***VIRTUAL-GIRL-FRIEND-Vol.3-***
さて、どうしよう。


VIRTUAL-GIRL-FRIEND-7-


何とか着の身着のまま…
むしろ制服着たままでお母さんの威圧に負けて
はるばる大阪までやって来てしまった


…えーと。


あ!そうだ。私千歳の番号知ってるじゃ〜ん!

お父さんに連絡する前に千歳ですかさん。









あ。まだ部活中かなぁ。



うーん。出ないなぁ…
もしや私の番号登録してなくて「誰ばい!」とかって怒ってたりして…




「はーい?」

「うわっ!」

「…人にかけといてビックリするなんてどげんこつね

「え!だってだって、まさか電話が千歳に登録してるとか…!!」
「まず落ち着く!」

「わーもうすみません…。」


ひとまず深呼吸。


「それにしても、電話ん相手違うんじゃなかと?」

「…」

、聞いとる?」
「あ!度々ゴメン…何か千歳の声聞いたら落ち着き過ぎちゃって…
えっと、実は今さっき大阪に着いて
四天にも遊びに行きたいなぁって思ったら場所知らなくてさぁ!
いやぁ笑えるよね!!この計画の無さ!」

「そういうとこ、あん時と変わっとらんね。
あ、俺迎えに行くばい!場所は?」

「え!良いよそんな…」

「ドッキリじゃなか?」
「ド…」

見抜かれてるよ


場所を聞いた後、
詳細は着いてから説明して貰うと言われて千歳は電話を切った。


千歳か…去年の大会以来だなぁ。

しかし思い出したく無い初対面だった…。

私は千歳を待っている間にそのことを頭の中でリピートさせていた




去年の大会の話―

―下駄だ。下駄。

これが第一印象。


中学生でしかもテニスやってる人が下駄で普段生活してるの!?って
物珍しくガン見してしまって
前方不注意だった私は思いっ切り木にぶつかった


本気で痛かった。



そして真後ろからそんな衝撃音が聞こえたら
振り向かない人なんて大音量で音楽聴いてる人位なわけで。



「ど、どげんしたとや!?立てる?」

「あ…大丈夫ですすみません…」
下駄が珍しかったですなんて恥ずかし過ぎて言えない

「いや、本当ほっといて下さいもう…」
「ちょっと待っとって!」
「まっ…」

どの道痛くて動けないから…




数分後、千歳が戻って来た。

「目瞑って!」
「はい…?」


その場の応急処置として冷やしたタオル持って来てくれて
この下駄は絶対モテるぞって思ってたんだっけ。



「あの、何故にここまで?」
「すぐ後ろで起こっとーのに助けないとか鬼じゃなかね」


「…優しいんだ。モテるんでしょ〜?」
「そげなことなか〜!それより一体…」
「え…笑わない?」
「ん。笑わんよ。」



「テニスやってる人でしかも学ランに下駄って珍しいなぁって
下駄見てたら前方不注意で…」




くすっ





ん?





「あーっ!!!笑ってるじゃん!!」

「あはは!ゴメンゴメン!」


肩を軽く叩かれながら宥められた

「名前は?」
「え?名前?…」
なぁ、気に入った!」
「気に入られた!?どげんして!!」
「そういうとこかな」
どういうところだ?
「あの、下駄さんは…」
下駄さん?

「あぁ、名乗って無かったばいね。」

と、唐突に落ちてた木の棒を左に持ち地面に字を書き始めた。

千に歳…って書いて千歳。



「千歳…左利き?」
「そっち?」


「あ、何かカッコいいなぁって」
「そう?」
「うん。」


千歳!試合始まるたい!!


「今行く!」


「あ、千歳…!!」
こんな珍しい人、ここでバイバイって切ないなぁ…
でもいきなり番号とか教えてなんて言えないし…。



、書くもん持っとー?」
「か、書く物…あ、マッキーならあるけど。」

良かった!手、貸して

「手…?」



訳も分からず差し出すとサラサラと何やら手に書き始めた






…千歳!



