***VIRTUAL-GIRL-FRIEND-Vol.9-***
多分勝てない自信の方が強くて
そんな日の空は青過ぎて…ムカっとする


VIRTUAL-GIRL-FRIEND-25-


「腑に落ちない」
思わず口に出してしまった


「何が?」

「白石君とあの子の関係」

拗ね顔でマネージャーがこちらを凝視する

「こないに綺麗な顔やのに、勿体ないわ」

「…コラ、集中せんとマイナス1コケシやで」


そう言いながら頭を小突いた
「痛っ!」



「金太郎から目ぇ離さんようにな、すぐ木とか登りよって…
俺おっさんやから無理やで」
「こういう時だけ都合良く使うんやから…」
「人間、世渡り上手やないと生きて行けへんで〜♪」

煙草を灰皿に押し付けながら軽く話す

「大丈夫やな」

「大丈夫やない言うてもシメるくせに〜」
「お、分かっとるやん。これでプラマイゼロやな」


「…何で先公になれたんか不思議でしゃぁ無いわ」
我ながら何とも嫌味な一言やな


「日頃の行いがえぇからなぁ」

「なるほど…って、納得するわけないやろ!」
「珍しな〜!白石君ノリツッコミするんやね」
「…そこにはあんま固執せんで」


「あれ、弱味〜?」
「…ちゃうわ」



バタン







疲れたな



xxx



「あ、スピードスター」

眼前に現れた人物を思わず指差す

「頼むから名前で呼んでやー!
試合中はテンション上がっとるから言ってもーたけどなぁ…」

「あははゴメンゴメン!面白いなぁ〜。ところで何故こんなとこに?」
ちゃんこそ道ちゃうんやないの?」
「私は買い物帰りだよ〜。明日のお菓子とか飲み物とか…」

袋の中をガサゴソとしながら説明する

「おいおい、遠足ちゃうで〜?まさか300円以内で買うてきたんや…」
「わ、わかってるよ!っていうか300円オーバーしてるし!!
で!?ス…謙也は?」

「ちょっとお騒がせしてしもてるイトコのとこにな」

「侑士か…」
「全く、ちゃんしか見えとらんみたいやけど
片思いやったら迷惑かけないようするんが礼儀やん!なぁ?」
「お、おう!」
「おうて!男かいな〜!!」
イトコとは言え身内でこんなにも性格違うんだなぁ。

「謙也のノリの方が好きだな」
「まぁボケる奴が多いからなぁ、うちの部。
時たま天然な奴もおるし。ほな明日な」

「あ…そう言えば試合…その…良いの?」

「えぇんやて、散々スピードスターもアピったしな…
いや、別にアピりたくて言ったわけや無いけど。
それに何となく手塚が来そうな気もすんねや」

「ダブルスに!?」
だとしたら無我対決勃発だよね…何て豪華な一戦。
「勘やで、勘。ほな気ぃ付けて帰りや」


頭を軽く叩いて謙也はホテルに戻って行った
にしても…

「同い年だって分かってるのかな、
あの人達良く頭叩いてシメるんだよなぁ…」
あ、そう言えば光にも叩かれた…
一個とは言え年下に…



xxx



「ただいまー」
「負けたんだね〜」
「…おかえり位言ってから言ってよ
…直球過ぎて開き直りそうだ、私」
「あのカッコ良い子は?」
「ストレート勝ち。蔵ノ介が試合に出る前に終わったよ」

「あら〜強いんだねぇ〜。会わせる顔が無いわ」
「そんなことないよ、別に当たって負けたの氷帝じゃないし」
ヘリクツだな…。

布団も被らず朝まで寝てしまった


xxx


ジリリリリリ…


目覚し時計の音が頭に入る

少し寝たくらいじゃ疲れなんて取れないか。



一人で会場まで行くのも何かなぁ。

しかも氷帝の制服バレやすいし…


「あ!お早う御座います!今日早いですね!!…すみません」
「いや、驚かれて当然だよ。
っていうかちょうど良かった〜!!一人で行くの嫌でさぁ〜」
二年に縋る三年

「…宍戸は?さては寝坊だなー!ねぼすけめ〜!!」
居ないことを良いことに茶化してみる
「あの…」
「こんな可愛い後輩待たせてねー可哀想じゃん」
先輩、その…」
「先行っちゃおう―」
「…殺されてぇのか?」




