなぁ。



「あ。つまりな、俺気付かんうちにめっちゃ心配してたんやなぁって言う驚きと、
心配しとったのがにとっては嬉しかったってこと…」


「蔵ノ介って不器用なんだね」



「ぶ…不器用ちゃうわ!確かに左利きやけど器用やで!」


「そういうことじゃなくて、モテるのに女子には不器用なんだなぁと」
っていうか左利きなのか。それもカッコ良いなぁ。

「…かもなぁ。」
「あ、認めるんだ?」

「絶対お世辞とか言えへんもん。」
「あはは!言えなさそう!!販売員とかしてたら似合わないって言いそうだもん!」
性格だけでこう思えるんだからきっと真面目に言えないタイプだ

「ちゃうやろ!そこはフォローしぃやぁ!」
笑い過ぎやろ!!

「いやー笑える!…やばっ、跡部待たせてるんだった」

一瞬で現実に戻された。跡部の力って凄いな。

「俺もそろそろ行かんとまずいわ。って、結局俺が貶されてオチかいな」
骨折り損の草臥れ儲けってとこか

「ううん、一言忘れてた!!もしかしたらオチ変わるかも!」

「まだあるんか?ぱぱっと言いやぁ〜」







ファーストキスは死守しておくからね!



「ばっ…」



ここで何故か二人の声が重なった。

蔵ノ介…と、宍戸。宍戸?



あ。







あーっ!!!忘れてた!ここ音楽室だ!!!




!今俺以外の誰かにも聞こえたやろそれ」

「なななな何故それを!?」

「分かるわ!ずっと聞こえとったでピアノの音!」


「あっ!長太郎!!教育に宜しくないぞこれは!」

私は通話中なのにも関わらず急いでピアノの方を向いた





「…宍戸さん、俺ベートーヴェンじゃないんで無理ですよー。
耳塞がれながら弾くの。何かあったんですか?」

「良いから前向いてそのまま弾いてろ…ちゃんと弾けてるから」
マジで長太郎が聞いたらどうすんだよ


ふとそんなやりとりをしていた宍戸と目が合った



彼は鋭い眼光をしながら口パクでこう告げた



バ・カ・





とりあえず携帯を持ちながら必死に手を合わせた

あとで殴られるかな。いや、殴りはしないかな


「ごめん!こっちは多分大丈夫」
「そういう事は回り見てから言いなさい」
って言うか俺も焦ったわ、その予想外なオチには。
「はいっ!以後気をつけます白石部長!」


「まぁ、えぇわ。楽しみにしとるな」
「何を?」

「さっき言ってたやろ?」
「あ、あぁ!」
テンパってついさっき何言ったのかすら忘れてたよ、今


「その代わり」


「…その代わり?」




破ったらタダじゃ済まへんからなぁ、覚悟しぃや?




「な、え?それはど、どういう…」
タダほど恐い物はないって言うけど…一体





「まー、口だけじゃぁ無いってことやな!ほな、またなぁ!」

「はぁ!?待って蔵…」




切りやがった…言い逃げじゃん!!



「終わったか?バカ」
「いやっ、バカって言わないでよ、せめて名前で呼んでよ」

「発展あったんだな」
「う。」
無駄の無い言葉に何も言い返せないまま
宍戸を小突いて音楽室を後にした



バタン


「…??どういうことですか?」
「さぁな。お前もあと一年したら分かるかもな」


「そんなことよりそろそろ部活行かねぇと。」

「うわっ、もうこんな時間!?」








xxx

「大丈夫だったとや?」
「まぁ、ちょっと修飾語が抜けとって…って、いつからおるん千歳!?」



「割りと前からおるよ」


あまりにも普通過ぎるやろ!