面白い話あったらいつでもかけてよかね!それじゃ!

「ど、どうしてそこまで何でも分かるの?」
「気に入った相手は特別たい!」




凄いなぁ…





だから四天宝寺に行ったってことも知っていた訳で…。


目…大丈夫なのかなぁ…。



xxx


!お待たせ!


と、長ジャーを捲ってユニフォームのまま迎えに来てくれた千歳。

何だか回りの人達の視線がこっちに向いてる気がするのは思い過ごし?
「あれ?髪…下駄…」
「髪はイメチェン!それに下駄だと走れ無いし。久しぶりたいね!」


「千歳…」



あぁダメだ…
何か異国の地で日本人に会ったような安心さにやられてるよ今…。


涙腺緩むな!




ふわっ



…あれ?



「千歳、日が沈んだよ…早いね、もう真っ黒」


そして私何で歩いて無いのに移動してるんだ…?



たたたた



「おっ!?」



もしかして今抱えられて無いか!?え!真面目に?!


あぁ!これユニフォーム!?ヤバい、めちゃめちゃ混乱してる


「千歳!重いよ私!
いや、確かに筋肉痛で安心して泣いちゃったかもしれないけど
これじゃぁ美男子と野獣だよ?!姫抱きじゃなくて野獣担いでるんだよ!
彼女とかに申し訳―」



千歳は一瞬目線を下ろして私に合わせた


「早くしないと白石、取られるかも」
「え?…まさかマネージャー?」




黙って頷いていた。


「ところでその荷物…家出?」
「違うよ!お父さんが急な出張だったから届けに来たの!
明日帰る予定なんだけどね!!ほら、大会近いし。お互いに。
あ、千歳の家遊びに行きたいなぁ〜」


いや、ダメだよね千歳彼女いるもん絶対

言うだけタダだし!

「良かよ、ばってん白石の許可出た時だけかな」
「良いの!?女おるやろ千歳!!」


「白石の口調移っとー」

笑われてしまった

「だって…」
千歳は移らないのかなぁ


「白石が羨ましか」

…?

笑顔の中に少しだけ寂しそうな表情が見えたのは気のせい?




「千歳の方が蔵ノ介より絶対顔も性格も良い人だもん!!
私なんかが手の届かない憧れの存在なんだから!」


「あははっ、そげなこと、白石見たら言えなくなるばいね。」

「だって私のこと好きとか絶対カッコ良くないよ!
顔で選んだ訳じゃないから良いんだけどね」


後にこの発言を撤回するなんて今の私には考えられなかった。


xxx


四天宝寺…ほぅ、ここが。


未だに担がれてる私

そして疎らに出て来る生徒。



…蔵ノ介帰っちゃったのかなぁ?


「あれ、千歳さん。どこ行ったんやと思てたら…
そう言うことですかぁ?」

「違う違う!ちょっと訳ありで。」

「そうだよ!こんなカッコ良い人に拾われる訳が無いから!」

「じゃぁ一体…?」

「千歳、この人誰?」
「あぁ、後輩。」
「へぇ〜…四天宝寺ってイケメン多いんだね!ってか二年?」
「…イケメンって言葉久々に聞きましたわ。」
「それピアス?全部開けて痛くないの?」
「傷口にめっちゃ塩擦り込まれる位やないですかね」