その瞬間背筋がゾクッとした

これは去年のテニス部肝試し大会以来だ―


「こんな奴置いて行くぞ長太郎」
「俺も悪かったんです!宍戸さん居たのになかなか言えなくて…」
しゅんとする長太郎

「全っ然悪くないよ!!良いもん、勝手に付いてくから」

「…裾引っ張んなよ」
とか言いながら決して後ろを向く気配も無く
ポケットから手は出さない宍戸。

この人は本当にさり気なく優しいなぁ


「あとでミントガムあげるから〜」
「物で釣ろうなんてまだ早ぇよ」
「うわ〜酷っ」
「何だかんだ言って仲良いですよね」

「どこが!?」


ハモりながら即答した




xxx









って、時間余裕で着いちゃったな…
開始まで30分以上ある


「マズい、睡魔来た…」

仕方無く学バンを枕に木陰で仮眠することにした



「あれ、死んどるで」
「んなアホな…」
「謙也、随分冗談下手になったとね」



指差す方向を見る


「ホンマかいな!!」

「お、千歳が関西弁ハモりよった!」

そりゃそうだ。
タオルで顔を隠しながら仰向けで寝てたら
誰だって一瞬ドキッとするものだ


「どないして〜ん謙也ク〜ン!」
「くっつくな!」
「浮気かて!」


恐る恐るタオルを除ける


「う…眩し…」


なかなか陽射しに目が慣れてくれない


パッコーン

慣れたかと思ったらいきなり頭をペットボトルで叩かれる

「いった〜!何?!」

「誤解さすなドアホ!」
「誤解…?」

「無防備にこげな所で寝てるから…白石怒っとーよ」
「す、すまぬ…」
「ホンマに武士やな!」
「え!武士シリーズ続いてたの!?」


「こんなんに構っとる場合ちゃうわ、試合始まんで」

置いて行くメンバー。またもデジャヴ現象

あ、小春に舌出された!


「待っ…」
待てよ?


このまま此処にいたらどういう反応するんだろ?
普通に無視かな…












……







「あぁ、さん。」
「光…あんたギリギリだよ…」
「あれ、ホンマや。おかしいなぁ」
この申し訳無い気持ち0%な感じは常習犯だな


「ほな、俺急ぐんで」
「じゃあ……って、四天宝寺野放しかよ!!」

いっそ不貞寝してやろうかな


ブツブツと呟く

ー!!おはようさ〜ん!何寝とんねん!!早ぅ行こや〜!!」


ズリズリ

「金ちゃん!良かった見捨てられなくて…!!
あの、走るから引き摺らないで…」

「はよせなぁ!」

「速っ」



必死に追い着こうとする






「金ちゃん、遅い」
腕組みをしながら軽く叱る恐い部長
「まぁ間に合ったんやからえぇやん白石ぃ〜!」

そんな部長のことなんて気にしないスーパールーキー。

さん、今日追って行かなかったんですか?」
「お陰様で野放しなんだということが分かったよ」
「…白石さんそう言うの苦手みたいですよ」
「そうなの?」

「多分。かなり空返事やったし」

「ってことはまさか今怒ってる?」
「さぁー?」

うわ、嫌味な笑顔…

「良いよ私千歳のとこ行って来る」
「妹居りますよ」
「あ…」

八方塞がりだ



「じゃあ光一緒に居てよ〜ほら、お菓子あげるから」
「物で釣ろうやなんてまだ早いですわ〜」
「宍戸と同じ事言われた…」

どうしてこう捻くれた人間しかいないかなぁ



「そっか、シングルス3って蔵ノ介だっけ」
電光掲示板を見ながら思い出す

しかしいきなり部長出すとは。
惜しまないな、四天宝寺


「白石君頑張ってや」
「おーきに」

「えぇ感じや〜ん」
「オサムちゃん、マイナス10おかめ」

「おかめ?!はっはー!一本取られたわぁ!!
お前対抗したな!!」
「うわぁーん!オサムちゃんのハゲー!!」

仕切り越しに帽子を取る

「返せや〜!」

「オサムちゃん…俺コート行くで」

「ほら、一言言いや」
袖を引っ張って合図する
内心言うこと無いよとか思いつつ下を向きながら呟く


「…勝ったモン勝ちだからね」



「分かっとるわ、待っとき」

ラケットで軽く頭を叩いてコートに向かった



xxx続く


>>>コメ。<<<
喧嘩したりしなかったり、この二人は仲が良いのか悪いのか見え隠れします(良いんだけどね
コケシとおかめがイコールになるかと聞かれると分かりません(コラ!
試合中の実況より四天面々とヒロインとのやり取りの方が多いです、今後(笑/笑じゃないです
続きアプしました!!(8/5)下へスクロール願います↓↓