「病院行かんでもよかとー?」
「…しばくで」
全部分かっとるくせにその笑顔は皮肉やわ



部室に戻る途中で千歳が呟いた

「なぁ、白石」
についての質問は答えへんからな」
「まぁまぁ、そう怒らんで!…」

しかも真顔で。



―もし今、白石との関係がバレたら
を一人にしておくのは危険過ぎたい。




「…確かに。現状でも危ないもんなぁアイツ」



「念押しとー方がよかと。」



「はぁ、遠距離は辛いわ」
かと言って、改めて考えてみれば四天宝寺やったら
確実にアウェイな感じになってしまうんやろなぁ




も大事やけど
大会までもう少しやし、今は部活に集中せな。



部長やからな、一応。






「おっそいわー白石ー!待ちくたびれてもーたー!!」
「スマンスマン!急いで準備するから待っとってーなぁ!」




「流石部長ばいね」
「褒めても何もあらへんで!」


xxx

一方。





「す、すいません部長」



「15分も待たせるとは一体何様だ、アーン?」
「いや、ただの庶民様で御座います」
庶民様?

「この資料、2秒で目通せ」
「無理!」
渡されたのはざっと30Pは下らない資料

「俺様を待たせた罰として腕立腹筋背筋50回!」
「ご、50!?そんなやったら筋肉痛で学校来れないよ!!」

「部長命令だ」
「…分かりました跡部部長。部活の時混ざってやればいいんでしょ」

「不満そうな顔だな、増やしてやろうか?」
「け、結構です!これもやりながら読むから!!じゃ、準備して来まーす」





言い逃げしてやろうかと思ったけど
やられっぱなしもムカつくなぁと思い
ドアを閉める前に舌を出してさり気なく対抗した



「…ガキじゃねぇかよ」





xxx続く






>>>コメ。<<<
誰かと絡ませるのが結構好きです(夢ならいっぱい絡んでおこうよ/しりません
次回は四天メインな感じで話を進めて行きたいです。
ここでは大会まであと何日なの?(聞かないで下さい
続きアプしました!(2/5)モドルより下にスクロールお願いします★
ラブラブな感じです(笑



>>>モドル<<<





xxx

大会目前。
緊張と不安と…危険が押し寄せていた

VIRTUAL-GIRL-FRIEND-5-



部活が終わって帰途に就いたのは夜の九時を過ぎていた


今電話したらあかんやろか…

俺が疲れとるんやから当然も疲れとるやろうし…。





ベッドの上で天井に向けて携帯を翳し
ただボーッと暗くなった画面を見つめていた


時刻は九時半過ぎ。



…埒明かんな



とりあえず風呂に入ろうと
携帯を布団に放り投げて一旦部屋を後にした




バタン
xxx







「ねぇねぇ」
「何だよ、お前歩き方おかしいぜ?」


…仕方ないじゃん、計150回の筋トレやらされてるんだから!
もうあちこち痛くて死にそうだよ自分


「宍戸、あの…男子って執拗に電話かけたりしたら怒る?」
「自分ボロボロなくせに良くあいつのことなんて考えられんな」


「いや!別に蔵ノ介のことなんて…」

意識操作だ。宍戸め…


「まぁ…執拗にかけるのはウザいな。
あくまでも俺の話だから断定は出来ねぇけど」


「やっぱそうだよねぇ」
私も沢山かけられたら嫌だしなぁ


「あとこれも俺の推測だけど」


「へ」
推測?宍戸が?



「今日は帰ったら電話した方が良いと思うぜ」


「…何で?」


「…勘。つーか俺だったら助かるかなぁって。」


助かる?


「うーん、良く分かんないけど電話してみる!アドバイスありがとね!!じゃっ!!」

と、振り向こうとしたら宍戸に呼び止められた




「ん?」

「途中まで一緒だろ?…送る」

「え。えぇっ!?宍戸が?」
明日は嵐…いや、雪降るんじゃないか?!