「ひぃぃっ!痛い!痛い!!」
「財前、いじめたら怒られったい」
「…あ!まさか…この女が!?」
「何、有名人?!」

「白石さんのコレ!?」
そう言って小指を出す財前と言う人。

「何で知ってるの?!」
「昨日学校で電話しとー時にたまたま屋上で寝とったらしくて。」
「あ…なるほど。」
「ところで白石まだおる?」

「多分おると思いますわ。」


と、門で雑談してると二つの影が。



「白石君〜帰るんやったらちょっと付き合ってぇなぁ〜!」
「行かん言うたやろ〜?」

、あれ白―」



千歳に紹介される前に私は無意識に、
直感的に二つの影の前に立っていた



「誰やねん!あんた。他校やろ?」
しかもここら辺の中学ちゃうわ、こんな制服見かけへん。


「ちょっと、蔵ノ介取らないでくれる?」

「はぁ!?何言うてんの?自分の顔考え…」














「ハハッ、う…嘘やろ」
「せやよねぇ白石君〜!」



女の修羅場は恐ばいね。














「…あ、あれぇ!?」



ままま間違った?!
今思わず右見たら何か想像と違いまくりな…待て!!待て自分!




「し、失礼しました!!」



数メートル先にいた千歳の後ろに隠れる

「さっきの勢いはどこに行ったとや?」

「間違った!私間違った〜!?
あんな綺麗な顔の人が蔵ノ介なわけないもん!!
千歳ー早く私を家に連れてって!!」
恥ずかし過ぎて千歳にがっつりしがみついてる始末。

「わがままやな、この人…」


「何ねこのダブルドッキリ」

面白たい。




「ちょ、白石君どこ行くん」







「千歳…後ろにおる子」

「えーと…ほら、顔上げて」


無理と首を横に振る


「待ってな、俺も今の状況飲み込めとらんのやけど…。」


「白石君、まさかあの変な子…彼女とか言わへんよね?」

言わないって!!あぁもう大阪まで来て何たる大失態…!!!
























…?」






「!」








大きな背中から恐る恐る顔を出して見る


「その声…」



聞き覚えのある声…。








「じゃぁ本当に…蔵…ノ介…?」





xxx続く






>>>コメ。<<<
遂に大阪編突入!(この話いつからシリーズ物になったんですか
そして初対面。千歳との意外な関係(こう言うの好きですね
さて、無事に帰ることが出来るのか、帰っても無事でいられるのか!?(何
今後の白石の動きがなかなか凄いかも(凄い?
気が付けばファイルが70番目。(笑
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>>>モドル<<<








現実か夢か―
今の俺にはそんなん、どうでも良かった


VIRTUAL-GIRL-FRIEND-8-


千歳の横に移動してみる。

とか言いつつまだ半信半疑だ。












ガバッ!



「!?」



一同(むしろ蔵ノ介以外が)呆然。







「…理由は後で聞くわ」

「いやいや!こんなところで…」






またユニフォームで視界が暗くなった


四天宝寺は被せるのが流行ってるの?



何て考えてる時に一瞬の出来事があったことを私自身が理解出来てない。



ただ口元が温かかったかなぁって言うのと
ユニフォームが取られた時、
屈託の無い笑った顔が見えたってことだけで―



「風強くてユニフォーム飛んでしもたなぁ。」


「白石さん、凄いですわ〜」
「あーぁ、白石には勿体なか。」


「え〜?…まさか」

財前は次の言葉を止めた。


「何で!?」
は俺を惹き付ける物持ってんねん。
せやからすまんな、デートには付き合えへん」




「…許さん!!絶対痛い目に合わせたる!!」


「うるさいなぁ、私負けないし!敵もいるけど味方もいるもん!!」



そうしてマネージャーはいなくなった



「く。蔵ノ介…」
「何や、キャンセルしたいんやぁとか言う?」
「違う…逆…私こんなに綺麗な顔立ちだと露知らず…」
だって蔵ノ介が言わないんだもん…
おかしいだろ!こんなにカッコ良いなら少しは自慢しないの?


「白石、俺ん部屋来たいって言っとーばい、どげんする?」

「その前に二人の関係はどないなっとんねん」

「月とスッポン、美男子と野獣の関係だね」
「って、さっきから言っとーばってん、返答に困っとるたい」

「構へんよ、千歳なら―」
「部長、あきまへんて!」
「…何がや?」

「財前、安心しとっとや」
「…せやったらえぇんですけど」





「その前にお父さんに荷物届けないと」

「せやった、俺何でがおるのか知らへんかった」

「じゃぁじゃぁー…」

待てよ、大会前なのに蔵ノ介がデートするわけ…

「?」
いや、そんなに見つめないで!照れるし!!