あの人は常に上を目指している
例え口に出さないとしても


VIRTUAL-GIRL-FRIEND-26-




「乾先輩、四天宝寺の中に氷帝いないっすか!?どういうことだ!?」

「…俺のデータによれば
あれは四天宝寺中部長、白石の彼女―」

「彼女!?」

「でも、どうして氷帝の子が彼女なんだにゃ〜?」

「英二、プライベートに突っ込み過ぎだぞ。乾も…」


「って言うかどこで調べたんスかね、乾先輩」

「越前、それは聞いちゃ〜いけねーなぁいけねーよ!」


xxx


「へっくしっ!」

「何や青学に噂されとるんかぁ〜?」
「…えぇ?そんな事…」


ポイントが綺麗に決まった

「ん〜、エクスタシー」


「エク…何?!何エクスタシーって!バスタクシー?!」
ちゃん、落ち着き。…バスタクシーて」
「おもろ過ぎですわ〜」

「蔵ノ介がおかしくなった…!」

「あれ口癖ですよ、知らんかったんですか?」

「彼にとってのエクスタシーは私と居る時は無かったみたいで。
スピードスターみたいじゃん…」

思わずその場にしゃがみ込む

「ちゅーかエクスタシーとスピードスターは同類かい!」
「せめてさぁもう少し色々あるじゃん、ほら…ベストとか」
「随分と簡単な単語になったなぁ」
「真剣だからね!」

「うるさいよ〜お笑いコンビ〜!」

「俺達を差し置いてお笑いコンビやて!?」
「謙也クンと組むとか絶対あかん!許さへんからな!!」

「組んで無いから!」
「謙也君とくっつくんやったら私に白石君ちょうだい〜」
「あげません!」

このマネージャーは…!!



「白石はん、相変わらず無駄があらへん」
「ホンマ嫌〜なテニスー。あの人とは戦いとう無いですわ」


「君のボール、もうネットを越さないよ」


「ネットを越さない…?」



まさに試合が一変する瞬間だった





「嘘、越さない」


「凄いなぁ!!何でやぁ!?」
「何でだろうね…」




あっという間に縮まるゲーム差


「蔵ノ介…」
勝つって約束でしょ?!完璧テニスなんじゃないの?

「白石諦めた方がえぇんとちゃう〜?」
「いや、どんな魔法にかかっても蔵ノ介は最後まで諦めない…と思いたい」
「願望か?」
「何〜や、ビックリしたわぁ。」

「何が…」


「蔵リンの球の位置〜。ちゃんと見とるんかぁ?」

「え?位置…」






目を凝らしながら球に集中する




「あ!」







「な、凄いやろ〜四天のバイブルは」
「凄過ぎ。勝ちに執着するあの姿、惚れ直しちゃうよ」







そんな事言ってる間に遂にネットを越えた


「捕らえたな白石」
「えっ」
「白石の勝ち決まったな」
「気早くない!?」

「見てれば分かるて」





試合は見事予告通りの結果になった


包帯もめちゃくちゃになって物凄い汗の中での一勝は大きいと思う


なのに蔵ノ介の顔は晴れていない


「蔵ノ介!」



「…何や追い込まれよって悔しいわ」


「物凄いカッコ良かったよ!」
謙也が付け加える
「勝ったモン勝ちやで」

「…せやな」

晴れた顔に変わった






「はい白石君お疲れ!」
「ん、おーきに」


「あぁ私も飲み物あったのに…!」

さん持ってはるのってリンゴジュースやないですか」
隣りにいた光が呆れ声で話しかける
「え〜?美味しいのになぁ。…飲む?」
「…いらんわ」


マネージャーがじりじりと近付いて来る

「財前とくっついとるんやったら〜」
「だからあげませんて!!」


「何を?」


「蔵ノ…」

振り返るとそこには
…本人?!


「蔵?」

「お、オクラのDVD…」

何だオクラのDVDって

「あはは!オクラて!!ボケ勉強せなぁ突っ込む気も起きんわ!」

バシバシと背中を叩きながら謙也が何とも説得力の無い注意する

だって思いっ切り笑ってんじゃん!