宍戸が送ると言った裏には色々と訳があったことを私は後々自覚する訳で―


「前から思ってたけど宍戸って優しいよね」
「は?送るだけで何言ってんだよ」
「こういうのはタイミングが無いと言えないわけよ!さささ、帰ろ〜」


もっとも、今の私はボロボロの為、
帰るのに普段の三倍はかかると思われるんだけど…



xxx
午後11時。


やったら不安になりよる自分が情けない


…大丈夫かなぁ
いや、何でアイツをそこまで心配しとんねん。

数日前まではただのチャット仲間やって言うのに…






頭を掻きながら自分と戦っていると

ふと携帯が光った



思わず着信先も見ずに電話に出た


「はい、どちらさん?」


「えっ、ひっどーい!登録してくれてないのー?」


何や、お前か。
「用件は?」

「あのね、明日休みやろ?
せやから部活終わったらデートしてくれへん?」


おいおい。
「自主練するから無理やわぁ。スマンなぁ」
大会前やのに誰がデートなんかするか。


「えーっ、前はすぐにオッケーって言ってくれたのに…
最近冷たいよね、彼女でも出来たん?」



最近に始まったことでもないやろ。つか俺がいつOKした?
「今は部活で手一杯やねん、疲れとるし…電話すんの止めてくれへん?」
俺も好き嫌いによって態度変わり過ぎやない?

「白石君私のこと嫌いなん?」

「あ、スマン電波悪くて聞こえへんから、ちょっと切るな」


…えっ




プツッ



xxx


…ったく、来て欲しい方からは来ないし、どうでもいい奴からはかかってくるし



切ってまもなくまた光る携帯


何やねんホンマに


「しつこいで!デートせぇへんって言うたやろ!」



「…ん、デート?っていうか蔵ノ介…いきなり怒られたら凹む」

「ま、紛らわしいねん!」

「へ、な、何が?」
「いや、ちょっとマネージャーからついさっき電話あってな、
いきなり勘違いしてスマンかった…」
「あ〜…それでかぁ。何となく分かったよ、タイミング悪くて私もゴメンね。」
は何かを悟ったらしい

そして蔵ノ介も何かを悟ったらしい
、声おかしいで?」
「あぁ…跡部待たせたから筋トレを合計150回してて…ボロボロなの今」



「大丈夫か?ってか帰りとかまさか一人?」


「ううん、何か知らないけど宍戸が送るって言い出して
途中まで送ってくれたの!明日台風くるかも」

氷帝の宍戸って…どんな奴やったっけ

「電話も蔵ノ介にかけたらウザいんじゃないかなぁって
相談したら俺だったら助かるって言われたから
良く分かんないけどかけてみることにした!…まさか助かった?」

頭が切れるんやな、宍戸は
「…助かった。今めっちゃ助かっとるよ」

「えぇっ!何故?!分かんないなぁ。」



「無事で良かったわ」
「そんなヤワじゃ無いよ!今日はまぁ…
筋トレ後はもう油の無いロボットみたいで…」

あ。送るってそういうことか!!

「え、宍戸鋭過ぎだよね?」
「…気付くん遅いわ」

「で?」
「で…って」


「いや、マネージャーの話。
ほら、女子は変に第六感が働くところがあるわけよ」

…確かに。







「あかん!」

「えぇっ!?」

あー…ビックリした。耳キーンってなってるもん



とずっと話してたら俺他の女子と話せなくなるかもしれん」

「それって何、じゃあ私は誰ですか」
この質問はおかしいね

「いや、ちゃうねん。
上手くは言えんけど飽きないっていうか、楽みたいな」
あーぁ、自分でも何言うてんのか分からんわ

「でもその方が良いじゃん」

普通焦らんのか?