「何やねん、畏まって。らしくないで〜?」

「だって…直視出来ない」



地面と会話をする自分。

「じゃぁ、待っとーね〜!ささ、財前帰るたい」
「これからがおもろくなるとこやのに。ま、しゃぁ無いすわ」


そして取り残されてしまった…。

「いだっ!」

あの、アゴ持ち上げられて酷い不細工になってませんか、今。


「折角会えたんやで?前向きやぁ」



「…く」





その笑顔は武器だ、武器。
間違いない、私の知ってる―



「蔵ノ介!会いたかったんだよ!!バーカ!」

「な、何やねん!そのテンションの変わり様は!!
つかどさくさに紛れてバカ言うたやろ!」

「大阪にずっといたい…」


涙腺弱いよ、今日の自分は…。

しかも人の胸も借り過ぎ―




そして冷静になった自分は一瞬の出来事を考え直した
「っていうかもしかしてさっき私のファースト…!!」



泣きじゃくった顔で上なんて見なきゃ良かった






守ったんや?





「ま、守ったけど!!こんな短時間で二回もって…
人の口を何だと思ってる!あ!まさか何、欧米か!とか突っ込めと?
突っ込まないよ!!」

「自分から抱き付いといて騒がしいなぁ。
そういうテンション嫌いや無いけどな。ほら…」

「何?」


「何って、荷物届けるんやろ?」
「届けるよ…
序でにデートに誘おうと思ったけど疲れてるんでしょ〜白石部長。」

拗ねるぞ。いっそ拗ねてやる。

「全部知っとるくせに。
一人で行ったかてどーせ迷子になるんがオチやで〜?
せや、途中俺ん家寄って行ってもえぇか?」

「おっ?う、うん…」
一度に色々言われてしまった。


「目立つねん、ユニフォーム。」
「確かにそれは目立つよ。ただでさえ蔵ノ介眩しいのに」
「はぁ?どこが!ハゲてへんで」
「いや、そういう意味じゃなくて!」

「ハハッ、にしても…実感わかんなぁ。」

「そうだねぇ。わかないなぁ。」

チャットの中での人だったからなぁ。


そんな雑談をしているうちに気付けば蔵ノ介宅に到着していた。

「あぁっ!蔵ノ介!」
「ど、どないした?」
家に入ろうとするところで大声で呼び止められたら誰だってビックリする


「四天の制服って」
「が、学ランやけど。普通に。」


「着替えるなら制服着て来て!!
私だけ制服だったら兄妹って思われるの嫌だし!」
っていうかむしろ蔵ノ介の制服姿見たいし!!



「分かったわ、制服な」


そう言うと蔵ノ介は足早に部屋へと向かって行った


xxx


数十分後



、準備出来たで!ほな行こかぁ。」

「よし!行こ―」



と同時に振り返ったわけで。


その時の私は目が点になっていたに違いない


「固まっとるで、戻って来いや」

「はっ!!ヤバい、固まってた!?」
最近固まること多いな

「似合わへんか?何なら着替えて来るけど」
「いやいやいや!違う!逆!!っていうかボタンそんな開けたらまずいって!」

「暑いからしゃぁ無いやろ、俺から言わせればかて開け過ぎやで」

「私は良いの!しかも開けてるの第二までだし!!
もう、モテる理由を痛感しまくりだよ!」
「マジで?…どこやろ。」


「自分を鏡で見ろ!」

まだ慣れない彼氏と並んで私はお父さんの元へと向かった



xxx
「千歳さん」
「ん?」

「別に俺には関係無いんでどうでもえぇんですけど」
「何ね、一体」






白石さんの女、好きや無いんですか





「…白石の彼女、取れるわけなか」

一瞬驚いた顔やった気ぃしたけど
流石千歳さん、戻るん早いわ



「思い過ごしでしたわ」







その場凌ぎの嘘。





こげな嘘バレバレたい。





xxx続く






>>>コメ。<<<
まさかの展開になりましたか!?(何そのテンション
白石大胆過ぎましたかね(聞かれても困ります
ドキドキしつつ続きます(何であなたもドキドキしてるんですか
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>>>モドル<<<