「初回特典にオクラ付いて来るんやろ!」
「むしろ豆腐とか付いて来るんちゃうの!?」
「小春頭えぇ!オクラの映像でオクラあるっちゅー設定やろ!!」
「流石ユー君!!ツーカーやん!」


ゲラゲラと笑うバカップル

「凄いなぁ、うちのお笑いダブルス笑かしたで」
オサムちゃん…そんなとこ感心して欲しくないです。








「いつまで笑ってんのさ!早くコート行け!!」
まぁ落ち着きやぁ」
「元はと言えば蔵ノ介が悪いんだからね!!
って言うか包帯!捲くから早く来て!」
遂には当たる始末

「は〜?」
「つまり!!えーと…ど、どこにも行かないでよ」

捲き直している包帯を見ながら言い聞かせる

「何やねんそれ」
首をかしげながら更に聞く
「べっつにー!行きたきゃ行っても良いけどー」
拗ねまくりな言動で
残っていたリンゴジュースを一気飲みする

「あーぁ、無くなっちゃった。飲み物買って来ーよぉ!」
「飲むの早っ。あ、 ちょい待ちぃや!」


「はい?!」
「何テンパとってんねん、俺の分も買うて来てくれん?
…一緒に行きたいねんけど試合始まるさかいにな」

「でも…あるじゃん」

から貰わんと飲んだ気ぃせぇへんわ」


「そっ…そんな理由!?どれも飲めば同じだから!!!」
「ほな、頼んだで」

この人こういう時は決まってスルーに走る


正直嬉しかった

その反面…バレバレなんだなと凹みつつもあるけど。




「えーと自販機…あった」



「あ〜!」


こ、この声は…






「あらぁ〜!ミユキちゃ〜ん」
「無理見え見えっちゃね」

見抜かれた!
「お、お兄ちゃんは?」
「あんたに関係ないやろ」

我慢だ…!!相手は小学生だぞ !!


「まぁ別に言わないなら良いんだけど」

買った飲み物を飲みながら去ろうとした時だった

「蔵兄ぃがうちに言えんような関係なんやろ」


んぐっ



「う!!き、気管に…!!ゴホッ、そ、そんな何でも無いよ…じゃ!」



噎せ具合と戦いながら足早に自販機を後にした



「ミユキちゃんを説得させる嘘は思い付かないなぁ…ケホケホ」



「何噎せとんねん」
呆れ顔で突っ込まれる
「そこでミユキちゃんに会ったんだけど蔵ノ介との関係聞かれて…」
「俺のフィアンセやからな。おーき…」


手渡そうとしていた飲み物が引っ込んだ

「許嫁がいる人にあげる飲み物は無いです」
冗談と言えど流石にこれは面白くない

「スマン、悪乗りし過ぎた」

「…素直だな」

何気にこんなにも早く引き下がるとは意外だった

「いや、俺言われたら嫌やなぁって思ってな。
確かに結婚は約束しとったけど俺の嫁はんは やから…破談やな」

申し訳無さそうに告げる

「そうだねー……嫁はん!?」



持っていたペットボトルを思わず落とす



「嫌なん?」
「ううん全っ然!めっちゃエクスタシー」

笑いながら反応した


「エクスタシー使うなやぁ」
「蔵ノ介こそ!」


「そこの夫婦漫才組、ショーは見んと失礼やで♪」

「さっきは謙也君とお笑いコンビって言われとったし
お笑い向いとるんちゃうの〜?」
「えぇやん、おもろい方が俺好きやで」

皮肉が逆効果になったらしい



しかし小春とユージの試合…パフォームはさておき


「負けたのかよ!」
「しもた、油断しとったわ!この俺が突っ込まれてもーた…」

「ユー君!もう、 どんだけ〜!!」

「ど…どんだけがマッチしてる」

この人恐いと思いながら次の試合を見守ることに

〜お菓子もうあれへんの〜?」
「お菓子…って
あー!!金ちゃん全部食べちゃったの!?もうどんだけ〜!」
「パクリよったあのお邪魔虫!」




「お邪魔虫言うな!死なすど!!」

「あっ…俺の台詞…」


ユージのテンションをどん底に落としてしまったらしい

「けど良かったと思いますよ」
「何が!?」


「次の試合、きっと食いた無くなる一戦になるんで」

「そんな凄まじい試合なんて…」


これが有り得たんだから恐い




xxx続く


>>>コメ。<<<
軽くプロポーズ発言。そしてどんだけ〜(すいません、言わせたいだけです/コラ
自分的には白石の一戦を贔屓したかった(でも応援サイドのやり取りを妄想するのが物凄い楽しかった/ぁ
段々とヒロインが四天テンションに慣れつつあります(あれ
続きアプしました!!(8/13)下へスクロール願います↓↓