「だって話さなかったら好きになることも無いし!」

願ったり叶ったりだよ。

「けど違和感あるやろ、前は普通に喋ってた奴が急に大人しゅうなったら」


「分かった。明日はとりあえずデートしてきなよ」
「おぅ、そうさせて…って、待て待て
「ん?」
「普通なら『蔵ノ介は自分の物だから話さなくて良い!』とか言わんの?」
浮気勧める彼女なんておらんやろ

「いや、大体私がそんな風に言ったらキモいとか絶対言うだろうし」

冷静に考えたらせやな。

「それに、会ったことも無いし顔すら見たこと無いけど
蔵ノ介の内面に惚れてるから!だから信じてるよ!
私の目…いや、心眼的な物?が節穴じゃなかったらの話だけどさぁ〜…」

話してるうちに段々自信無くなって来た…





…シンと静まり変える通話先

引いた?もしや引いちゃった?
何となく私からも話しかけようとは思わなかった

あ、明日の準備…
まずいな、ベッドに横たわったまま動けないよ…
まずは部活に持って行く物をイメージしてみようかな…









「ストレート勝ち」



「ス?!」

まさか試合でも観てて熱中してた?






「喜びや、俺にストレートで勝ってんねんで」


こんな静かで…でも優しい声初めて聞いた


「蔵ノ介…?」

私のせいで引き過ぎて死ぬんじゃないかこの人
(いや、それは無いんじゃ…)



「完敗や、あかんな。
この期間で俺めっちゃお前のこと離しとう無くなっとるわ」


…ん?
「さっきの一言で心配になる理由分かったわ。女子ならもっと束縛するやろ?
けどは目放したらどっか行ってまう気がしてな。
ほっとけないっていうか。」





「そうなのかなぁ?」

「笑うなよ?」

「わ、笑うことで無ければそう簡単に笑わないよ」


と、心を落ち着かせて蔵ノ介が一言。





好きやで、










「何やねん、こういう時こそ反応せぇや!
悪かったなベタなことしか言えんで!」
こんな真剣に言うたの初めてやから自分が気持ち悪いわ



い、いやぁー…

「笑うより照れまくりなんだけど…
多分ね殆どの女子そのベタな一言で落とせる」


「…ベタでもえぇんやな女子って」


「案外ベタな方が喜ぶこともあるんだよ」


「ほんまかいなぁ」
「た、多分…あ。」







私も蔵ノ介大好き





「じゃ!おやすみ!」
「まっ…」





……今度は俺が言い逃げされてしもたな。


そうこう雑談をして電話は終わった。


ちなみに明日蔵ノ介はやっぱりデートに行かないらしい。

そして私は筋肉痛で学校に行けるかすら危うい。




xxx
「なぁ、謙也君」
「何やー?こんな遅い時間に電話なんて。
メールじゃあかんかったんかいな。」
「…白石君な、もしかしたら女出来たかもしれへんのやけど
心当たりとか何か知らへん?」

心当たり…なぁ。
「いや、分からへんわ。すまんな。」
ただでさえごっちゃになっとるのに女子まで入ってきたら
俺かてもうわけ分からなくなるわ

「ホンマに?千歳君とかはきっと知ってても教えてくれへんやろうし」
「せやな。どちらか言うたら白石側に付くんちゃうかな」


白石君、絶対何か隠してるわ。
私以外の女子と付き合ってたりしたら…許さへん。






xxx





「侑士」
「…深夜に電話って、よっぽど大事なことなんやろなぁ?」



ちゃん、ホンマに好きなら掴まえておいた方がえぇで。





掴まえる…て。









断言出来ひんけど今うちの部長のモンやわ。















xxx続く






>>>コメ。<<<
蔵ノ介がヒロインにハマっちゃったっていう話(良いなぁヒロイン
四天メインでとか言いつつ全然でした(いや、話の流れが…ねぇ?/聞くな
次辺りですかね。こう、盛り上がってガタンと落ちるかも(楽あり苦あり的な
次回はオサムちゃんの恋話とかも入れつつ進めていきます!(予告
そして知らない場所で怪しく動く(?)横の繋がり。どうなる!(何
続きアプしました!(2/19)モドルより下にスクロールお願いします★



>>>モドル<<<





xxx
[share対訳]
月が僕らを照らす 月が背中を向けて涙する
本当は、つられて泣く君の背中をしっかり抱きしめたかったんだ
月が僕らを照らす 月が背中を向けて涙する
今は月に隠れて君を抱くよ