売られた喧嘩を買ってる現場って言うのは
やっぱり慣れないなぁ。


VIRTUAL-GIRL-FRIEND-9-


ピーンポーン


「お父さん!全く、急な出張って…」
「遅かったなぁ!父さんこれから出るけどまぁゆっくりして…」


会話が止まった


「初めまして。」
「は、初めまして…あれ?!!」
「ちょっと待って!違うんだってお父―」

「知らない間に父さんよりナウい彼氏捕まえやがって…!
母さんに申し訳ないと思わないのか!」
「は…」


な、何言ってんだこの親父は!!


「あははっ!おもろいですわぁお父さん!大阪住んどったらえぇのに!」
「お!何だ、彼氏取っ付きも良いじゃないか!やるなぁ〜!!」
「痛いってもう!」
「じゃぁあとは若者同士で…ダメだよ!青春の度を越したら!」
「いや、越しまへんて!」







のお父ん俺好きやわ〜。」
「えー?うるさいだけだよー?」




ひとまず部屋で落ち着く二人。


「あ、何か探すから待ってて!」

飲み物とかあるのかな…

「なぁ、」

「何?あぁ、千歳とは何も無いよ?
去年大会で私がすっごいドジなことしちゃって、
たまたま千歳がいて何故か連絡先をゲット出来たってだけで…
あ、お茶発見」


あれ〜?コップどこだよ…

「ゴメン、面倒だから飲みたい時にラッパで宜しく!」

「…凄いもてなしやな」
「細かいことは気にしないで!!」


2Lのペットボトルを中央に置いてテーブルを挟んで向かい合わせに座ってみる。

蔵ノ介はと言うものの、
頬杖を突きながら何かを考えてる面持ちで携帯をいじっている。
目線合わなきゃずっと見れるんだけどなぁ。

うーん、確かに…
長太郎がカッコ良いってサラッと言う理由が分かるかもねぇ…。



髪も綺麗に染まってる(抜いてるのかなぁ)し、
テニスやってるくせに肌白いし…
何より目標持ってるっていうか部長らしい頼れる存在のオーラがある!

多分。



それにしても左腕怪我でもしてるんだろうか…?

場所が場所なだけに聞きにくいな…




私は私で色々考えながらお客さんより前にお茶を飲む

もてなしとかもはや関係無いと開き直る。



パタン






どうやらメールか何かを打ち終えたらしく
蔵ノ介はテーブルに携帯を置いた


「ほーんま、変な奴ちゃな」


ゴホッ


「そ、そんな真顔で変とか言われたらマジで凹むから!!
大体どこが変って言うの!ケホケホ…」

気管に入った…!

この間の苦しみは何とも酷だ


「いや、女子の前でメール打っとって
誰に?とか聞かれんかったの初めてやったから…つか大丈夫か?」

背中を擦ってくれたところで治るなら噎せる何て単語は生まれないよ

「大丈夫じゃ無いです…女子ってそういう子ばっかりじゃないんだよ!
っていうか蔵ノ介が誰とメールしてようが私は第三者だもん、
何も出来ない立場で敢えて詮索する必要は無いし」


「メールしとった相手が女やとしても?」
何や意地悪しとうなるな

「うん。私が一番だよって言ってくれるなら構わない」

「一番やなかったら?」

「…」

お、困っとる。



グスッ




あ。



、すまんかった!ちょっと茶化しただけやってんけど、
泣かせてしもたな俺」



俯いていた顔が近付いた


「あははっ!嘘泣きだよー…って。」


おかしいな、泣いてんじゃん自分…

「か、花粉症がさぁ!酷くて…さぁ…。」


この真夏に花粉症?