>>>モドル<<<





空は青いのに
海は遠いのに
風はしょっぱかった

VIRTUAL-GIRL-FRIEND-27-



「う。ダメだ、小春より見てられない」
「どういう意味やそれぇ!!」


「痛い痛い!引っ掻かないで!!」

腕に引っ掻き傷が…ネコかよ!

「銀さん負けるな〜」


「白旗上げて寝ながら応援しとったら余計テンション下がるやろ」
「っていうか さん俺の膝使っとるんですけど
白石さん、それに対してコメントは?」
「好きにさしとけ!」
「あれヤキモチだよ、ヤキモチー」
「喧嘩は二人の間にしといて下さいよ〜?」
「はいはい、分かってるよ」


ケラケラと笑いながら話す



地声で話してるんだから当然耳にも入る

…後で絶対シバく」
「…こ、殺されるかな」
「今の青学状態になるやもしれませんね」

ざまぁ見ろや〜!蔵リンにめった切りにされればえぇんや♪」
「恐〜…明日からいなくても忘れないでね!!」

「なってみないと分かりませんわ〜」
「光の悪魔」
「嫌やわ、人聞きの悪い…」


「銀、大丈夫か!?」


謙也が慌ただしく駆け寄る


「折れた?!」
えぇ?!これってテニスじゃないの!?


「いたたた、痛い痛い」
「せやから何で が痛がるんやて」
「…いや、あのおかず見ながら
ご飯食べたらおかずの味する法則でさ…」

「さっきのオクラか」
「やだぁ〜ユー君ナイス!!思いだし笑いしてまうやんかぁ!!」

コイツら幸せだなぁ

コートも選手も有り得ない事態になった為にしばし休憩らしい

お菓子〜!」
「忘れてた…そうだ、一緒に買って来ようか?」
「行くー!」

「あかん」

「休憩なんだし良いじゃん?」
「せやで白石ぃ〜!!」
「甘やかすと後大変やねん、言う事聞かんのやったら…」


「タイムタイム!!分かった!!待っとるから〜毒手は…!!」
「毒手効果凄いなぁ。…他の人には効かないの?」
「効いたらえぇですね」

「もう、ウニ!」
「ウニやて!あはは、似とるかもな」

「謙也さんまで悪乗りしよって…似て無いです」





和やかムードで休憩時間は過ぎて行った



xxx





「ど、どげんこつね」



電光掲示板がミスだと思いたかった


いや、思う外無かった。


「…お兄ちゃん部活やめたんやなかね?」

コクリと頷く


「出番やで千歳!」


「出番…てどういう…」


「試合したかったんやろ?」

「謙也…」


「お膳立てはしといたで」

「謙也クンカ・ッ・コ・え・ぇ!ロックオ〜ン♪」

「うわっ、私が鳥肌立った…!」
「言わせとけばえぇんやて」
「蔵リン平気なの?」
「蔵リン言うな!まぁあれが小春の全てや無いからな」
「な、何その怪しい雰囲気!!もしかして…」

「何想像しとるか知らんけど試合、見といた方がえぇで」

「うん、凄い対決だからね」


コートに立つ千歳と目が合う

「まさかに騙されるとは」

笑いながら話しかける


「騙したもん勝ち!」

め、生意気にキャッチフレーズ使いよって〜!」
「良いじゃん、オサムちゃんマイナスなんだから」

「馴染み過ぎやろ〜、堪忍してぇなぁ」



何とも…凄まじい試合だなぁ。

「千歳だったら籠の中の鳥でも良いよね。カ〜ッコいい〜」
「…白石怒るで」

「大丈夫だよ、集中してるみたいだし。言ったもん勝ち〜」
「…後に退けんけどな」
会話の矛先が頬杖を突きながら呟く

「ヤバい、殺すどころか地獄行きかも…」
「せやから言うたやろ〜!」
「謙也が千歳と代わるからだよ」
「アホぬかせ〜!ちゃんが一言多いねんて」

「う…言い返せない」

って、あれ?