―えぇなぁ、この歌。


前は何も思わんかったのに。



VIRTUAL-GIRL-FRIEND-6-




電話した後布団も被らないでそのまま爆睡したらしく、
私は携帯のアラーム音の前に着信音で起こされた



あい…もしもーし

誰だこんな朝っぱらから。


…おはよ



あぁ…おはよー…


夢見心地だった私には着信元を理解するのに
若干の時間が必要だったらしい



向かえに来てやったぜ、早く外出ろ


あー…ありが…


ん?






重たい体を自分なりに素早く動かして窓を覗いた


「宍戸長太郎!?」


「先輩、混ざってます!」
「早くしろよ、置いてくぜ」



うわ、優し過ぎるよ宍戸!何でそこまで…


それをまるで見切ったかのように宍戸が口を動かした




「俺よぉ、曲がったこと大嫌いなんだよな」









「宍戸先輩〜さらって〜!」

「はぁ?…願い下げだな」

「やっぱり?」




15分後



うわ、ゴメン!


「大丈夫ですよ!コンビニ寄ってたし」
「長太郎、こういう時は何も言わないで責めた方が面白いんだぜ」
「ちょっと!ちょっとちょっと!長太郎を悪い子にしないでよ!」
ってか宍戸鬼だ、鬼。

先輩迎えに行くなんてどうしたんですか?
って聞いたんですよ」

「え!聞いちゃったの?」
何て返したんだ?

話題の先を見てもただ前を見たまま無言で歩いてるだけ


「すっごい筋肉痛だから部活に遅れて
また筋トレやらされたら大会前に死ぬだろって言ったんですよ」

あ、そっか。そうだよね〜…。
いや頭良いな。



「さっきから何ジロジロ見てんだよ、殴るぞ」

「あ、いやぁ今殴られたら多分倒れるから。
瀕死寸前の敵キャラのような物だからさ」

何だその例え。

その後は何事も無くどうにか部活に間に合った

最後の方であまりに遅い私を哀れんだのか軽く二人に担がれてたけど…


xxx
一方。



あーぁ、俺もはよ自主練やりたいなぁ。


部室から窓越しに呟く部長。

まーまー!
まだ午前やしちゃちゃっとオーダー決めればえぇんやって〜!