「…強気過ぎんねん」
「だって…私信じてるから…」


分かった。


は真っ直ぐなんや。

せやから他のことをとやかく言うわけや無くて



「俺のこと…ホンマに信じてくれてるんやな」


胸を借りていたが口を開いた

「信じてなかったら胸借りてないよ」

それ以前にくっつき過ぎやて

Yシャツ通り越しとるから頬当たってもぞもぞするわ


「あ!ごっめん!!何かやったら心音大きいなぁと思ったら!!!」



ボロボロだな私…大阪と合わないのかなぁ。


一旦身を退いて定位置に戻る





一気に静まる室内。
そんな中で突然電話が鳴るからビックリする


「もしもし」
、聞いたで!お前真面目に白石と付き合っとったんか!?」
「うわ、何の電話かと思ったら…。」


電話先はどうやら自分を見失っているらしく耳が麻痺しそうだ。

きっと蔵ノ介にも筒抜けだろう。
本人は無言でまったりお茶飲んでるけど―


「ホンマかいなぁ…」
「っていうか誰からそんな情報を?」

カマかけてる可能性もあるし、ここは冷静に。落ち着かないと。
「元は四天のマネや。謙也に連絡入れて俺にも来たっちゅー話や」

どうやら向こうも我を取り戻したらしい。
…これは知ってるなぁ。



「せやけど、東京戻って来るやろ?月曜。」
「そりゃぁ大会前だし、戻るけど」

「戻ったらゆっくり話そかぁ。」
東京にさえ帰ってくれれば流石の白石かて手も足も出ぇへんし。
「私は話す事無いけど、
宍戸はこっちサイドにいるから眼鏡割られない位の内容に収めてね」



宍戸を頼ってるわけじゃないけど
今はちょっと自己防衛のために使わせて貰おう


「宍戸知っとったんか」

「知ってたって言うか…」
誘導尋問が上手いと言うか。


「今白石おらんの?」
「…いないよ」





…?

動きが一瞬止まったように見えた
自分自身、何で嘘を吐いたのか分からない
ただ、もしかしたらまだ自信が無かったんじゃないかなって



―彼の横にいることが



「大体、付き合ってる付き合ってるって言ってるけど
私まだ蔵…白石の心の底は見えて無いしさぁ!
ほら、あんなカッコ良いから絶対誑かされて―」

なるべく冗談っぽく言ってたのに
携帯を盗られてしまった


「忍足、お前が好きになる理由分かるけどな、渡せへんから諦めやぁ」



お、不敵な笑みを浮かべてるぞ。

っていうか何だ、私が一番恥ずかしくてテンパってる。



「随分と短期間で自信持ったんやな、部長さん」

あったま来るわ


「自信なんてあれへんわ。すぐどっかに行ってしまいそうやし。
お前は空気かって言いとうなるわ。
せやけど俺が真っ直ぐに想っとるだけで
はそれに着いて来てくれる気がしてなぁ。」


「その思い、壊したるわ」
「あぁ、壊せるなら壊してみぃや。」
常に強気でおるといつか必ず自信に繋がる。
これが俺の中でのモットーやさかいにな。






何だ何だ、もしかしてこのギスギスした空気の原因は私?

(明らか貴方ですよ)



「ほな、大会で。」
「大会で横におらんかったらすまんなぁ。」


忍足の奴、挑発しとるわ。
ここは落ち着かな。

「出来たらな」




ツーツーツー…


電話の切断音が虚しく響き渡った





xxx続く






>>>コメ。<<<
ここで父登場。凄い明るい設定です(笑
あと1話位は部屋でのやり取りが続きつつ、場所移動します。
この連載はいつまで続くのかと自分でも分かりませんが(マテ
長い目で今後の行く末を見守ってやって下さると嬉しいです。
続きアプしました!(3/18)
ページ変わります。■ENTER■



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