「嘘!?千歳が圧されてる」
「マズいな」


部長の顔も曇る

静かにしておこう
…と言うか嫌でも息を呑む雰囲気だ





xxx







「四天もなかなか粘ったよな」
「そうですね、何かもう…強過ぎて。」
「恋は叶ったもん勝ちやな…」

「うわっ!ビックリしたぁ…」
「忍足お前急に入ってくんなよ」


「いくら試合見たいとは言え、切ないわ」
「だったら千歳相当人間出来てんだな」

「え?」


長太郎はキョトンとしながらやりとりを見ていた

「千歳さん?」
「宍戸、それまさか」
「あー止め止め、面倒な展開になりそうな気がする」

話を振った本人が強制終了した




xxx


「金ちゃん、恐かった…」
あんな可愛い子のどこにあのパワーが…
「だから金ちゃんとは試合やりとうなかね」
「御見逸れしました…っていうか半分て。」
「有り得んよな、金ちゃんの馬鹿力は。
ホンマ、俺らの中やったらいっちゃん強いで」
「じゃあ金ちゃん先に出しとけばよかったじゃん」

「今更遅いわ。それに越前と試合やりたいってずっと言うとったからな」
「優しいね」

「せか?」





両者が整列する姿をオサムちゃんと見ていた
「いやぁ負けてもーた」
「…本当に悔しがってるの〜?」

「思っとるわー!マイナス10コケシ」
「えぇ!?そんなに!?」


「あないなおばはんに負けるとは俺も落ちたな」

真剣にみんなを見守る横顔を見つめる

「オサムちゃんカ〜ッコ良い〜」
「ははっ何言うてん、こないなおっさん相手に」

「オサムちゃんはオサムちゃんだよ!
いや、初対面でおじさんって言ったのは悪かったけど!!」

、白石頼んだで。
アイツ完璧にするが故に無意識で弱さ隠そうとする嫌〜な癖あるからな。
直球で聞いたりや♪」

テンパる私にそっとそう耳打ちした


「私不器用だから直球にしか聞けないんだけどね」
「バカやから救える奴もおんねん!」
「だよね〜!…って、バカとは言ってないから!!」



xxx





ペチッ





礼して戻るや否や
頭を叩く

「…何すかいきなり」
「ダメでしょ!!ベーってやったら!!」

「えぇやないですか、最後なんやし喧嘩位売っても」
「すっきりしたけど…じゃなくてダメ!!絶対!」
「何やどっかで聞いた事あるフレーズやな」
「あら!?蔵リンが怒ってへんで!?」
「奇跡や」

「いや、素直に悔しいからなぁ」



この一言で誰もが『白石は怒りを超してる』と思ったに違いない

「反省会兼流パー(※流しそうめんパーティの略/777夢参照)
午後7時からや!ほな、それまでゆっくり休みや!!」


「ちょ、オサムちゃんどこ行くん?!」
「パチ…パーティの買い出しや♪追わんといてや〜」

「…」
絶対今パチンコって言おうとした!!パチンコって!

「顧問もいなくなったことやし…解散しとこか。」


「それよりすまんばいね、わざわざ代えて貰って負けて…」

「そうですわ〜、
ま。どの道千歳さんが勝てん相手やったら負けてたと思いますけど」

「光〜大人になったじゃ〜ん!」
「せやからくっついたらあかんて…」

蔵ノ介の方を見ると完全に背中を向けて出口を見ていた


「あ、蔵…」

口を手で覆い会話を遮る

「…今はそっとしといた方がよかね」
「どうしようかな…家帰ろうかなぁ。
試合結果もまとめなきゃいけないし…」

「どの道ホテル来んといかんやろ?俺の部屋で待機しとる?」
「良いの?!記録書いてても良い!?」
「構わんよ」



「じゃあ千歳君の悩みから聞いてあげようじゃないか!」
「はは、頼もしか」


「よし、ユー君邪魔すんで」
小春が小さくミッションを告げる
「了解。ほな、後でトランプ持って遊びに行くわ!」

「ちょっと〜榊先生に怒られるじゃん!!」



xxx続く



>>>コメ。<<<
大会編が終了しました(早)
大阪編より早くないですか(ギク)
なんだかんだで起承転結で言うと転結の間辺りなのかな。
長かった連載もやっとゴールが見えてきそうです。
あと数話。寂しか〜(とか一人で言っちゃう
続きアップしました!(9/9)ページ変わります■ENTER■



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