「いや、ちゃちゃっと決めるのはまずいんとちゃうか?」


「せや!アミダ…」
「ありえへんて!」


「はっはー!冗談やて白石ぃ〜!
ま、大会前やからってそうイライラせんと落ち着きや〜。
お前がそないやったら他の部員が困るやろー?」



「あ…せやった。」



我に返ったところでようやく真面目にミーティングが始まった。



ミーティング言うても、
大体6割はオサムちゃんの話好きで消えてしまうんやけど。



「今日は何話そかぁ!」

ほら来た
「いやいや、オーダーやろ普通に」


こうフリをされたらもう何言うても無駄なんやけど
一縷の望みにかけてとりあえず止めるだけは止める。


「俺が新任の年にな、ほろ苦い思い出があんねん」

「ほろ苦い?何、オサムちゃん恋とかしてたん〜?」

まずいな、初ジャンルに思わず乗ってしもた
「生徒に告られたんやわぁ。」



「えっ」




思わずオサムちゃんを見たまま止まった。


「ドラマとかの話や無いの?そういうのって…」

「多分白石が教師になったら同じ目に合うと思うで」

何笑てんねん。つかどういう意味やそれ。

「でなぁ、その子段々アプローチがエスカレートしたから
親に言うたんやわ」





結構大ゴトや


「そしたらまぁ大体想像は付くと思うけど次の日から不登校や。」

「…」

「せやけど、それで終わったらあかんから必死に考えてなぁ。」

オサムちゃん普段軽いくせに実は色々あるんやな

「10年後、良ぇ女になっとったら結婚でも何でもしたるから
まず学校来いやぁ言うてな!
そしたら謝って来たわ、その子。今も仲良しやで!えぇやろ〜!」



ガクッ

「何やオチ軽くて崩れたわ… まぁオサムちゃんやからそう言えるんやろうけど…
っていうか犯罪ちゃうん?!」

「何、生徒とは常に対等!友達でないといけないんや〜!
それが俺の教育方針やさかいになぁ!!」

「確かに…下手したら千歳とか財前より落ち着き無いで」
「えー!白石それは言い過ぎやて〜!!ホンマ滅入るわ〜!」




いつもこんな感じで脱線するけど
今日は俺が乗ったってのもあっていつも以上に脱線しとるな

「好きになったら大切にせなあかんでぇ〜!青春や青春!!」


その言葉が妙に響いて思わず口走ってしもた自分がおった。
「…実は俺今なぁ、氷―」
「あぁ〜!!聞こえへんで!!聞こえへん!!
俺口軽いから何も聞かへんでぇ〜!」



あ。
更に言葉が響き返して冷静な自分に戻った


「せやったわ」

そう笑って返した

「分かるわー。最近えぇ顔しとるでぇ白石ぃ〜」

同じく笑って返された

「顔に出とる!?」
「教師やからな。けど普段は分からん顔してた方が楽やねん」


「…なるほどなぁ。」


今日の話は少し勉強になった気がするわ。

xxx



お昼前。

何故か監督に呼び出された。

…監督、未だに慣れないなぁ。


、電話に出てよし!」
「…は、はぁ。」

電話…?


「もしもし?」
「あ!!!大変なのよ、お父さん急な出張で…」

出張?

「そんな、別に電話しなくても良いんじゃ―」
「それが本当に急だったから着替えも何も持って行ってなくてね
でもお母さん忙しくてちょっと持って行けそうに無いのよ!」
「えー…私持って行くのー?大会前なのに?」

「榊先生には説明済みで日曜までならOK貰ったから大丈夫よ!」

「お、OKって…」
監督、良いの?


「で?何、今度はどこに行ったの?」


渋々行くことを決めた私は場所を問い質した。
そして間髪入れずにお母さんが返答してきた。



「大阪よ!大阪!!」
「おっ…大阪?!」




あ、大変。あまりに大声で監督に睨まれた…

「…すみません」
小声で監督に向かって一礼

「ちょっと、大阪なの?本当に?」
「何でこの状況で嘘吐かないといけないの!それとも何か問題でもあるの?」
「いやいやいや!全っ然!!」
むしろ嬉し過ぎて叫びたいくらいです


「それじゃあとりあえず家帰るね」
「急いでるからタクシーで帰って来て!」
「あれ、太っ腹?」
「タイムイズマネーって言うから!」
時は金なりって普通に日本語で言えば良いのに

「うん、了解!」


「気を付けて帰るように」
「はーい!」

「返事は短く!」
「はい!」

「そんなに帰れるのが嬉しいのか?」
「へ?」


「顔が明らか笑っているが」


ギクッ


「いいえ〜?し、失礼致します」





疑問形か?







―大阪かぁ〜!!
蔵ノ介には内緒で四天宝寺遊びに行ってみよ〜!
あーどんな顔するかなぁ〜
って言うか…見つけられるかなぁ…。

あれ、何か緊張して来た。どうしよう。


こうして私は大会直前に一人でドッキリ企画を開始した


…筋肉痛がまだ治ってないけど






xxx続く






>>>コメ。<<<
オサムちゃんのほろ苦い恋話でした(何?
そして何ともグッドタイミングな出張!(夢ですから/え?
ガタンと落とす所まで行きませんでした(あれ
でも大阪に行くともなると(しかも学校に直接)何か起こる予感…?(意味深?
一番最初の歌詞はロコのshareです。私が大好きな曲で御座います(聞いてないよ
続きアプしました!(2/25)
ページ変わります。■ENTER■



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